フランスの隣人の日「fête des voisins」とは?

  1. フランス語会話|旅行・日常・ビジネスで使える実践フレーズ集

フランスには同じ建物に住むご近所さんで集まって、パーティーを楽しむというイベントがあります。今回はそんなフランスのイベントについて覗いてみましょう。

フランスの隣人の日「fête des voisins」とは?

会話

今日は5月末の金曜日、花子さんはマリーさんのアパートに遊びに来たようです。

Hanako: Est-ce qu’il y a quelque chose aujourd’hui?

今日は何かあるの?

J’ai vu des tables et des chaises dans la cour d’immeuble.

建物の中庭にテーブルと椅子があったわ。

Marie: Oui, on est le dernier vendredi du mois de mai. Ça ne te dit rien?

ええ、今日は5月の最後の金曜日よ。何か思いつかない?

Hanako: Ce n’est pas la fête des mères, ça, c’est dimanche…

母の日じゃないわよね、あれは日曜日だし…

Marie: Aujourd’hui, c’est la fête des voisins.

今日は隣人の日よ。

Vous ne l’organisez pas?

あなたたちはやらないの?

Hanako: Enfin non, je n’y ai même pas pensé. Personne ne l’organise dans mon immeuble.. 

ええと、やらないわ。全く考えもしなかった。私の住んでる建物では誰も計画しないから。

Marie: C’est dommage. C’est une bonne occasion pour rencontrer les résidents de l’immeuble.

残念ね。(同じ)建物の住人たちに会う良い機会なのに。

フランスの優雅さと精神を満喫しながら、公園でワイングラスで乾杯する友人のグループ。

フランスの隣人の日

fête des voisins

fête」は「祭り、祝い」、「voisin」は「隣人」のこと。「fête des voisins」は直訳だと「隣人の祭り」ですが、日本では「隣人の日」と訳されることが多いようです。

隣人は一人ではなく沢山いるので「des voisins」と複数形になっています。

会話に登場する「fête des mères 母の日」も、「母”達”の日」なので「des mères」と複数形になっているのにも注目してくださいね。

fête des voisins」は「immeubles en fête」とも呼ばれることもあります。

immeuble」は「建物」の意味で、ここでは集合住宅の建物(マンションやアパート)のことです。

en fête」は「愉快な、大喜びの」、もしくは「お祭り中の」という意味。「建物中が楽しいお祭り中」といったところでしょうか。

fête des voisins の目的

fête des voisins」は「Paris d’amis」というアソシエーションにより1990年に発案されたイベントで、5月最後の金曜日か、6月最初に金曜日に開催されます。

パリで孤独死した老人が4か月後に発見された、というのがこのイベントの起こり。

fête des voisins」のサイトには下記のように記載されています。

pour renforcer les liens de proximité et se mobiliser contre l’isolement

  • renforcer 強化する
  • lien 繋がり・絆
  • proximité 付近・近さ
  • se mobiliser 奮起する
  • contre ~に対して
  • isolement 孤独・孤立

「近所の(人の)繋がりを強化して、孤独に対して行動を起こす」ということですね。

フランスでは年老いた親と同居するのはとても稀なこと。一人暮らしの老人が多いため、足腰が弱り外出しなくなると誰とも会わなくなってしまいます。

最悪の場合は孤独死しても誰も気がついてくれないということも…。

fête des voisins」は年に一度の会ですが、顔を合わせたことがあれば、最近見かけないな、大丈夫かな、と気にかけてくれる「voisin」も出てくることでしょう。

【ワイワイ楽しめばOK】

とはいえ実際の「fête des voisins」は難しい事を考える必要はなく、近所の人で集まってワイワイと楽しむためのイベントです。

普段は顔を合わすことのない「voisin」と話をするチャンスなので、老人だけでなく若い人から家族連れまで様々な人が参加しています。

フランスから来た、真ん中に赤いハートが付いた青いハウスクッキーのグループ。

fête des voisins の開催方法

fête des voisins」は国や街が開催してくれるものでも、必ず開催しなくてはいけないものでもありません。

その「immeuble」の管理組合が中心になって開催することが多いようですが、個人で近所の人に声をかけて集まっても構いません。

開催場所は「immeuble」の「cour 中庭」や集会所など。準備といってもテーブルや椅子を用意する程度で、飲物や食べ物は参加者の持ち寄りです。

手作りは喜ばれますが、スーパーで購入したスナックやお菓子でもOK。何を持って行けばいいか悩んでしまったら、日本らしいお握りや巻き寿司なども喜ばれますよ。

まとめ

フランスの「fête des voisins」についてご紹介しました。

フランスのアパートは小規模のものが多く「voisin」とは顔見知りになりやすいですが、挨拶だけで終わってしまいがちです。

近所に知り合いを増やすチャンスなので、フランスに住む機会があればぜひ気軽に参加してくださいね。

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ソフィー(Sophie) この記事を書いた人

来日(1998年)以来23年間、日本でフランス語指導に携わるベテラン講師(京都在住)。パリでの生活経験も有します。最大の強みは、日本語でのコミュニケーションが可能な点です。
パリではECEインターナショナルスクールにてクボタ・ヨーロッパの従業員(日本人)に指導。来日後は、エスパス・フランセ語学学校、日本女子大学、桐朋学園高校、外務省、その他企業にて、初心者から上級者まで豊富な指導経験を有します特に初心者の方が躓きやすい発音について、「難しくない」と感じられるよう基礎から丁寧に指導することに注力しています。 忍耐強く、発音や文法を丁寧に繰り返し指導するのがモットー。グラフィックデザインのスキルを活かし、描画を取り入れた分かりやすい説明も得意です。ご希望に応じて英語でのフランス語レッスンや、アートレッスン(仏語/英語)も提供可能です。

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