フランスのバター不足

    1. フランス語会話・勉強

    世界的にバターの需要があがり、それに伴い値段も上昇していますよね。そんな中、酪農大国フランスでも、とうとうバター不足という事態が起きてしまいました。

    スーパーの乳製品売り場

    今日の花子さんとマリーさんは、いつもと違うスーパーに買い物に来ています。残念ながらマリーさんは、お目当てのバターを購入できなかったようですよ。

    会話

    Marie:(en regardant la liste de courses)

    (買い物リストを見ながら)

    Alors, après, il me faut du beurre, et ce sera enfin terminé pour les courses.

    ええっと、後はバターがいるわ。それで私の買い物はお終いよ。

    Hanako : C’est là-bas, le rayon du beurre.

    バター売り場はあっちだわ。

    Marie : Ah ,non ! Regarde ! Il n’y en a aucun !

    まあ、やだ!見て!バターが1つも無いわ!

    Hanako : Oh, zut ! On est venu jusqu’ici pour en chercher. C’est dommage…

    あら、まあ!バターを求めてここまで来たのにね。残念だわ…。

    Marie : En ce moment, il y a une pénurie de beurre partout en France.

    近頃、フランスではどこもバター不足よ。

    Hanako : Tiens, il y a un peu de margarine.

    ほら、マーガリンが少しあるわよ。

    Marie : Non merci. Le beurre ne peut pas être remplacé par de la margarine. 

    いいえ、結構よ。マーガリンはバターの代わりにはならないわ。

    Mais sans beurre, qu’est-ce que je peux manger  au petit-déjeuner ?

    でもバターが無いなんて、朝ご飯に何を食べればいいのかしら?

    Hanako : Je comprends. Chez les français, le beurre est indispensable pour les tartines du matin.

    なるほど、フランス人にバターは、朝のトーストに欠かせないものね。

    Bon, si tu veux, je peux t’en donner un peu.

    よし、良かったら、少しバターをあげるわ。

    J’en ai encore quelques uns au congélateur.

    冷凍庫にまだ、いくつかあるのよ。

    ポイント

    pénurie

    pénurie」は「欠乏」、「beurre バター」とセットにし「pénurie de beurre」で「バター不足」の意味になります。商品としてのバターが足らない、という時に使われます。

    他にニュースで時々耳にするものでは「pénurie d’essence ガソリン不足」などがあります。

    同じような「足らない」を表す身近な単語に「manque」があり、同じように「manque de beurre/essence バター/ガソリン不足」というように使えます。

    フランス人とバター

    フランスの大理石のテーブルに置かれたクロワッサン、コーヒー、ジャムの皿。

    バターの消費量

    フランス人のバターの消費量は年間1人あたり8キロといわれています。市販されているバターは1つ250グラムのものが多いので、32個も消費している計算になるんですね。

    日本と比べて値段も安く、スーパーなどではキロ当たり5ユーロ程度から購入できます。

    バターの消費方法

    朝食のバゲットに塗ったり料理に使ったりと、フランス(特に北フランス)の毎日の食生活にバターは欠かせません。

    日本人的にびっくりするのは、一度に使うバターの量です。特に分かりやすいのが、朝食のバゲットに塗る量でしょうか。

    「塗る」というより「乗せる」といった方が正しいのではないかと思うような量を、たっぷり使うのがフランス式のようですよ。

    もちろん年間8キロの中には、個人で消費する量以外も含まれています。パン屋さんのバターたっぷりクロワッサンや、さっくさくのクッキーなどですね。

    そう思えば、年間8キロのバターは、びっくりする量でもないのかもしれません…。

    2017年のバター不足

    フランスの机で電卓を使う人。

    そんなバターの一大消費国のフランスで、とうとうバター不足が起きてしまいました。

    2017年10月中ごろからお店から徐々に減り始め、11月に入って回復の兆しは見えていますが、まだまだ入手しにくい状態です。

    不足の原因

    バター不足の原因としては、牛乳の生産量の低下・バター輸出量の増加が挙げられています。

    もう1<つの原因が、大手スーパーの値段操作だといわれてます。

    大手スーパーはバターを売ることで利ざやを得るわけですが、それならバター会社(加工会社)から買い取るときには、できるだけ安く買うことで儲けを多くだしたい、となるわけです。

    フランス市場でバター会社は、大手スーパーの強いる安い値段で商品の取引をしなくてはいけません(年間契約で値段が決められているため)。

    そうすると、バター会社の利ざやはとても低いものになってしまいますよね。

    それなら、需要の高い外国に高値で売ってしまおう、となる仕組みで大手スーパーでのバター不足に繋がっているようです。

    再入荷と値上がり

    そんな中、バターが再入荷され始めているスーパーも見られるようになりました。

    バターの入荷があるスーパーは、バターの買値を高く修正することで、バター会社から商品の供給を得ることができました。

    10パーセントほどの値段の上乗せがされているようなので、私たち消費者が購入できるのも、同程度の値上がりになってしまうのでしょうね。

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