日本語オノマトペのフランス語表現・食べ物編①

    日本語には様々なオノマトペ(擬声語)があり、短い単語で様々な状態を表現できて便利ですよね。

    今回はそんな中から、食べ物に関するオノマトペをフランス語ではどう表現するかを覗いてみましょう。

    オノマトペの少ないフランス語

    フランス語は日本語に比べて「onomatopée オノマトペ・擬声語」が少なく、同じようなオノマトペがないことがほとんどです。

    日本語ではたった数文字のオノマトペで表現できることを、フランス語では何単語も費やして説明する必要があります。

    それでも日本語のオノマトペの表現力には到達できず、微妙なニュアンスを伝えるのを諦める必要があることも…。

    お菓子の食感

    今日の花子さんとマリーさんは、色々なお菓子を食べ比べしているようです。オノマトペの代わりに、どんな表現で食感を表現しているのでしょうか?

    会話

    Marie: Ce gâteau, il est très aéré. 

    このケーキ、すごくフワフワね。

    Hanako: Goûte celui-ci aussi. On peut admirer la texture, car  l’extérieur est croquant, mais l’intérieur est comme une pomme de terre farineuse.

    こっちも食べてみて。外はカリカリなのに、中はホクホクで食感を楽しめるのよ。

    Marie: C’est bon aussi.  Celui-ci, l’apparence est brillant, et dans la bouche il est souple.

    これも美味しいわね。こっちは見た目はツルツルで、食べるとモチモチなのね。

    C’est intéressant, car la texture est différente de celle de gelée.   

    ゼリーのプルプルとした食感とも違って面白いわ。

    Hanako: Celui-ci, si on le chauffe, la texture souple devient coulante.

    それはアツアツにすると、モチモチがトロトロになるの。

    Marie: Ce biscuit est sableux. il est disparu dans la bouche.

    こっちのクッキーはサクサクで、口の中でサラサラっと無くなっちゃった。

    Hanako: Essaye celui-ci aussi. Il a une texture amusante comme un sorbet.

    これも試してみて。シャリシャリして面白い食感なのよ。

    Marie: C’est vrai! Que c’est amusant! 

    本当!面白いわ!

    Alors, comment est-il celui-ci?…Oh, il pétille dans la bouche. 

    じゃあ、これはどんなのかしら?…まぁ、口の中でシュワシュワするわ!

    Hanako: Ensuite mange celui-ci. Fais attention, il tient aux dents. 

    次はこれを食べてみて。ネバネバして歯に引っ付くから気を付けてね。

    知らないと困るフランス語de勉強

    日本語オノマトペのフランス語表現

    フワフワ

    シフォンケーキなどスポンジが「フワフワ」という場合は「aéré 風通しの良い」「léger 軽い」「moelleux 柔らかい」などの表現が使えます。

    どの単語も一つでは「柔らかくて軽く、気泡をたっぷり」含んだシフォンケーキのフワフワさを表現しきれないので、「aéré et moelleux」などいくつかの単語をつなげても良いでしょう。

    スポンジケーキと同様に空気をたっぷり含んだ「mousse ムース」に例えて「lèger comme une mousse ムースのように軽い=フワフワ」ということもできます。

    とはいえ、フランスの「mousse」は日本のように軽くなく、どっしりした重い口当たりの物が多いので、上手くニュアンスが伝えられない恐れもありますが…。

    カリカリ

    「カリカリ」は「croustillant カリカリした」「croquant カリカリの」と、フランス語にも1つでしっくりとくる表現があります。

    どちらもカリカリの食べ物を表現する単語ではあるのですが、カリカリ具合によって使い分けが必要です。

    croustillant」は主に、食べ物の表現がカリカリしているときに使います。例えばクロワッサンや揚げ菓子のチュロスのように、外はカリカリ、中はしっとり、というパターンです。

    croquant」はお煎餅のように中までしっかり堅いもの、歯でしっかり噛む必要のある物に使います。

    知らないと困るフランス語de勉強

    ホクホク

    かぼちゃやさつまいもなどの「ホクホク」した食感は、上手にフランス語で表現することはできません。

    強いていえば「farineux でんぷん質の・粉っぽい」ですが、これは粉っぽい食感を表現しているだけ。「ホクホク」の持つ幸せなニュアンスを上手に伝えられませんが、日本のようにホクホクのかぼちゃという場合には「potiron farineux」ということができます。

    フランスのかぼちゃやさつまいもは、ホクホクではなく水っぽいものがスタンダードなので、「comme un potiron かぼちゃみたいな」といっても、フランス人にホクホク食感をイメージしてもらうことはできないでしょう。

    ツルツル

    例えばりんごの皮の様な見た目の「ツルツル」は「brillant 光る・輝く」、手触りの「ツルツル」なら 「lisse 滑らかな」ということができます。

    蕎麦やうどんの様に「ツルツルっと(簡単に)食べれる」なら「ça se mange facilement rapidement それは簡単に / 素早く食べられる」ということもできますが、簡単に素早く食べられるだけなら、サンドイッチにも当てはまってしまい、どうにも物足りませんね。

    「(食感が)ツルツルで美味しい」なら「une texture lissante est agreabre dans la bouche 滑らかな感触が口の中で楽しい」といったところでしょうか。

    日本語の「ツルツル」に対して、長く説明調になってしまい、料理評論家にでもなった気分になってしまいそうです。

    まとめ

    日本語のオノマトペに該当するフランス語表現を知らないと、何を食べても「c’est bon 美味しい」としかいえなくなってしまいます。

    ぴったりのフランス語表現を見つけるのは難しいものですが、少しでも上手に伝えられないフラストレーションから解放されたいものですね。

    次回も引き続き、会話中に登場した食べ物に関するオノマトペについて紹介します。

    日本語オノマトペのフランス語表現・食べ物編②

    日本語オノマトペのフランス語表現・食べ物編③

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