フランスの秋冬に食べたいとろけるチーズ

  1. フランス語×グルメ|レシピ・食文化で楽しく学ぶフランス語

寒くなってくるとフランス人が食べたくなるもの、それはチーズ!熱されとろけたあつあつチーズをバゲットやじゃがいもと共に頂くのは、至福の瞬間です。

今回はそんなフランスのとろけるチーズ料理について覗いてみましょう。

寒くなると食べたくなるもの

だんだんと寒くなってきた9月のある日、花子さんとマリーさんは天候について話しているようですが…?

会話

Hanako : Il commence à faire froid depuis quelques jours.

数日前から寒くなってきたわね。

L’été est déjà terminé… 

夏は終わってしまったんだわ…

Marie : C’est normal, on est en septembre.

当り前じゃない、もう9月なのよ。

Ça me donne envie de manger de la raclette !

寒いとラクレットが食べたくなるわ。

Tiens, on va faire une soirée raclette ce week-end ?

 ねえ、今週末にラクレットパーティーをしない?

Hanako : Avec plaisir !

喜んで!

Je t’apporterai des bouteilles de vin blanc.

白ワインを何本か持って行くわね。

フランス産のチーズとお肉が乗ったプレート。

冬に食べたいとろけるチーズ料理

raclette

raclette」は日本でも食べられるレストランが増えたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。ハイジのチーズと紹介されることも多いですね。

ハイジが住んでいたのはスイスですが、フランス・サヴォア地方の名物料理でもあります。

raclette」とはそもそも「削り道具」を指す単語です。料理としての「raclette」は大きな塊のチーズを熱し、とろけたところを「racler 削り取る・こそげ取る」という食べ方をすることから、こう呼ばれるようになりました。

また「raclette」に使うチーズ自体の名称も「raclette」です。

racletteの食べ方

raclette」はフランスの家庭で普通に食べられている料理の一つですが、レストランで見かけるような大きな半円の「raclette」をそのまま熱して食べるようなことはしません。

10cm角程度にスライスしてパッケージされた「raclette」がスーパーで販売されているので、家庭で「raclette」を楽しむときにはそれを購入するのが一般的です。

raclette」を熱するための「machine à raclette」も普通に手に入るので、一家に一台あるといっても過言ではないほどなんですよ。

machine à raclette」には三角や四角の小さなフライパンのようなものがいくつもセットになっています。

それにスライスされた「raclette」を乗せ「machine à raclette」で熱し、とろけたところを蒸かしたジャガイモにかけていただきます。

raclette」の時に準備するのは「jambon ハム」「cornichon 小さいきゅうりのピクルス」 が定番ですが、お好みでマッシュルームやトマト・ブロッコリーなども準備すると最後まで飽きずに食べることができます。

フランスでチーズの入ったボウルにパンを浸している人。

mont d’or

mont d’or」はジュラ山脈で生産されていて、秋~春の間にしか食べられない期間限定チーズ!

mont d’or」は日本語に訳すと「黄金の山」。このチーズが作られているジュラ山脈の絶頂の名前でもあります。

生産期間は8月15日から3月15日、販売期間も9月10日から5月10日と決まっています。

良く売られているのは直径12cmほどの小さなサイズですが、大きいものでは30cmほどの「mont d’or」もあるんですよ。

mont d’orの食べ方

mont d’or」がエピセアの皮が周りに巻かれ、さらには丸い木箱に入っていますが、それがなければ形が保てないほどの柔らかいチーズです。

上手に熟成させた「mont d’or」は常温でもまるで熱したかのようにとろ~っとなめらかクリーミー。そのままスプーンですくってパンに乗せていただきます。

もう一つのポピュラーなのは「mont d’or」を丸ごとオーブンで熱する食べ方です。

木箱に入ったまま真ん中を少しくりぬき、そこに少量の白ワインを注いだらオーブンへ。後は芯まで熱々になるまで待てばOKという手軽さです。

熱々の「mont d’or」をテーブルにセットしたら、一口サイズにちぎったバゲットで直接すくって召し上がれ!

贅沢にも「mont d’or」を丸ごと使うので、輸入チーズの高い日本ではなかなかできない食べ方ですね。

フランスでは小さいサイズの「mont d’or」は6~10ユーロ位なので、気軽に食べることができるんですよ。

テーブルの上にチーズとパンを乗せたフランスフォンデュ鍋。

fondue savoyarde

fondue savoyarde」は「チーズフォンデュ」のこと。「fondue」は「溶けた」「savoyarde」は「サヴォア地方の」という意味です。

サヴォア地方のハードチーズを数種類ミックスし、白ワインと共に熱して溶かしたお料理です。

「 チーズ」フォンデュだから「fromage チーズ」を使って「fromage fondue」じゃないの?と思われるかもしれませんね。

しかし「fromage fondue」だとチーズフォンデュの事ではなく、ただの「溶けたチーズ」の意味なので要注意!料理名を指すのではなく、チーズの状態を示す言葉になってしまうんですね。

fondue savoyardeの食べ方

fondue savoyarde」は「ramequin」と呼ばれる片手鍋で作ってそのまま提供します。冷めると固まってしまうため、卓上コンロなどで温めながら一口サイズに切ったバゲットに絡めて頂きます。

温め続けていても、だんだんチーズとワインが分離し固まってきてしまうので、意外とのんびり食べられないのです。

まとめ

日本人が寒くなると鍋料理を食べたくなるように、フランス人は温かい「fromage fondue」が食べたくなるようです。

どの料理もたっぷりのチーズとハム類を一緒にいただくので、美味しいからって食べ過ぎると、塩分過多で喉の渇きに苦しむことに…!

食事中からしっかり水分を取りつつ、食べすぎには注意してくださいね。

※2019年9月の情報です。

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ソフィー(Sophie) この記事を書いた人

来日(1998年)以来23年間、日本でフランス語指導に携わるベテラン講師(京都在住)。パリでの生活経験も有します。最大の強みは、日本語でのコミュニケーションが可能な点です。
パリではECEインターナショナルスクールにてクボタ・ヨーロッパの従業員(日本人)に指導。来日後は、エスパス・フランセ語学学校、日本女子大学、桐朋学園高校、外務省、その他企業にて、初心者から上級者まで豊富な指導経験を有します特に初心者の方が躓きやすい発音について、「難しくない」と感じられるよう基礎から丁寧に指導することに注力しています。 忍耐強く、発音や文法を丁寧に繰り返し指導するのがモットー。グラフィックデザインのスキルを活かし、描画を取り入れた分かりやすい説明も得意です。ご希望に応じて英語でのフランス語レッスンや、アートレッスン(仏語/英語)も提供可能です。

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