フランス語の色使い完全ガイド:おしゃれな表現から文化、覚え方まで徹底解説!

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提供:フランス語教室F10エフテン

フランス語の色使い完全ガイド:おしゃれな表現から文化、覚え方まで徹底解説!

目次

フランス語で「色」を学ぶ魅力とは?日常から芸術まで彩る表現の世界へ

フランス語を学ぶ上で、色の表現は欠かせない要素の一つです。単にモノの色を指し示すだけでなく、感情や雰囲気、さらには文化的な背景までをも豊かに映し出すフランス語の色彩表現。その奥深さを知ることは、フランスという国、そしてそこに暮らす人々の感性に触れる素晴らしい機会となるでしょう。この記事では、フランス語の基本的な色の名称から、おしゃれな慣用句、文化的な意味合い、そして効率的な覚え方まで、包括的に解説していきます。

なぜフランス語の色表現が注目されるのか?

フランスといえば、芸術、ファッション、美食の国。そのいずれにおいても、「色」は極めて重要な役割を果たしています。印象派の絵画に見られる光と色彩の探求、パリコレを彩る斬新なカラーパレット、そして食卓を飾る料理の美しい盛り付け。フランス文化は、まさに色彩への鋭い感覚と洗練された美意識に支えられていると言えるでしょう。

フランス語の色表現を学ぶことは、こうした文化の深層に触れる鍵となります。例えば、「la vie en rose」(バラ色の人生)という有名なフレーズは、単にピンク色を指すのではなく、幸福感や楽観的な見方を象徴しています。また、「avoir une peur bleue」(真っ青な恐怖を感じる)のように、色が感情と強く結びついた表現も数多く存在します。これらの表現を理解することで、フランス人の思考や感情の機微をより深く読み取ることができるようになるのです。

この記事で学べること:色の基本から応用まで

この記事では、フランス語学習の初心者から中級者の方々を対象に、以下の内容を網羅的にご紹介します。

  • フランス語の主要な色の名称(スペルと発音)
  • 形容詞として色を使う際の性数一致の基本ルール
  • 各色が持つ文化的な意味合いや象徴性
  • 色を使ったおしゃれな慣用句や表現、豊富な例文
  • 色の濃淡やニュアンスを伝えるための便利な言葉
  • フランス流の配色センスに触れるヒント
  • 楽しく効果的にフランス語の色を覚えるための学習方法

さあ、あなたもフランス語の色彩豊かな世界へ一歩踏み出し、表現の幅を広げてみませんか?

フランス語の色の基本:スペル、発音、性数一致のルール

本格的に各色のフランス語表現を見ていく前に、まずは基本となるルールをいくつか押さえておきましょう。特に、形容詞として色を使う場合の性の不一致は、フランス語学習者がつまずきやすいポイントです。ここでしっかりと理解しておくことが、後の学習をスムーズに進める鍵となります。

色の単語を覚える前に:形容詞としての色の基本ルール

フランス語では、色を表す単語の多くが形容詞として機能し、それが修飾する名詞の性(男性名詞か女性名詞か)と数(単数か複数か)によって形が変わります。これはフランス語の文法における非常に重要なルールであり、「性数一致」と呼ばれます。

例えば、「緑のリンゴ」と言いたい場合、リンゴ(pomme)が女性名詞なので、緑(vert)も女性形(verte)に変化させる必要があります。基本的なルールを理解し、慣れていくことが大切です。

ポイント:

  • 色は通常、修飾する名詞の後に置かれます。(例: une voiture rouge – 赤い車)
  • 名詞の性と数に合わせて、色の形容詞も形を変化させます。

男性形・女性形、単数形・複数形への変化をマスター

多くの色の形容詞は、男性形が基本形となります。女性形にするには、一般的に男性形の語尾に -e を付けます。ただし、元々 -e で終わる男性形の色の場合は、女性形も同形です(例: rouge, jaune, rose, orange)。

複数形にする場合は、単数形の語尾に -s を付けるのが基本です。ただし、元々 -s-x で終わる単語は、単複同形です(例: gris)。

以下に代表的な変化のパターンをまとめます。

  • 基本形 (男性単数): bleu (青い)
  • 女性単数: bleue (e を追加)
  • 男性複数: bleus (s を追加)
  • 女性複数: bleues (es を追加)

例外として blanc (白) の女性形は blanche になるなど、不規則な変化をするものもあります。また、marron (茶色) や orange (オレンジ色) のように、果物や木の実の名前に由来する色の形容詞は、性数に関わらず形が変わらない(無変化)というルールもあります。これらは個別に覚えていく必要があります。

発音のコツ:フランス語特有の音に慣れよう

フランス語の発音は、日本人学習者にとって難しい側面の一つです。特に R の音や鼻母音、リエゾン(連音)やアンシェヌマン(連鎖)は、慣れが必要です。色の名前を発音する際も、これらの特徴に注意しましょう。

  • R の音: 日本語の「らりるれろ」とは異なり、喉の奥を震わせるような音です。rouge (ルージュ), vert (ヴェール), gris (グリ) など、多くの色名に含まれます。
  • 鼻母音: blanc (ブロン), brun (ブラン), marron (マロン) などに見られる、鼻に抜けるような母音です。
  • 語末の子音: 多くの場合、語末の子音は発音されませんが(例: vert の t)、女性形になって -e が付くと発音されることがあります(例: verte [ヴェルトゥ])。

正確な発音を身につけるには、ネイティブスピーカーの音声を聞き、実際に声に出して練習することが最も効果的です。オンラインの辞書や学習サイトで音声を確認したり、フランス語の映画や音楽に触れたりするのも良いでしょう。

【完全版】フランス語の主要な色と関連表現:詳細解説と文化的背景

ここからは、フランス語で使われる主要な色を一つずつ取り上げ、その基本的な使い方、発音、文化的背景、そして色を用いた興味深い慣用句や表現を詳しく見ていきましょう。それぞれの色が持つ豊かな世界観を感じてください。

