個人で人を雇用する場合

    1. フランス語会話・勉強

    フランスではどんな仕事形態でも、しっかり申請しなければいけません。とっても面倒な手続きですが、個人で人を雇う場合「CESU」という便利な支払方法があるんですよ。

    個人雇用主

    子供のために乳母を見つけたマリーさんは、個人雇用主になりますね。個人で人を雇う場合、どんな支払方法があるのでしょうか?

    会話

    Hanako : Pour ta nouvelle nourrice, c’est toi qui es son employeur.

    あなたの新しい乳母にとって、雇用主はあなたよね。

    Marie : Oui, pourquoi ?

    ええ、どうして?

    Hanako : Je me demande, juste par simple curiosité, en tant qu’employeur, qu’est-ce que tu dois faire comme démarche ? 

    ただの好奇心なんだけど、雇用主として雇う為に、どんなことをする必要があるのかなと思って。

    Marie : Je paie au noir.

    もぐりで支払うわ。

    Hanako : Non ! Tu plaisantes ?

    ええ!冗談でしょ?

    Marie : Oui, je te taquine.

    ええ、からかったのよ。

    Je payerai en CESU, tu le connais ?

    CESUで払うつもりよ、知ってる?

    Hanako : Juste le nom. Qu’est-ce que c’est ?

    名前だけなら。それって何?

    Marie : C’est le Chèque qui permet à un particulier d’embaucher quelqu’un plus facilement.

    それを使えば、個人で誰かを雇うのが簡単になるのよ。

    On peut l’utiliser pour payer une nourrice et aussi une femme de ménage, l’entretien de jardin …

    乳母の支払いにも使えるわ。それに掃除の人や庭の手入れとかにもね。

    ポイント

    employeur

    employeur」は「雇用主」、従業人は「employé」といいます。どちらも動詞の「employer 雇う」から派生しているので、わかりやすいですね。

    この「employeur」という言葉は、会社など以外、個人で人を雇うときにも使われます。

    日本で個人で人を雇うといえば、とてもお金持ちの家を想像しますよね。

    ところが共働きが多いフランスでは、「particulier employeur 個人の雇用主」は珍しいものではありません。

    子供のために「nourrice」を雇ったり、家の掃除やアイロンがけをする「aide domicile (家のことを手伝ってくれる人)」を雇う人は意外と居るようです。

    embaucher

    こちらも雇用にまつわる単語で「雇用する」という意味の動詞ですね。

    ちなみに仕事の面接は名詞形の「embauche 雇用」を使って、「entretien d’embouche」といいます。

    au noir

    noir」とは「黒い」という意味ですね。それが「au noir」となると「闇で/非合法で」という意味になります。

    フランスでは正規雇用の場合に、社会保障などの雇用主にかかる負担がとても大きいようです。その為、残念ながらこっそり「au noir」で人を雇うことも多くあるようですね。

    もし個人で「nourrice」を雇用するなら、時給だけ払えばいい「au noir」は得に見えるかもしれません。

    しかし(お互いに)怪我など、なにか問題があった場合、何も保証されないという一面もありますね。

    雇用される側も、年金が加算されないなどの問題もありますので、正規雇用以外では働かないことが重要です。

    CESUとは?

    CESEとは「Chèque Emploi Service Universel」の頭文字を取ったもので、会社などで無く゛個人で個人を雇う゛ときに使える支払方法です。

    日本のような手軽なアルバイトが存在しないフランス、本来ならたった数時間の雇用でも、手間をかけて申請をしたり、社会保障などの負担金の支払いをしなければなりません。

    週に1日だけ子供の面倒を見てくれる人を探している時など、手続きが面倒であれば正規で雇用するのを諦めてしまう場合もあるでしょう。

    【CESUで手続きが簡単に】

    そんな時は「au noir」で雇うことになるのですが、雇う側・雇われる側のデメリットだけで無く、国に入るはずの税金も入らず、失業者数もそのまま、ということに。

    ゛手続きが簡単になれば、家庭での正規雇用が増えるはず゛という目的で作られたのがCESUなんですよ。

    フランス家庭での雇用

    いくら手続きが簡単でも、人を雇うのにはお金がかかりますよね。

    仕事復帰のために「nourrice」を雇ったら、よっぽどの高給取りで無い限り「nourrice」に払うお給料のために働く、なんてことになってしまいそうです。

    税金の優遇措置

    フランスでは一般家庭で人を雇う場合、いろいろと条件はありますが所得税からの控除措置があるんですよ。

    例えば共働きの家庭で「nourrice」を雇った場合なら、支払額の50%が「Crédit d’impôt」として控除されます。

    Crédit d’impôt

    この「Crédit d’impôt」、所得税の支払額から控除してくれるだけでなく、控除額が支払額より多い場合は返してもらえるというありがたい制度。

    所得税が1000ユーロで控除額が500ユーロなら、その年の所得税の支払額は500ユーロになります。

    所得税が100ユーロで控除額500ユーロの場合は、所得税を払わなくていいだけでなく、400ユーロが返ってくるということです。

    【au noirで働かないために】

    フランスでは気軽なアルバイトを見つけるのは至難の業。

    もしも個人宅でのお仕事のチャンスがやってきたら、CESUで払ってもらいましょう。「au noir」で働くことを避けれるのでおすすめですよ。

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