犬と猫、フランス人の選択は?ペットに見る文化の違い

  1. フランス語会話・勉強

フランス流ペットライフ:犬派?猫派? 人気の秘密とマナー、文化の違いを徹底解説

Bonjour, chers amis! こんにちは、みなさん。
Comment allez vous? ご機嫌いかがですか?

日本でもペットは大切な家族の一員ですが、フランス人のペット愛も相当なものです。パリのカフェテラスに目を向ければ、飼い主の足元で賢く待つ犬の姿は日常茶飯事。アパルトマン(集合住宅)でも、基本的にペットの飼育が認められていることが多く(もちろん、ご近所への配慮は必須ですが)、まさにペットフレンドリーな国と言えるでしょう。

驚くことに、リードなしで散歩している犬を見かけることさえあります。それでも、フランスで出会う動物たちは、総じてしつけが行き届いている印象を受けます。今回は、そんなフランスのペット事情、特に人気の二大巨頭である犬と猫に焦点を当て、文化の違いや興味深い一面を探っていきましょう。

フランスで人気のペットは?犬vs猫、最新事情

フランスで最も愛されているペットは、長年にわたり犬と猫がトップを争っています。近年の統計や調査を見ると、若干猫派が優勢というデータもありますが、どちらも依然として絶大な人気を誇っています。

フランス人のペット選び:
* 犬 (Chien): 忠誠心、人懐っこさ、一緒にアクティビティを楽しめる点が魅力。特に散歩やドッグスポーツが好きな人に人気です。番犬としての役割を期待する人もいます。
* 猫 (Chat): 独立心が強く、手がかかりにくい点が現代のライフスタイルに合っているとされます。室内飼育がしやすく、集合住宅でも飼いやすいのがメリットです。その気まぐれな性格もまた魅力と捉えられています。

フランスで人気の犬種としては、ベルジェ・オーストラリアン(オーストラリアン・シェパード)やゴールデン・レトリバー、スタッフォードシャー・ブル・テリアなどが挙げられます。小型犬では、チワワやヨークシャー・テリアも根強い人気があります。
一方、猫種では、メインクーンやブリティッシュ・ショートヘア、ベンガルなどが人気ですが、特定の品種にこだわらず、ヨーロッパ系の雑種(トラ猫、サビ猫など)を保護施設から迎える人も非常に多いのが特徴です。

アパルトマンの窓辺で外を眺める猫

アパルトマンの窓辺は猫のお気に入りの場所。外の世界を眺めて過ごします。

会話で学ぶフランスのペット観

会話 (フランス語)

Claudine: J’ai envie d’adopter un animal de compagnie!

Yuko: Quel animal préférez vous? Vous voulez adopter un chat ou un chien?

Claudine: Exactement.

Yuko: Lequel préférez vous entre les deux?

Claudine: Bien, j’aime tous les deux, mais plutôt les chiens. Ils sont sages, fidèles et affectueux. J’adore surtout jouer avec eux.

Yuko: Les Français vraiment aiment les chiens. Moi, je préfère un chat maintenant, parce que je n’ai pas trop de temps pour eux.

和訳

クロディーヌ:ペットを飼いたいな!

裕子:どんな動物がお好きなの?犬か猫を飼いたいの?

クロディーヌ:その通りよ。

裕子:犬と猫ではどちらがお好きなの?

クロディーヌ:うーん、どちらも好きですけれど、どちらかと言えば犬ですね。賢いし、忠実だし、人懐こいでしょ。それに一緒に遊ぶのも楽しいし。

裕子:フランス人てほんとに犬好きですね。私は今は猫のほうがいいわ。あまりペットのために時間を取れないですもの。

Vocabulaire(語彙)

(“<”記号以下は、もとの形(辞書に載っている形)を表しています。また、名詞の後の(m)、(f)は、それぞれ男性名詞・女性名詞を示しています)

  • envie (f): 欲求、欲望
  • adopter: 養子にする、飼う、(考えなどを)取り入れる
  • animal (m) de compagnie: コンパニオンアニマル、伴侶動物、ペット
  • chien (m) / chienne (f):
  • chat (m) / chatte (f):
  • exactement: 正確に、まさに、その通り
  • lequel: どちら(男性単数)
  • entre: ~の中で、~の間に
  • tous < tout: ~とも、~全部(男性複数)
  • plutôt: むしろ、どちらかと言えば
  • sage: 賢い、おとなしい
  • fidèle: 忠実な
  • affectueux / affectueuse: 人懐こい、愛情のこもった
  • surtout: 特に
  • jouer: 遊ぶ

フランス語ワンポイントレッスン

J’ai envie d’adopter un animal de compagnie.

