フランスの電力源

  1. フランス語会話・勉強

フランスの電気は原子力発電が多くを占めています。原子力発電からの脱却を目指す世界の流れの中で、フランスの現状はどうなっているのでしょうか。

どんどん増える風車

会話

今日の花子さんとマリーさんは車で地方へお出かけ。田舎道を走っているとある物を見つけたようです。

Hanako : Regarde à droite, tu sais ce que c’est ?

右側を見て、あれ何か分かる?

On dirait  des moulins à vent…

風車みたいだけど…

Marie : Oui, ce sont des éoliennes, pour produire de l’électricité.

ええ、風車よ。発電用ね。

Hanako : D’accord, mais elles sont très grandes et très nombreuses.

そうなんだ。それにしてもとても大きいし、たくさんあるわね。

Marie : C’est vrai, elles sont nombreuses.

本当ね。とても数が多いわ。

D’ailleurs, elles poussent comme des champignons.

まるでキノコみたいに生えるのよ。

Hanako : C’est-à-dire ?

どういう意味?

Marie : C’est-à-dire qu’à chaque fois que je passe par ici, j’ai l’impression qu’elles sont plus en plus nombreuses !

つまり、毎回この辺りを通るたびに、どんどん増えている気がするのよ!

Hanako : C’est peut-être pour remplacer le nucléaire?

原子力の代わりにするためじゃない?

Marie : Probablement.

多分ね。

ポイント

moulin à vent

moulin」は「製粉機」や「粉砕機」のこと。

à」の後ろに「vent 風」や「eau 水」などの動力を付けると「moulin à vent 風車」や「moulin à eau 水車」の意味ですね。

同じように「à」の後ろに細かくしたい物の名前を入れ「~ミル/挽き」の意味にもなります。代表的なものでは「moulin à poivre 胡椒挽き」「 moulin à café コーヒーミル」などがあります。

pousser comme des champignons

pousser」は他動詞の「押す」の意味で使われることが多いですが、自動詞で「生える」」という意味もあります。

pousser comme des champignons」は「キノコのように(どんどん)生える」という意味。日本風に言えば「雨後のたけのこ」といった感じでしょうか。

フランスの電力源

フランスは原子力による発電が80%弱、次いで水力・石炭(火力)となっています。発電量に占める原子力の割合としては世界No1、フランスの電力は原子力に頼っている状態です。

原子力発電から脱却しようという世界的な流れの中、フランスでも環境に優しい発電方法として「énergie renouvelable」(再生できるエネルギー、つまり風力や太陽発電などの方法)が注目されています。

centrale nucléaire 原子力発電所

centrale hydroélectrique 水力発電所

centrale thermique 火力発電所

éolienne 風力発電機

panneau photovoltaïque ソーラーパネル

原子力発電の危険性は、フランスでも問題視されています。ではそれに代わる電気の供給源は?

火力発電は環境破壊につながる、水力発電もダム建設などが必要で同じく環境破壊になってしまいますよね。そこで風力発電や太陽発電がいいのではないか、となるわけです。

しかし風力発電は風がないと発電できないので十分な供給が出来ない、周りの住人への騒音被害などの問題があります。

太陽発電にも、ソーラーパネルの作成・廃棄の際の環境への影響が指摘されていますよね。

どの方法にもメリット・デメリットがあるようで、一概には善悪を決めれない難しい問題となっています。

暖房の使いすぎで停電に?

冬になると電気の消費がアップするフランス、電気暖房の使いすぎで停電の恐れもあるようです。

フランスの原子力発電所は古いものだと30年以上も前に建てられたものがあり、安全性の確認は欠かせません。

そのため定期的な点検が行われるのですが、2016年10月時点では、58基ある「réacteur nucléaire 原子炉」のうち15基が通常点検のため停止しています。

そして「Autorité de sûreté nucléaire 原子力安全局」がそれ以外の7基に危険の疑いがあるため停止を命じました。

【三分の一が未稼働】

つまり2016年の冬は計22基が停止、フランス全土の電子力発電の三分の一以上が稼動していない状態となるわけです。

そのためニュースなどでは電気の需要が高まる冬に、大規模停電の恐れがあると報道されていました。

もちろん外国から電気を購入することもあるので、実際に停電が起こるかはわかりません。それでも年々上がる電気代がさらに高くなる未来は確実にやってきそうですね。

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