赤 (Rouge) – 情熱と愛、そして革命の色

基本的な使い方と発音

フランス語で「赤」は rouge [ルージュ] と言います。男性形も女性形も同形で、複数形は rouges [ルージュ] となります(発音は単数形と同じ)。

  • 例: un vin rouge (赤ワイン)
  • 例: une pomme rouge (赤いリンゴ)
  • 例: des lèvres rouges (赤い唇)
夕暮れ時のパリのカフェ、赤い日よけが温かい光を放っている様子

情熱的な赤が印象的なパリの風景

「ムーラン・ルージュ」だけじゃない!赤にまつわるフランス文化

「赤」と言えば、パリの有名なキャバレー「ムーラン・ルージュ (Moulin Rouge)」(「赤い風車」の意)を思い浮かべる人も多いでしょう。この場所は、ベル・エポック時代の華やかさと退廃的な雰囲気を今に伝える象徴的な存在です。また、フランス国旗(トリコロール)の赤は「博愛」を象徴するとも言われています(ただし、これには諸説あり、元々はパリ市の紋章の色に由来します)。

フランスの歴史において、赤は革命や情熱、勇気の色としても捉えられてきました。一方で、愛やロマンスの色としても頻繁に用いられます。バレンタインデーに贈られる赤いバラは、その典型例です。また、口紅を rouge à lèvres(唇のための赤)と言うように、化粧品においても赤は重要な色です。

赤を使った慣用句と例文

赤は感情や状態を表す多くの慣用句で使われます。

  • être rouge de colère: 怒りで真っ赤になる。
    • Quand il a appris la nouvelle, il est devenu tout rouge de colère. (その知らせを聞いたとき、彼は怒りで顔が真っ赤になった。)
  • voir rouge: 激怒する、カッとなる。
    • Ses critiques injustes m’ont fait voir rouge. (彼の不当な批判に私はカッとなった。)
  • être dans le rouge: 赤字である、財政的に苦しい。
    • L’entreprise est dans le rouge depuis plusieurs mois. (その会社は数ヶ月前から赤字だ。)
  • alerte rouge: 非常警報、赤信号。
    • L’alerte rouge a été déclenchée en raison de l’ouragan. (ハリケーンのため非常警報が発令された。)

面白いことに、元原稿にもあったように金魚はフランス語で poisson rouge (赤い魚) と言います。これは日本語の感覚からすると少し意外かもしれませんね。

青 (Bleu) – 空と海、そしてフランスを象徴する色

基本的な使い方と発音、注意点

フランス語で「青」は bleu [ブル] と言います。男性単数形は bleu、女性単数形は bleue [ブル](発音はほぼ同じですが、最後にわずかに「ェ」の響きが入ることも)、男性複数形は bleus [ブル]、女性複数形は bleues [ブル] です。英語の “blue” とスペルが e と u の位置で異なる点に注意しましょう。

  • 例: le ciel bleu (青い空)
  • 例: une robe bleue (青いドレス)
  • 例: des yeux bleus (青い瞳)

青には様々な色合いがあり、それぞれに異なる表現があります。

  • bleu ciel: 水色、空色 (ciel は「空」の意)
  • bleu marine: 紺色、ネイビーブルー (marine は「海の」の意)
  • bleu roi: ロイヤルブルー (roi は「王」の意)
  • azur: アジュールブルー、紺碧、コバルトブルー。特に詩的な表現や地中海の空や海の色を指すのに使われます。

「コート・ダジュール」の青から日常の青まで

南フランスの有名なリゾート地 La Côte d’Azur [ラ コート ダズュール] は、その名の通り「紺碧の海岸」を意味し、美しい地中海の青を象徴しています。この地域の空と海が織りなす鮮やかな青は、多くの芸術家たちにインスピレーションを与えてきました。

また、青はフランス国旗の三色の一つであり、「自由」を象徴するとされています(これも諸説あり)。歴史的には、フランス王家の色としても知られています。現代のフランスでは、青は落ち着きや信頼感、そして労働者階級(col bleu – ブルーカラー)を象徴する色としても認識されています。

コートダジュールの美しい青い海と空のパノラマ風景

コート・ダジュールの紺碧の海と空

青を使った慣用句と例文

青もまた、感情や状態を表す多様な表現に用いられます。

  • avoir une peur bleue: (突然の、あるいは極度の)恐怖で真っ青になる、ひどく怖がる。
    • J’ai eu une peur bleue en voyant cette énorme araignée. (その巨大なクモを見て、私は心底ぞっとした。)
  • être fleur bleue: 感傷的である、ロマンチストである、世間知らずで純情である。
    • Elle est un peu fleur bleue et croit encore au prince charmant. (彼女は少し夢見がちで、まだ白馬の王子様を信じている。)
  • un cordon bleu: (料理の)名人、腕のいい料理人。また、そのような人に与えられる名誉ある称号。
    • Ma grand-mère est un vrai cordon bleu, ses plats sont délicieux. (私の祖母は本当に料理上手で、彼女の料理はとても美味しい。)
  • passer au bleu: (インクなどが)見えなくなる、消える。転じて、忘れられる、黙殺される。
    • Mes suggestions sont complètement passées au bleu lors de la réunion. (私の提案は会議で完全に無視された。)
  • n’y voir que du bleu: 全く何も気づかない、まんまと騙される。
    • Il a essayé de me tromper, mais je n’y ai vu que du bleu. (彼は私を騙そうとしたが、私は全く気づかなかった。) ※皮肉な意味でも使われるため注意

黄 (Jaune) – 光と太陽、時に裏切りの色

基本的な使い方と発音

フランス語で「黄」は jaune [ジョーヌ] と言います。男性形も女性形も同形で、複数形は jaunes [ジョーヌ] です(発音は単数形と同じ)。

  • 例: le soleil jaune (黄色い太陽)
  • 例: une fleur jaune (黄色い花)
  • 例: des citrons jaunes (黄色いレモン)

黄金色を指す場合は doré(e) [ドレ] (後述) を使うことが多いですが、元原稿にあったように「黄金」そのものを métal jaune [メタル ジョーヌ] (黄色い金属) と表現することもあります。ただし、これはやや古風な言い方かもしれません。

