フランス人の離婚率は56%

    1. フランス語会話・勉強

    フランスのカップルが事実婚を選ぶ理由は色々とありますが、離婚が大変であるのも大きな理由になっているようです。

    日本とは違うフランスの離婚システムを見てみましょう。

    フランスで椅子に座って見つめ合う男性と女性。

    フランスの離婚の種類

    フランスの「Divorce 離婚」は「協議離婚」「許諾離婚」「破綻離婚」「過失離婚」の4つに大きく分けられます。

    これらのどの離婚方法でも、必ず「Avocat 弁護士」を立て裁判所を通して、離婚手続きを進めることが必要になっています。

    協議離婚

    Divorce par consentement mutuel

    • consentement (男性名詞) 同意
    • mutuel (形容詞) 相互の

    お互いが離婚・条件共に同意をしている場合の離婚方法です。この離婚方法の場合のみ、2人で1人の弁護士に依頼することができるので、最も金銭的負担が軽い方法です。

    日本の協議離婚と違う点は、条件を裁判所が審査することでしょう。特に子供が居る場合は、子供の権利を損なう事の無い条件になっているか、しっかりとチェックされるようです。

    許諾離婚

    Divorce pour acceptation du principe de la rupture du mariage

    • acceptation (女性名詞) 承諾
    • principe (男性名詞) 原理・原則
    • rupture (女性名詞) 破棄・解消
    • mariage (男性名詞) 結婚

    夫婦のどちらも離婚したいと思っていても、離婚の条件となると同意に至るのは難しいものです。

    そんな場合の離婚方法がこの「Divorce pour acceptation du principe de la rupture du mariage」になります。

    「結婚の解消という原則を承諾している」ということですね。それぞれに弁護士が必要で、条件を争うことになります。

    過失離婚

    Divorce pour faute

    • faute (女性名詞) 過ち

    片方が「faute」を犯したことによって、もう片方が離婚請求をする場合です。

    この「faute」ですが、「結婚にまつわる義務に対する重大、もしくは繰り返しの違犯によって、共同生活を続けていくことが堪えがたく」なることを言います。

    les violences 暴力」や「l’adultère 不倫」が上げられますが、「l’adultère」は「faute」と認められない場合もあるようです。

    離婚を請求する側は、相手側の「faute」を証明する必要があり、理由が十分でない場合は棄却されることもあります。

    破綻離婚

    Divorce pour altération définitive du lien conjugal

    • altération (女性名詞) (悪い方への)変化
    • définitif (形容詞) 決定的な
    • lien (男性名詞) つながり
    • conjugal (形容詞) 夫婦の

    2年以上別居している夫婦が離婚する場合は「Divorce pour altération définitive du lien conjugal」です。

    「夫婦のつながりが決定的に(悪いほうへ)変化」している状態、夫婦として機能していない状態ですから、離婚を申請できます。

    ただし、2年以上別居しているという「客観的事実」が必要になります。離婚の理由は問われないのが特徴です。

    フランスでソファに座って話し合う男性と女性。

    フランス式離婚のメリット

    日本ではお互いが納得していれば、離婚届1枚で離婚が成立してしまいます。便利な反面、養育費の未払いや、親権を持つ親がもう片方の親に会わせない、なども問題になっていますよね。

    フランス式離婚だと、裁判所が関与して決められたことは守らなければなりません。養育費を払わなかった場合は、給料の差し押さえなどの措置もあり、子供の権利として守られています。

    子供と一緒の時間を過ごしていなかった親も、離婚後は裁判所の決まりに従わなければなりません。

    週末や長期休暇の半分を共に過ごすようになって、離婚前より子供と過ごす時間が増えるなんて事もあるようですよ。

    白い背景にグラフを描くフランスのビジネスマン。

    フランスの離婚率

    フランスの離婚率は2011年で56パーセントにもなっています。この離婚率とは同じ年の離婚数を、結婚数で割り100を掛けたものです。

    その年に結婚したカップルが離婚するわけではないので、正確に半数以上が離婚すると言うわけではないのですが、それでも多い確立ですよね。

    「結婚した半分以上のカップルが離婚する」と言われるのはここから来ているようです。

    フランスで結婚指輪を付けて書類に署名する男性。

    フランスで事実婚が多くなる理由

    身近にこれだけの離婚カップルが居ると、結婚という契約に対してシビアになるのも頷けます。

    自分の家族や友人が離婚している事も多いので、離婚の大変さが(自分が離婚していなくても)身に沁みているのでしょうね。

    お互いの間に愛情が無くなれば、離婚することが多いフランス人です。一生共働きが基本ですので、金銭面で別れる事をためらう事も少ないようです。

    それならば結婚せずに居れば、分かれる際のゴタゴタを減らすことが出来ますよね。

    子供が居ても「事実婚」で全く問題の無いフランスに居ると、わざわざ結婚を選ぶ理由の方が見つからない気がしてきてしまいます。

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