「ペットを飼いたい」

avoir envie de + 動詞の原形 で、「~したい」という願望を表す非常に便利な表現です。欲求や切望のニュアンスが含まれます。動詞の原形の代わりに名詞を置くと、「~がほしい」という意味になります。

例:

  • J’ai envie d’un bébé. 「赤ちゃんがほしい」
  • J’ai envie de voyager. 「旅行に行きたい」

Quel animal préférez vous?

「どんな動物が好きですか?」

相手の好み(種類)を尋ねる際の定番フレーズです。Quel + 名詞 + préférez-vous? (または préfères-tu?) の形を使います。 Quel は尋ねる名詞の性・数に合わせて変化します (quel, quelle, quels, quelles)。

例:

  • Quelle couleur préférez-vous? 「どの色がお好きですか?」 (couleurは女性名詞)

Exactement.

「その通り」

相手の言ったことに対して強く同意する時に使います。単なる Oui (はい) よりも、「まさに」「ご明察」といったニュアンスが加わります。肯定の表現は他にもたくさんあります。状況に応じて使い分けると、より自然なフランス語になります。

その他の肯定表現:

  • Bien sûr. 「もちろん」
  • Certainement. 「たしかに」「もちろん」
  • Évidemment. 「もちろん」「当然」
  • Vous avez raison. (Tu as raison.) 「ごもっともです」「その通りですね」(あなたが正しい)
  • Tout à fait. 「まったくその通り」「完全に」

Lequel préférez vous entre les deux?

「2つの中ではどちらが好きですか」

複数の選択肢の中から特定の一つを尋ねる際に使う疑問代名詞 lequel (どちら) を使った表現です。この lequel は、それが指す名詞の性・数によって形が変わります。

  • 男性単数: lequel
  • 女性単数: laquelle
  • 男性複数: lesquels
  • 女性複数: lesquelles

「~のなかで」と選択範囲を示すには entre (~の間で), de (~の中で), parmi (~の中で) などを使います。「AかBか」と具体的に選択肢を示す場合は、文末に A ou B? と付け加えることもできます。

例:

  • Laquelle choisissez-vous parmi ces robes? 「これらのドレスの中でどれを選びますか?」 (robeは女性名詞なので laquelle)

tous les deux

「2つとも」「両方」

tout は「すべて、全体」を意味する単語で、形容詞、副詞、代名詞など様々な働きをします。ここでは形容詞として使われており、続く名詞の性・数に合わせて形が変わります。tous は男性複数形、toutes は女性複数形です。
特徴的なのは、tous/toutes の後に直接複数名詞が来るのではなく、定冠詞 (les)、所有形容詞 (mes, tes, ses…)、指示形容詞 (ces) などが間に挟まる点です。

例:

  • tous les jours 「毎日」
  • toutes ces fleurs 「これらの花すべて」 (fleurは女性名詞)
  • tous mes amis 「私の友人全員」

形容詞としての用法以外にも tout を使った便利な表現はたくさんあります。次のセクションでいくつかご紹介しましょう。

もっと知りたい!toutを使った便利表現

  • tout le temps: いつも、常に
  • tout de suite: すぐに
  • tout à coup: 突然、不意に
  • tout à fait: まったく、完全に、その通り(同意)
  • toute la journée: 一日中
  • toute la famille: 家族全員
  • après tout: 結局、つまるところ、いずれにせよ
  • avant tout: 何よりもまず、とりわけ
  • c’est tout: 以上です。それだけです。(話を終える時や注文の最後に)

知っておきたいフランスのペットマナーと社会

フランスでペットと暮らす上で、知っておきたいルールや社会的な側面があります。日本とは異なる点も多く、旅行者や移住者にとっては特に注意が必要です。

カフェのテーブルの下でおとなしく待つ犬

カフェのテラス席では、行儀よく飼い主を待つ犬の姿がよく見られます。

公共の場でのルール

* リード着用: 公園や路上など、公共の場では基本的にリードの着用が義務付けられています。しかし、しつけが行き届いていると飼い主が判断した場合、ノーリードで散歩している光景も見られます(推奨される行為ではありません)。
* 交通機関: 地下鉄やバス、電車(TGVなど)にもペットを同伴できます。ただし、多くの場合、小型犬や猫はキャリーバッグに入れる必要があり、大型犬は口輪(muselière)の着用と、子供料金程度の追加料金が求められます。規則は交通機関によって異なるため、事前に確認が必要です。
* 糞の始末 (Déjections canines): これはフランス社会の長年の課題でした。路上に放置された犬の糞は「パリの厄介者」とまで言われましたが、近年、罰金の引き上げ(高額な場合も!)、専用ゴミ箱(Sacré Crottin! などユニークな名前も)の設置、そして何よりも飼い主の意識向上により、状況は大幅に改善されました。「糞は飼い主が責任を持って処理する」という認識が、ようやく広く浸透してきたと言えるでしょう。違反者には厳しい罰金が科せられます。