黄金から信号まで:黄色の多様なイメージ

黄色は一般的に太陽や光、暖かさ、幸福といったポジティブなイメージと結びつきます。春に咲くミモザの黄色は、南フランスの春の訪れを告げる色として親しまれています。また、トウモロコシやバナナ、レモンなど、多くの食べ物の色でもあります。

一方で、フランスを含むヨーロッパ文化圏では、黄色が裏切りや嫉妬、病気といったネガティブな意味合いを持つこともあります。中世においては、異端者や追放された人々を識別するために黄色い印が用いられた歴史もあります。また、交通信号の黄色は注意や警告を意味します。こうした多面的な意味合いを持つのが黄色の特徴です。

スポーツの世界では、自転車ロードレース「ツール・ド・フランス」の総合一位の選手が着用するジャージ maillot jaune [マイヨ ジョーヌ] は非常に有名です。これは、レースの創設に関わった新聞「L’Auto-Vélo」の紙面が黄色だったことに由来します。

黄色を使った慣用句と例文

黄色に関連する表現は、その両義的なイメージを反映しています。

  • rire jaune: 作り笑いをする、苦笑いをする。内心は穏やかでないのに、無理に笑う様子。
    • Face à cette situation embarrassante, il a esquissé un rire jaune. (その気まずい状況に直面し、彼は作り笑いを浮かべた。)
  • être jaune de jalousie: 嫉妬で顔色が変わる(直訳は「嫉妬で黄色くなる」ですが、日本語の「嫉妬で目が眩む」に近いニュアンス)。
    • Elle était jaune de jalousie en voyant le succès de son amie. (彼女は友人の成功を見て、嫉妬に燃えていた。)
  • un jaune (俗語): スト破りをする労働者、裏切り者。これは歴史的な背景からネガティブな意味で使われます。
    • Les grévistes ont hué les jaunes qui traversaient le piquet de grève. (ストライキ参加者たちは、ピケラインを越えるスト破りたちに野次を飛ばした。)

緑 (Vert) – 自然と希望、そしてエコロジーの色

基本的な使い方と発音

フランス語で「緑」は vert [ヴェール] と言います。男性単数形は vert、女性単数形は verte [ヴェルトゥ]、男性複数形は verts [ヴェール]、女性複数形は vertes [ヴェルトゥ] です。女性形と女性複数形では語末の t を発音する点に注意しましょう。

  • 例: un arbre vert (緑の木)
  • 例: une salade verte (グリーンサラダ)
  • 例: des feux verts (青信号 – フランス語では「緑の火」)

黄緑色は vert clair (明るい緑) や vert jaune (黄色い緑) と表現されます。深緑は vert foncé (暗い緑) です。また、軍服などに使われるカーキ色はフランス語由来で、そのまま kaki [カキ] (無変化の形容詞) と言います。

フランスの田園風景と緑:安らぎの色彩

緑は自然、植物、成長、そして希望や幸運を象徴する色として広く認識されています。フランスの豊かな田園風景、広大な森林、手入れの行き届いた庭園など、緑はフランスの国土を彩る基本的な色の一つです。春の新緑は生命の再生を感じさせ、人々に安らぎを与えます。

近年では、環境保護や持続可能性を象徴する「エコカラー」としての役割も大きくなっています。Les Verts [レ ヴェール] はフランスの環境政党(緑の党)の名称でもあります。また、薬局の看板には緑十字が使われることが多く、健康や癒やしといったイメージとも結びついています。

緑を使った慣用句と例文(例:avoir la main verte)

緑は自然や許可、未熟さなど、様々な意味合いで慣用句に登場します。

  • avoir la main verte: 園芸の才がある、植物を育てるのが上手である。(直訳:緑の手を持つ)
    • Mon voisin a vraiment la main verte, son jardin est magnifique. (私の隣人は本当に園芸が上手で、彼の庭は素晴らしい。)
  • donner le feu vert à quelqu’un/quelque chose: ~にゴーサインを出す、許可を与える。
    • Le directeur a donné le feu vert au nouveau projet. (部長は新しいプロジェクトにゴーサインを出した。)
  • être vert de rage/peur/jalousie: 激しい怒り/恐怖/嫉妬で顔色が変わる。(「赤くなる」と同様に「緑になる」という表現も使われますが、より強い感情や不健康な様子を示すことがあります。)
    • Il était vert de jalousie en apprenant la promotion de son collègue. (同僚の昇進を知り、彼は嫉妬で顔色を変えた。)
  • se mettre au vert: 田舎へ静養に行く、都会の喧騒を離れて休む。
    • Après des mois de travail intense, j’ai besoin de me mettre au vert. (数ヶ月間の激務の後、私は田舎で休養する必要がある。)
  • en voir des vertes et des pas mûres: ひどい目に遭う、様々な苦労をする。(直訳:緑のものや熟していないものを見る)
    • Pendant son voyage, il en a vu des vertes et des pas mûres. (旅行中、彼は様々なひどい目に遭った。)

紫 (Violet) – 高貴と神秘、そして創造性の色

基本的な使い方と発音

フランス語で「紫」は violet [ヴィオレ] と言います。男性単数形は violet、女性単数形は violette [ヴィオレットゥ]、男性複数形は violets [ヴィオレ]、女性複数形は violettes [ヴィオレットゥ] です。緑同様、女性形では語末の t を発音します。

  • 例: un champ de lavande violet (紫色のラベンダー畑)
  • 例: une robe violette (紫色のドレス)
  • 例: des fleurs violettes (紫色の花々)

薄紫色を指す言葉として、元原稿にもあった parme [パルム] があります。これはイタリアの都市パルマに咲くスミレの色に由来し、主にファッションや装飾の分野で使われる上品な薄紫色を指します。形容詞としては無変化で使われることが多いです(例: des gants parme – パルム色の手袋)。

また、より赤みがかった紫は pourpre [プルプル] と呼ばれ、歴史的に高貴な色、王族や聖職者の色とされてきました。これも形容詞として使われる際は、性数不変化の場合があります。

