【例文付き】フランスの学校を子供が休む時の連絡方法|電話・メールでの伝え方から文化の違いまで徹底解説
フランスで子育てをしていると、お子さんの体調不良などで現地校に欠席の連絡をする場面が必ず訪れます。「フランス語でどう伝えればいいんだろう…」「失礼にならないかな?」と、電話をかける手に汗がにじむ経験、ありませんか?文化や習慣の違いも気になりますよね。でも、ご安心ください。この記事を読めば、必要なフレーズから連絡のコツ、フランス特有のルールまで、すべてが分かります。実践的なフランス語を学ぶなら、フランス語教室で基礎からしっかり身につけるのもおすすめです。
今回は、フランスの学校に子供の欠席を連絡する際のあらゆる状況を想定し、電話やメールで使える具体的なフランス語の例文を豊富に交えながら、コミュニケーションの完全ガイドをお届けします。
目次
子供の欠席連絡:電話での完全会話フレーズ集
子供が急に熱を出した朝など、最も一般的な連絡手段はやはり電話です。緊張するかもしれませんが、ポイントさえ押さえれば大丈夫。ここでは、会話の流れを3つのステップに分けて、具体的なフレーズと共に詳しく見ていきましょう。
ステップ1:まずは自己紹介と用件を伝える
電話がつながったら、まずは落ち着いて自分が誰で、何の目的で電話したのかを明確に伝えましょう。これがスムーズなコミュニケーションの第一歩です。
École (学校) : École AA, bonjour.
(AA学校です、こんにちは。)
Vous (あなた) : Allô, bonjour. C’est [あなたの名前] à l’appareil, la mère/le père de [子供の名前] en classe de [クラス名].
(もしもし、こんにちは。[クラス名]組の[子供の名前]の母/父の[あなたの名前]です。)
École : Ah, bonjour, Madame/Monsieur [あなたの名前].
(ああ、こんにちは、[あなたの名前]さん。)
Vous : Je vous appelle pour vous prévenir que mon fils/ma fille sera absent(e) aujourd’hui.
(息子/娘が本日欠席することをお伝えするためにお電話しました。)
ポイント解説
- C’est [名前] à l’appareil : 「こちらは〜です」という電話での決まり文句。シンプルに
C’est [あなたの名前]
でも全く問題ありません。 - la mère de / le père de : 「〜の母/父」。続柄を明確に伝えます。
- Je vous appelle pour… : 「〜のためにお電話しました」と用件を切り出す丁寧な表現です。
- sera absent(e) : 「欠席します」。未来形を使うのが一般的ですが、当日の朝であれば現在形の
est absent(e)
でも通じます。お子さんが女の子ならabsente
となります。

電話での連絡は緊張しますが、要点をメモしておくと安心です。
ステップ2:欠席理由を具体的に伝える表現バリエーション
なぜ休むのか、理由を簡潔に伝えましょう。フランスでは具体的な症状を伝えるのが一般的です。
École : D’accord. Quelle est la raison de son absence ?
(わかりました。欠席の理由は何ですか?)
Vous : Il/Elle est malade. Il/Elle a de la fièvre.
(体調不良です。熱があります。)
最もシンプルで便利なのは Il/Elle est malade. (彼/彼女は病気です) です。軽い風邪から腹痛まで、あらゆる体調不良をカバーできる万能フレーズです。さらに具体的に伝えたい場合は、以下の表現を使ってみましょう。
症状を伝えるフレーズ集
- Il/Elle a de la fièvre. (熱があります。)
- Il/Elle a attrapé un rhume. / Il/Elle est enrhumé(e). (風邪をひきました。)
- Il/Elle a mal à la gorge. (喉が痛いです。)
- Il/Elle a mal au ventre. (お腹が痛いです。)
- Il/Elle a la nausée. / Il/Elle a mal au cœur. (吐き気がします。)
- Il/Elle a la grippe. (インフルエンザです。)
- Il/Elle a la gastro-entérite. (胃腸炎です。)
※ mal au cœur
は「吐き気」を意味する一般的な表現で、心臓の痛みを指すことは稀です。
ステップ3:電話を切る前の確認事項と丁寧な結び
用件を伝えたら、感謝の言葉と丁寧な挨拶で電話を締めくくります。もし可能であれば、いつ登校できるかの見込みを伝えると、学校側も安心します。
Vous : Je pense qu’il/elle pourra revenir demain si ça va mieux. Je vous tiendrai au courant.