アパートでの飼育事情

フランスのアパート(賃貸・分譲)では、規約で明確に禁止されていない限り、原則としてペットの飼育が可能です。大家さんや管理組合が、正当な理由なく一方的にペット飼育を禁止することは法律で制限されています。ただし、これは「何をしても良い」という意味ではありません。鳴き声、臭い、破壊行為などで近隣住民に迷惑をかける場合は、飼育の差し止めや退去を求められる可能性もあります。特に大型犬や多頭飼いの場合は、契約前によく確認することが重要です。

動物保護 (SPAなど) の役割

フランスには、SPA (Société Protectrice des Animaux – 動物保護協会) をはじめとする多くの動物保護団体が存在します。これらの施設では、捨てられたり、迷子になったりした動物たちを保護し、新しい飼い主を探す活動を行っています。フランスでは、ペットショップで生体を購入する人もいますが、保護施設から動物を迎えるという選択肢が非常に一般的であり、社会的に推奨されています。「Adoptez, n’achetez pas!(買わずに、養子縁組を!)」というスローガンもよく聞かれます。

公園でリードをつけて散歩する様々な犬種

フランスの公園では、様々な犬種が飼い主と散歩を楽しんでいます。

ペットと一緒にお出かけ!フランスならではの風景

フランスがペットフレンドリーと言われる所以は、ペット同伴が可能な場所の多さにもあります。

  • カフェ・レストラン: テラス席はもちろん、店内でも小型犬であれば同伴を許可しているお店が少なくありません。入店前に確認するのがマナーですが、断られるケースは日本に比べて少ないでしょう。犬用のお水を用意してくれる親切な店員さんもいます。
  • ショップ: ブティックや雑貨店などでも、小型犬ならキャリーバッグや腕に抱いていれば入店できる場合があります。ただし、食料品店やスーパーマーケットは衛生上の理由から基本的にNGです。
  • ホテル: ペット同伴可能なホテルも多数存在します。予約時にペット同伴である旨を伝え、追加料金や規則を確認しましょう。
  • 公園・広場: 広大な公園や広場は、犬たちにとって絶好の遊び場です。他の犬との交流(socialisation)も盛んに行われています。
  • バカンス: フランス人はバカンス(長期休暇)を非常に大切にしますが、ペットを置いていくのではなく、一緒に連れて行く人も多いです。そのため、バカンス先の宿泊施設や交通機関もペット対応が進んでいます。

日本とフランス、ペット文化の比較

日本とフランスでは、ペットに対する考え方や接し方にいくつかの違いが見られます。

しつけ (Éducation)

フランスでは、幼い頃から社会性を身につけさせるためのしつけ(Éducation canine)が重視されます。公共の場で他の人や犬に対して問題行動を起こさないよう、基本的なコマンド(座れ、待て、来いなど)を教え込むのが一般的です。これが、カフェなどでもおとなしく待てる犬が多い理由の一つかもしれません。

ペットへの意識

フランスでは、ペットを「コンパニオンアニマル(Animal de compagnie)」、つまり人生の伴侶として捉える意識が強いように感じられます。単なる愛玩動物ではなく、家族の一員として社会活動にも積極的に参加させようとする傾向があります。一方で、動物の権利や福祉に対する意識も高く、安易な飼育放棄などには厳しい目が向けられます。

まとめ

フランスのペット文化は、犬や猫が日常生活に深く溶け込み、社会の一員として受け入れられている点が特徴的です。カフェでくつろぐ犬、アパルトマンの窓辺の猫、公園で遊ぶ姿は、フランスの豊かなペットライフを象徴しています。

犬派も猫派も、それぞれの魅力を理解し、尊重し合っているのがフランス流。もちろん、糞の始末問題のように課題もありましたが、社会全体でマナー向上に取り組んできた結果、よりペットと共生しやすい環境が整いつつあります。フランス語の学習と共に、こうした文化の違いに触れてみるのも面白いですね!

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ソフィー(Sophie) この記事を書いた人

来日(1998年)以来23年間、日本でフランス語指導に携わるベテラン講師(京都在住)。パリでの生活経験も有します。最大の強みは、日本語でのコミュニケーションが可能な点です。
パリではECEインターナショナルスクールにてクボタ・ヨーロッパの従業員(日本人)に指導。来日後は、エスパス・フランセ語学学校、日本女子大学、桐朋学園高校、外務省、その他企業にて、初心者から上級者まで豊富な指導経験を有します特に初心者の方が躓きやすい発音について、「難しくない」と感じられるよう基礎から丁寧に指導することに注力しています。 忍耐強く、発音や文法を丁寧に繰り返し指導するのがモットー。グラフィックデザインのスキルを活かし、描画を取り入れた分かりやすい説明も得意です。ご希望に応じて英語でのフランス語レッスンや、アートレッスン(仏語/英語)も提供可能です。

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