スミレ色から深い紫まで:ニュアンスを楽しむ

紫は、赤の情熱と青の冷静さが混ざり合った色とされ、神秘性、精神性、高貴さ、そして創造性を象徴します。古来より、紫色の染料は希少で高価だったため、王侯貴族や高位の聖職者など、特権階級の色とされてきました。このイメージは現代にも引き継がれており、高級感や格式を演出する際に用いられることがあります。

フランスでは、スミレ (violette) の花が愛らしく、香水や砂糖漬けなどにも利用されます。プロヴァンス地方のラベンダー畑の紫色は、夏の風物詩として多くの観光客を魅了します。また、紫は芸術家たちのインスピレーションを刺激する色とも考えられており、独創性や個性を表現する際に好んで使われます。

紫を使った慣用句と例文

紫は直接的な慣用句は他の色に比べて少ないものの、その色自体が持つイメージが豊かです。

  • tourner au violet: (事態などが)険悪になる、まずい方向へ向かう。(顔色などが)紫色になる、不健康そうになる。
    • La discussion a commencé calmement, mais elle a vite tourné au violet. (議論は穏やかに始まったが、すぐに険悪な雰囲気になった。)
  • (Expressions avec pourpre) Né dans la pourpre: 高貴な家柄に生まれる。
    • Il était né dans la pourpre et n’a jamais connu le besoin. (彼は高貴な家に生まれ、困窮を知らなかった。)

紫色のニュアンスは非常に幅広いため、lilas (ライラック色)、mauve (藤色、薄紫色) といった具体的な花の名前に由来する色名もよく使われます。

白 (Blanc) – 純粋と清潔、そして始まりの色

基本的な使い方と発音、女性形の変化

フランス語で「白」は blanc [ブラン] と言います。この単語は性数変化が特徴的です。男性単数形は blanc、女性単数形は blanche [ブランシュ]、男性複数形は blancs [ブラン]、女性複数形は blanches [ブランシュ] となります。女性形では -che という形になり、発音も変化するので注意が必要です。

  • 例: du vin blanc (白ワイン)
  • 例: une page blanche (白いページ、白紙)
  • 例: des murs blancs (白い壁)
  • 例: des fleurs blanches (白い花々)

アイボリー色は ivoire [イヴォワール] と言い、形容詞として使う場合は通常無変化です。

結婚式から日常生活まで:白が持つ意味

白は純粋さ、無垢、清潔さ、平和、そして新たな始まりを象徴する色として、世界中で広く認識されています。フランスにおいても同様で、特に結婚式における花嫁のウェディングドレスの色として、白は神聖さと純潔を象徴します。

また、白はフランス国旗の三色の一つであり、「平等」を象徴するとされています(または王家の色である白百合に由来するとも)。日常生活では、シーツやタオル、食器など、清潔さが求められるものに多く使われます。白は他の色を引き立てる効果もあり、インテリアやファッションにおいても重要な役割を果たします。

白を使った慣用句と例文(例:nuit blanche)

白はその純粋さや「何もない」状態から、様々な慣用句に用いられます。

  • nuit blanche: 徹夜、眠らずに過ごす夜。
    • J’ai passé une nuit blanche pour terminer ce projet. (このプロジェクトを終えるために徹夜した。)
  • donner carte blanche à quelqu’un: ~に全権を委任する、白紙委任する。
    • Le patron m’a donné carte blanche pour organiser l’événement. (上司は私にイベントの企画を一任してくれた。)
  • être blanc comme neige/un linge: (雪のように/シーツのように)真っ白である。潔白である、無実である。
    • Il a juré qu’il était blanc comme neige dans cette affaire. (彼はその件に関して潔白だと誓った。)
  • voix blanche: (感情のない)抑揚のない声、力の抜けた声。
    • Elle a répondu d’une voix blanche, sans aucune émotion. (彼女は全く感情のこもらない、抑揚のない声で答えた。)
  • arme blanche: 刃物(刀剣、ナイフなど銃器以外の武器)。
    • L’agresseur était en possession d’une arme blanche. (襲撃者は刃物を所持していた。)
  • un mariage blanc: 偽装結婚。
    • Ils ont fait un mariage blanc pour obtenir des papiers. (彼らは滞在許可を得るために偽装結婚した。)

黒 (Noir) – エレガンスとモード、そして夜の色

基本的な使い方と発音

フランス語で「黒」は noir [ノワール] と言います。男性単数形は noir、女性単数形は noire [ノワール](発音はほぼ同じですが、最後にわずかに「ェ」の響きが入ることも)、男性複数形は noirs [ノワール]、女性複数形は noires [ノワール] です。

  • 例: un chat noir (黒猫)
  • 例: une robe noire (黒いドレス)
  • 例: du café noir (ブラックコーヒー)

リトルブラックドレスからフィルム・ノワールまで

黒は、エレガンス、洗練、モード、そして権威や夜、死、悲しみといった多様なイメージを持つ色です。フランスのファッション界において、黒は非常に重要な色とされています。ココ・シャネルが生み出した「リトル・ブラック・ドレス (petite robe noire)」は、時代を超えて愛される普遍的なエレガンスの象徴です。

また、映画のジャンルである「フィルム・ノワール (film noir)」は、犯罪や退廃的な都市を背景にした、暗く陰影の強い映像スタイルが特徴です。文学においては、「roman noir」(暗黒小説)というジャンルもあります。これらのように、黒はミステリアスでシリアスな雰囲気を醸し出す色として文化的に定着しています。

一方で、黒は喪服の色としても用いられ、悲しみや哀悼の意を表します。しかし、現代では日常的に黒い服を好んで着る人も多く、必ずしもネガティブな意味合いだけではありません。

黒を使った慣用句と例文(例:voir la vie en noir)