(もし良くなれば、明日には戻れると思います。またご連絡します。)
École : D’accord. Soignez bien votre fils/fille. Au revoir.
(わかりました。お大事になさってください。さようなら。)
Vous : Merci beaucoup. Bonne journée, au revoir.
(ありがとうございます。良い一日を、さようなら。)
状況別に使える!欠席連絡メール・SMSのテンプレート集
「フランス語の電話はまだ自信がない…」という方や、記録として残しておきたい場合は、メールやSMSでの連絡が便利です。学校によっては専用の連絡アプリがある場合も。ここでは、どんな状況でも使えるテンプレートをご紹介します。
【重要】メール作成の基本マナー:件名と宛名
メールで連絡する場合、件名で内容がすぐに分かるようにするのは万国共通のマナーです。
- 件名 (Objet):
Absence de [子供の名前] [子供の苗字] - Classe de [クラス名]
- 宛名: 担任の先生の名前が分かれば
Bonjour Madame/Monsieur [先生の苗字],
、分からなければBonjour,
で問題ありません。

メールなら、自分のペースで文章を作成し、送信前に確認できます。
【基本形】当日の体調不良を伝えるメール
電話の内容をそのまま文章にするイメージです。簡潔に、分かりやすく書きましょう。
Objet: Absence de Mako SUZUKI – Classe de CE2
Bonjour Madame Rodin,
Je vous écris pour vous informer que ma fille, Mako SUZUKI, sera absente aujourd’hui, le [日付], car elle est malade.
Elle devrait être de retour demain si son état s’améliore. Je vous tiendrai informée.
Je vous souhaite une excellente journée.
Cordialement,
[あなたの名前] SUZUKIMère de Mako SUZUKI
【応用形】数日間休むことが分かっている場合(インフルエンザなど)
インフルエンザなど、数日間は登校できないことが明らかな場合は、その旨を伝えておくと、毎日の連絡が不要になります。
Objet: Absence de Mako SUZUKI – Classe de CE2
Bonjour Madame Rodin,
Je vous informe que ma fille, Mako, a la grippe. Par conséquent, elle sera absente pour plusieurs jours.
Selon le médecin, elle pourra revenir à l’école à partir du [復帰予定日].
Je vous fournirai un certificat médical à son retour.
Bien à vous,
[あなたの名前] SUZUKIMère de Mako SUZUKI
【応用形】旅行など、事前に分かっている欠席の連絡
病欠以外で、事前に休むことが決まっている場合も連絡が必要です。フランスでは比較的寛容ですが、丁寧な連絡を心がけましょう。
Objet: Absence prévue de Mako SUZUKI – Classe de CE2
Bonjour Madame Rodin,
Je me permets de vous informer que ma fille, Mako, sera absente du [開始日] au [終了日] inclus, en raison d’un voyage familial au Japon.
Nous nous assurerons qu’elle rattrape les leçons manquées à son retour.
En vous remerciant de votre compréhension,
Cordialement,
[あなたの名前] SUZUKIMère de Mako SUZUKI
知っておきたい!フランスの学校欠席にまつわる文化とルール
連絡方法だけでなく、フランス特有のルールや文化を知っておくと、さらにスムーズに対応できます。ここでは、特に重要な3つのポイントを解説します。

連絡帳(Cahier de correspondance)は、学校と家庭をつなぐ重要なツールです。
「連絡帳(Cahier de correspondance)」の重要性と書き方
フランスの学校では、電話やメールで口頭の連絡をした後、子供が再登校する際に連絡帳(Cahier de correspondance または Cahier de liaison)に欠席の旨を書き、保護者がサインをして提出するのが一般的です。これは、親が欠席を承認したことの正式な記録となります。
多くの場合、連絡帳には欠席届専用のページ(Billet d’absence)があります。ない場合は、普通のページに以下のように簡潔に記入すればOKです。
連絡帳への記入例
Date: [記入日]
Madame/Monsieur,
Je soussigné(e), [あなたの名前], certifie que mon fils/ma fille [子供の名前], élève en classe de [クラス名], a été absent(e) le [欠席した日付] pour raison de santé.