黒はその多義性から、様々な慣用句に登場します。

  • voir la vie en noir / broyer du noir: 人生を悲観的に見る、ふさぎ込む。
    • Depuis qu’il a perdu son emploi, il broie du noir. (失業して以来、彼はふさぎ込んでいる。)
  • être sur la liste noire de quelqu’un: (人)のブラックリストに載っている、~に嫌われている。
    • Je crois que je suis sur sa liste noire depuis notre dispute. (あの口論以来、私は彼に嫌われていると思う。)
  • travailler au noir: 不法就労する、闇で働く。
    • Il a été arrêté parce qu’il travaillait au noir. (彼は不法就労で逮捕された。)
  • avoir des idées noires: 暗い考えを持つ、悲観的な考えに囚われる。
    • Il est important de parler à quelqu’un si on a des idées noires. (暗い考えがあるなら、誰かに話すことが重要だ。)
  • un marché noir: 闇市場。
    • Pendant la guerre, le marché noir était florissant. (戦時中、闇市が栄えた。)
  • la bête noire: 大の苦手なもの、悩みの種。
    • Les mathématiques ont toujours été ma bête noire. (数学はいつも私の悩みの種だった。)

茶 (Marron/Brun) – 大地と温もり、そして髪や目の色

Marron と Brun の違いと使い方

フランス語で「茶色」を表す主要な単語は marron [マロン] と brun [ブラン] (男性形) / brune [ブリュンヌ] (女性形) です。

Marron は元々「マロニエの実(栗)」を意味し、形容詞として使う場合は性数不変化です。つまり、修飾する名詞が男性でも女性でも、単数でも複数でも marron のままです。一般的な茶色全般に使えます。

  • 例: des chaussures marron (茶色い靴) – chaussures は女性複数名詞だが marron は変化しない
  • 例: un pull marron (茶色いセーター)

Brun(e) は、主に髪の色、肌の色、目の色など、人や動物の体色を表すのに使われることが多い茶色(褐色)です。こちらは性数一致します。男性単数形は brun、女性単数形は brune、男性複数形は bruns [ブラン]、女性複数形は brunes [ブリュンヌ] です。

  • 例: des cheveux bruns (茶色い髪)
  • 例: une peau brune (褐色の肌)
  • 例: Il est brun. (彼はブルネットだ。)
  • 例: Elle est brune. (彼女はブルネットだ。)

他にも、châtain [シャタン] は栗色(特に髪の色を指す明るい茶色)を表し、これも性数一致します(女性形 châtaine)。beige [ベージュ] も茶系の色で、性数同形です。

日常にあふれる茶系の表現

茶色は大地、木、土といった自然物を連想させ、安定感、温もり、素朴さ、そして時には堅実さや古風なイメージを与えます。フランスのインテリアでは、木製の家具や茶系のファブリックが温かみのある空間を作り出すのに用いられます。また、革製品の色としても定番です。

食べ物では、チョコレート (chocolat – 名詞としても色名としても使え、形容詞の場合は無変化)、コーヒー (café)、パン (pain) など、茶色系のものは数多くあります。

茶色を使った慣用句と例文

茶色自体が直接使われる慣用句は少ないですが、関連する表現はあります。

  • tirer les marrons du feu (pour quelqu’un): (他人のために)危険を冒す、火中の栗を拾う。
    • Il a tiré les marrons du feu pour son ami, mais n’a reçu aucune reconnaissance. (彼は友人のために危険を冒したが、何の感謝もされなかった。)
  • (Expressions avec brun) 一般的に brun(e) は髪や肌の色を指すため、慣用句よりは描写に使われます。「彼はブルネットだ」は Il est brun. とシンプルに表現します。

ピンク (Rose) – 優しさと幸福、そしてロマンチックな色

基本的な使い方と発音

フランス語で「ピンク」は rose [ローズ] と言います。これは「バラ」という花の名前でもあります。男性形も女性形も同形で、複数形は roses [ローズ] です(発音は単数形と同じ)。

  • 例: une panthère rose (ピンクパンサー)
  • 例: des bonbons roses (ピンク色のキャンディー)
  • 例: voir la vie en rose (人生をバラ色に見る)

「la vie en rose」に込められた想い

ピンク色は、優しさ、愛情、幸福感、ロマンス、そして若々しさを象徴する色として広く親しまれています。特に女性的なイメージが強く、女の赤ちゃんの服や持ち物によく使われます。しかし、近年ではジェンダーニュートラルな視点から、ピンク色の使われ方も多様化しています。

エディット・ピアフの有名なシャンソン「La Vie en rose」(バラ色の人生)は、愛する人と共にいることで世界が美しく輝いて見える、という幸福感を歌ったもので、ピンク色が持つポジティブなイメージを象徴しています。このフレーズはフランス語の慣用句としても定着しています。

フランスのパティスリーでは、ピンク色のマカロンやケーキがショーケースを華やかに彩ります。また、ロゼワイン (vin rosé) も人気があります。

ピンクを使った慣用句と例文

ピンク色と言えば、やはりこの表現が代表的です。

  • voir la vie en rose: 人生をバラ色に見る、楽観的である、幸福感に満ちている。
    • Depuis qu’elle est amoureuse, elle voit la vie en rose. (恋をしてから、彼女は人生がバラ色に見える。)
  • ne pas être tout rose: (状況などが)楽観視できない、良いことばかりではない。
    • Leur relation n’est pas tout rose, ils ont souvent des disputes. (彼らの関係は順風満帆というわけではなく、よく口論をしている。)
  • un roman à l’eau de rose: 感傷的で甘ったるい恋愛小説、お涙頂戴ものの物語。
    • Elle adore lire des romans à l’eau de rose pendant ses vacances. (彼女は休暇中に甘い恋愛小説を読むのが大好きだ。)

オレンジ (Orange) – 活力と創造性、そして果物の色

基本的な使い方と発音、不変の形容詞

フランス語で「オレンジ色」は orange [オランジュ] と言います。これは果物の「オレンジ」と同じ単語です。形容詞として使う場合、性数不変化です。つまり、修飾する名詞が男性でも女性でも、単数でも複数でも orange のまま変わりません。

  • 例: un jus d’orange (オレンジジュース – ここでは名詞)
  • 例: une voiture orange (オレンジ色の車) – voiture は女性名詞だが orange は変化しない
  • 例: des chaussettes orange (オレンジ色の靴下) – chaussettes は女性複数名詞だが orange は変化しない

元気を与えるオレンジ色の活用法

オレンジ色は、赤のエネルギーと黄色の明るさを併せ持ち、活力、創造性、熱意、そして親しみやすさを象徴します。暖色系の代表であり、元気で陽気な印象を与えます。フランスでは、特に秋の収穫祭やハロウィンの時期にカボチャの色として目にする機会が増えます。

ファッションやインテリアにおいては、アクセントカラーとして効果的に使われることが多いです。空間に温かみと活気をもたらし、コミュニケーションを促進する色とも言われています。また、オランダのナショナルカラーでもあり、スポーツイベントなどでオランダのチームを応援する際にオレンジ色が用いられます(これはフランスとは直接関係ありませんが、ヨーロッパにおける色の使われ方の一例です)。

オレンジ色を使った表現

オレンジ色自体が直接的に多くの慣用句で使われることは少ないですが、その明るいイメージは様々な場面で好まれます。

  • (Couleur associée à la communication et à la créativité) オレンジ色はコミュニケーションの色、創造性の色として、デザインやマーケティングの分野で意識的に使われることがあります。
  • (Signalisation) 安全ベストや工事現場の標識など、視認性を高めるために使われることもあります(これは国際的に共通)。

灰色 (Gris) – 中庸と落ち着き、そして都会的な色

基本的な使い方と発音

フランス語で「灰色」は gris [グリ] と言います。男性単数形は gris、女性単数形は grise [グリーズ]、男性複数形は gris [グリ](単数形と同じ)、女性複数形は grises [グリーズ] です。男性形は語末の s を発音しませんが、女性形では z のような音になります。

  • 例: un ciel gris (灰色の空、曇り空)
  • 例: une souris grise (灰色のネズミ)
  • 例: des cheveux gris (白髪 – 直訳は灰色の髪)

濃い灰色は gris foncé、薄い灰色は gris clair と表現します。

ニュアンス豊かな灰色の世界

灰色は白と黒の中間色であり、中立、客観性、落ち着き、そして時には憂鬱さや退屈さを象徴します。フランスの都市景観、特にパリの石造りの建物や曇り空は、しばしば灰色で表現されます。この「パリの灰色 (gris parisien)」は、ある種の洗練された都会的なイメージとも結びついています。

ファッションにおいては、灰色は他の色と合わせやすく、上品で知的な印象を与えるため、スーツやコートなどによく用いられます。インテリアでも、モダンでシックな雰囲気を演出するのに効果的な色です。

「白髪」をフランス語では cheveux gris (灰色の髪) または cheveux blancs (白い髪) と表現します。加齢による髪色の変化を指します。

灰色を使った慣用句と例文(例:faire grise mine)

灰色はその控えめな性質から、様々なニュアンスの表現に使われます。

  • faire grise mine (à quelqu’un): (人に対して)不機嫌な顔をする、愛想のない態度をとる。
    • Il m’a fait grise mine quand je lui ai demandé de l’aide. (私が助けを求めると、彼は不機嫌な顔をした。)
  • la matière grise: 脳、知力、頭脳。(脳の灰白質から)
    • Ce problème demande beaucoup de matière grise. (この問題は非常に頭を使う。)
  • la nuit, tous les chats sont gris: 夜は誰でも同じように見える、暗がりでは区別がつかない。
    • Ne t’inquiète pas pour ton apparence, la nuit, tous les chats sont gris. (見た目を気にするな、夜は誰でも同じように見えるものだ。)
  • boire un petit gris: (主に北フランスやベルギーで)安価な辛口の白ワイン(またはロゼワイン)を一杯飲む。
    • Après le travail, on va boire un petit gris au café du coin. (仕事の後、近所のカフェで一杯やろう。)

金 (Doré/Or) と 銀 (Argenté/Argent) – 輝きと富、そして特別な色

Doré/Or, Argenté/Argent の違いと使い方

フランス語で「金色」を表すには、doré(e) [ドレ] と or [オール] があります。「銀色」は argenté(e) [アルジャンテ] と argent [アルジャン] です。

Doré(e)argenté(e) は形容詞で、それぞれ「金色の」「銀色の」という意味です。これらは性数一致します。
(doré, dorée, dorés, dorées / argenté, argentée, argentés, argentées)

  • 例: une bague dorée (金色の指輪)
  • 例: des couverts argentés (銀色のカトラリー)

Or (金) と argent (銀) は名詞で、それぞれ金属の「金」「銀」そのものを指します。これらを色を表す形容詞として使う場合(例: une montre or – 金時計)、通常は性数不変化です。「~製の」という意味合いが強くなります。

  • 例: des bijoux en or (金の宝飾品)
  • 例: une médaille d’argent (銀メダル)

特別な日を彩る金属色

金色と銀色は、富、豪華さ、威厳、そして特別感を象徴します。祝祭、式典、宗教的な儀式など、華やかさや神聖さが求められる場面でよく用いられます。クリスマスやお正月の飾り付けにも欠かせない色です。

フランスの宮殿や教会の装飾には、金箔や金色の塗料がふんだんに使われているのを見ることができます(例:ヴェルサイユ宮殿)。また、高級ブランドのロゴやパッケージにも、金色や銀色が品格と高級感を添えるために使われます。

金銀を使った表現と文化的背景

金と銀は、その価値の高さから多くの比喩表現に用いられます。

  • rouler sur l’or: 大金持ちである、非常に裕福である。
    • Depuis qu’il a hérité, il roule sur l’or. (相続して以来、彼はずっと裕福だ。)
  • un silence d’or: 沈黙は金なり。(La parole est d’argent, mais le silence est d’or. – 雄弁は銀、沈黙は金、ということわざの一部)
    • Dans cette situation tendue, le silence était d’or. (その緊迫した状況では、沈黙が最善だった。)
  • avoir un cœur d’or: 心根が優しい、非常に親切である。
    • Elle a un cœur d’or, toujours prête à aider les autres. (彼女は黄金の心を持っており、いつも他人を助ける準備ができている。)
  • payer en monnaie d’argent: 現金で支払う(古い表現)。
  • noces d’argent: 銀婚式(結婚25周年)。同様に noces d’or は金婚式(結婚50周年)です。