Signature du parent:
[あなたのサイン]診断書(Certificat médical)が必要になるケースとは?
通常の風邪などでは不要ですが、以下のようなケースでは医師の診断書(Certificat médical)の提出を求められることがあります。
- 伝染性の病気の場合: インフルエンザ、水疱瘡(varicelle)、はしか(rougeole)など、他の生徒にうつる可能性のある病気から回復して再登校する際。「他者への感染力がない」ことを証明するために必要です。
- 長期欠席の場合: 明確な日数規定はありませんが、一般的に3〜4日以上欠席が続くと求められることがあります。
- 体育の授業を長期間見学する場合: 怪我などで体育への参加が難しい場合も診断書が必要です。
かかりつけ医(médecin traitant)に診断書を作成してもらい、再登校の初日に担任の先生に渡しましょう。
「とりあえず休ませる」文化?病欠に対する日仏の考え方の違い
日本では「多少の熱なら頑張って学校へ」という風潮がまだ残っているかもしれませんが、フランスでは少しでも体調が悪ければ無理せず休ませるのが一般的です。これは、本人の回復を最優先にすると同時に、他の子供たちへ感染を広げないための配慮でもあります。
そのため、「ちょっと鼻水が出てるだけなんだけど…」と休ませることに罪悪感を覚える必要は全くありません。「Il/Elle est un peu fatigué(e)(少し疲れているようです)」という理由で休ませる親もいるほどです。子供の体調を第一に考え、柔軟に対応するのがフランス流と言えるでしょう。
これで安心!フランスの学校欠席に関するQ&A
最後に、保護者の方からよく寄せられる質問にお答えします。
Q. 連絡を忘れてしまったらどうなりますか?
A. 無断欠席が続くと、学校から安否確認の電話がかかってくることが多いです。フランスでは子供の安全管理が厳しいため、連絡なしの欠席には敏感です。もし連絡を忘れてしまったら、気づいた時点ですぐに電話し、謝罪と共に理由を説明しましょう。「Je suis vraiment désolé(e) d’avoir oublié de vous prévenir.(ご連絡を忘れてしまい、大変申し訳ありません)」と一言添えると丁寧です。
Q. 学校からの連絡はどんな手段で来ますか?
A. 緊急の場合は電話が最も一般的です。それ以外では、連絡帳への記載、メール、または学校が導入している専用アプリ(Pronoteなど)を通じて連絡が来ることが多いです。入学時にどの連絡手段が主になるか確認しておくと安心です。
Q. 忌引きの場合はどう伝えれば良いですか?
A. 忌引きの場合は、「raison familiale (家庭の事情)」という言葉を使います。具体的には、「Il/Elle sera absent(e) en raison d’un deuil familial.(家族の不幸のため欠席します)」と伝えます。フランスでは忌引き(congé pour deuil)が法的に認められており、学校も理解してくれます。必要に応じて、証明書の提出を求められる場合もあります。
まとめ:自信を持ってフランスの学校とコミュニケーションを
フランスの学校への欠席連絡は、最初は少し戸惑うかもしれません。しかし、今回ご紹介したフレーズやテンプレート、そして文化的な背景を理解しておけば、何も怖いことはありません。大切なのは、「早めに」「正直に」「丁寧に」連絡することです。
この記事が、フランスで子育てを頑張るあなたの助けとなり、学校とのコミュニケーションへの不安を少しでも和らげることができれば幸いです。自信を持って、フランスでの生活を楽しんでくださいね!