フランス語の色表現を豊かにするヒント:ニュアンスの違いと組み合わせ

基本的な色を覚えたら、次は表現の幅を広げていきましょう。フランス語には、色の濃淡や微妙な色合いを表現するための便利な言葉がたくさんあります。また、フランス人が得意とするおしゃれな色の組み合わせについても触れてみましょう。

色の濃淡を表す言葉 (clair, foncé, vif など)

特定の色に対して、その濃淡や鮮やかさを加えることで、より具体的な描写が可能になります。

  • clair(e): 明るい (例: bleu clair – ライトブルー、水色)
  • foncé(e): 暗い、濃い (例: vert foncé – ダークグリーン、深緑)
  • vif / vive: 鮮やかな、生き生きとした (例: rouge vif – 鮮やかな赤)
  • pâle: 淡い、薄い (例: rose pâle – ペールピンク、淡いピンク)
  • profond(e): 深い (例: bleu profond – 深い青)
  • intense: 強烈な、濃密な (例: violet intense – 強烈な紫)

これらの形容詞は、基本となる色の形容詞のに置かれ、通常は基本の色の形容詞と性数一致します(例: une robe bleue claire)。ただし、clairfoncé が色名と複合語のようになっている場合は、全体として無変化になることもあります(例: des yeux bleu clair – この場合、bleu clair 全体で一つの色と見なす)。このあたりは少し複雑なので、多くの例に触れることが大切です。

「~っぽい色」を表す接尾辞 (-âtre)

フランス語には、名詞や形容詞に接尾辞 -âtre を付けることで、「やや~がかった」「~じみた」という、元の色や性質が少し濁ったり弱まったりしたニュアンスを表すことができます。色に使うと「~がかった色」「くすんだ~色」といった意味になります。

  • jaunâtre: 黄ばんだ、黄色がかった (jaune + -âtre)
  • verdâtre: 緑がかった、青白い (vert + -âtre)
  • rougeâtre: 赤みがかった、赤黒い (rouge + -âtre)
  • bleuâtre: 青みがかった (bleu + -âtre)
  • grisâtre: 灰色がかった、くすんだ灰色の (gris + -âtre)

これらの形容詞は、通常の形容詞と同様に性数一致します(例: une teinte verdâtre – 緑がかった色合い)。少しネガティブなニュアンスや、不健康そうな色合いを表すことが多いです。

様々な色の布見本が並べられ、フランスのおしゃれな配色を示しているフラットレイ画像

フランス流のおしゃれな色の組み合わせ

おしゃれなフランス流配色術:ファッションとインテリアのヒント

フランス人は、洗練された色の組み合わせ、いわゆる「フレンチシック」な配色センスで知られています。派手すぎず、上品で調和の取れた色使いが特徴です。

ファッションにおけるヒント:

  • ベーシックカラーを基調に: 黒、白、グレー、ネイビー、ベージュといったベーシックカラーをベースにし、そこにアクセントとして1~2色を加えるのが基本。
  • カマイユ配色・フォカマイユ配色: 同系色で濃淡をつけたり(カマイユ)、色相やトーンが近い色同士を組み合わせたり(フォカマイユ)することで、まとまりのある洗練された印象に。例えば、ベージュとオフホワイト、ライトグレーとチャコールグレーなど。
  • 小物で差し色: 全体は落ち着いた色味でまとめ、スカーフやバッグ、靴などの小物で鮮やかな色(赤、青、フューシャピンクなど)を一点投入するテクニック。
  • 素材感で遊ぶ: 同じ色でも、シルク、コットン、リネン、ウール、レザーなど、異なる素材感を組み合わせることで、単調にならず深みのあるコーディネートに。

インテリアにおけるヒント:

  • 壁の色はニュートラルに: 白やオフホワイト、淡いグレー、グレージュ(グレーとベージュの中間色)など、落ち着いたニュートラルカラーを壁の基本色にすることが多い。これにより、家具やアートが引き立ちます。
  • アクセントウォール: 一面だけ壁の色を変えたり、壁紙で柄を取り入れたりして空間に変化をつける。
  • クッションやカーテンで色をプラス: ファブリック類で季節感や好みの色を取り入れる。交換が容易なので、気軽に模様替えを楽しめます。
  • アンティークやヴィンテージの活用: 古いものと新しいものをミックスし、深みのある色合いのアンティーク家具や小物をアクセントにすることも。

フランス流の配色術は、「頑張りすぎない自然なエレガンス」が鍵です。色数を抑え、質の良いものを選び、自分らしいスタイルを表現することが大切にされています。

フランス語の色を楽しく覚える方法と学習ステップ

フランス語の色は数が多く、性数一致などのルールもあるため、覚えるのが大変だと感じるかもしれません。しかし、少し工夫するだけで、楽しく効果的に記憶に定着させることができます。ここでは、おすすめの学習方法とステップをご紹介します。

視覚と結びつけて覚える:イメージ記憶法

人間の脳は、文字情報よりも視覚情報を記憶しやすい傾向があります。この特性を利用して、フランス語の色を覚える際には、その色を持つ具体的なモノや風景と結びつけてみましょう。

  • rouge (赤): 真っ赤なpomme (リンゴ)、パリのMoulin Rouge、情熱的なrose rouge (赤いバラ)
  • bleu (青): プロヴァンスのciel bleu (青空)、mer Méditerranée (地中海)の深い青
  • jaune (黄): ツール・ド・フランスのmaillot jaune、太陽のようなtournesol (ひまわり)
  • vert (緑): フランスの田園風景に広がるprairies vertes (緑の牧草地)、feu vert (青信号)

自分でオリジナルのイメージ連想リストを作るのも効果的です。好きなフランスの映画のワンシーンや、お気に入りの絵画の色使いなどを参考にしてみましょう。

身の回りのものをフランス語の色で表現してみる

日常生活の中で、目にするものの色を意識的にフランス語で言ってみる練習は非常に効果的です。初めは単語だけでも構いません。慣れてきたら、性数一致を意識して「これは赤い車だから、une voiture rougeだな」というように、短いフレーズで表現してみましょう。

実践例:

  • 朝、青いマグカップでコーヒーを飲むとき:「une tasse bleue
  • 街で黄色いタクシーを見かけたら:「un taxi jaune
  • 緑の信号で横断歩道を渡るとき:「le feu est vert
  • 黒いバッグを持っている人を見て:「un sac noir

この練習を続けることで、色の単語が自然と口から出てくるようになります。最初は間違えても気にせず、積極的に使ってみることが大切です。

フランス映画や音楽、絵画で色に触れる

フランスの文化作品は、色彩感覚を養い、生きたフランス語の色表現に触れる絶好の機会です。

  • 映画: フランス映画には、独特の色彩美を持つ作品が多くあります。例えば、ジャン=ピエール・ジュネ監督の「アメリ」の赤と緑を基調とした映像や、エリック・ロメール監督作品に見られる自然光を生かした色彩感覚は、視覚的にも楽しめ、色の表現を学ぶ上で参考になります。登場人物の服装やインテリアの色にも注目してみましょう。
  • 音楽: エディット・ピアフの「La Vie en rose」のように、曲名や歌詞に色が含まれているシャンソンはたくさんあります。歌詞を見ながら聴くことで、色がどのような文脈で使われているかを理解できます。
  • 絵画: モネ、ルノワール、ゴッホ(フランスで活躍)など、印象派やポスト印象派の画家たちの作品は、光と色彩の饗宴です。美術館のウェブサイトや画集で作品を鑑賞し、その色彩表現をフランス語で描写してみるのも良い練習になります。「この絵にはbleu clairjaune vif が使われている」といった具合です。

おすすめ学習アプリやオンラインリソース(一般的な種類を紹介)

現代では、フランス語学習をサポートする様々なデジタルツールが存在します。これらを活用することで、より効率的に、そしてゲーム感覚で色を覚えることができます。

  • 単語学習アプリ: Anki、Quizlet、Memrise などのフラッシュカード形式のアプリでは、自分で色の単語帳を作成したり、他のユーザーが作成したものを利用したりできます。画像と音声を組み合わせることで、記憶の定着率を高めることができます。
  • オンライン辞書: WordReference や Larousse などのオンライン辞書では、単語の意味だけでなく、発音音声や例文も確認できます。色の形容詞の性数変化形も載っていることが多いので便利です。
  • フランス語学習サイトやブログ: Bonjour de France, Français Authentique, TV5MONDE Langue Française など、多くのウェブサイトが無料の学習コンテンツを提供しています。色に関する特集記事や練習問題が見つかることもあります。
  • YouTube チャンネル: フランス語学習者向けの YouTube チャンネルでは、ネイティブスピーカーが色の発音や使い方を解説している動画が多数あります。視覚と聴覚の両方から学べるのがメリットです。
  • インタラクティブな学習ゲーム: 色をテーマにしたクイズやゲームを提供しているアプリやサイトもあります。楽しみながら自然と単語を覚えることができます。

これらのツールを組み合わせ、自分に合った学習スタイルを見つけることが継続の秘訣です。毎日少しずつでもフランス語の色に触れる時間を作りましょう。

まとめ:フランス語の色をマスターして、より豊かなコミュニケーションを

この記事では、フランス語の主要な色の名称、性数一致のルール、文化的背景、おしゃれな慣用句、そして効果的な学習方法について詳しく解説してきました。色の表現は、単なる言葉の知識を超え、フランスの文化や感性に深く触れるための窓となります。

色の知識が広げるフランス文化理解の扉

フランス語の色表現を学ぶことは、フランス映画をより深く味わったり、フランス文学の行間を読み解いたり、あるいはフランス人とのおしゃべりで微妙なニュアンスを伝えたりする際に、必ず役立ちます。「voir la vie en rose」(人生をバラ色に見る)という言葉が持つ幸福感や、「avoir une peur bleue」(真っ青な恐怖を感じる)という表現の切迫感は、その色と結びついた文化的なコードを知ることで、より鮮明に理解できるでしょう。

また、フランスのファッションやインテリア、アートにおける洗練された色使いの秘密も、色の知識を深めることで見えてくるはずです。なぜその色が選ばれるのか、どのような印象を与えるのかを考えることは、美的感覚を磨く上でも非常に有益です。

今日から使えるフランス語の色表現

難しく考えず、まずは身の回りのものの色をフランス語で言ってみることから始めてみましょう。お気に入りの服の色、好きな花の色、今日の空の色。それらをフランス語で表現することで、日常が少しだけ色彩豊かになるかもしれません。

この記事が、あなたのフランス語学習の一助となり、フランスの色彩豊かな世界への興味をさらに深めるきっかけとなれば幸いです。色の知識を武器に、より自信を持って、そしてより楽しくフランス語でのコミュニケーションを築いていってください。

Bonne continuation dans votre apprentissage du français et de ses couleurs magnifiques !

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ソフィー(Sophie) この記事を書いた人

来日(1998年)以来23年間、日本でフランス語指導に携わるベテラン講師(京都在住)。パリでの生活経験も有します。最大の強みは、日本語でのコミュニケーションが可能な点です。
パリではECEインターナショナルスクールにてクボタ・ヨーロッパの従業員(日本人)に指導。来日後は、エスパス・フランセ語学学校、日本女子大学、桐朋学園高校、外務省、その他企業にて、初心者から上級者まで豊富な指導経験を有します特に初心者の方が躓きやすい発音について、「難しくない」と感じられるよう基礎から丁寧に指導することに注力しています。 忍耐強く、発音や文法を丁寧に繰り返し指導するのがモットー。グラフィックデザインのスキルを活かし、描画を取り入れた分かりやすい説明も得意です。ご希望に応じて英語でのフランス語レッスンや、アートレッスン(仏語/英語)も提供可能です。

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