ハンカチを持たないフランス人

    1. フランス語会話・勉強

    ハンカチは日本人にとっては身だしなみの一種であり、持っていて当たり前のものですよね。ところがフランスでは、ハンカチを持っている人がほとんどいないというから驚きです。

    今回はフランス人がハンカチなしでどのように生活しているかを覗いてみましょう。

    エアータオルが故障中!

    今日の花子さんとマリーさんはカフェで休憩中ですが、お手洗いから戻ってきたマリーさんは、なぜか手をぶらぶらさせています。いったいどうしたのでしょうか?

    会話

    Hanako : Pourquoi tu agis comme ça tes mains ?

    どうして、そんな風に手を動かしているの?

    Marie : Le sèche-mains des toilettes est en panne.

    トイレのエアータオルが故障していたの。

    Il n’y a pas d’essuie-mains non plus.

    手拭も無かったし。

    Hanako : Tiens, si tu veux, tu peux utiliser mon mouchoir ?

    はい、良かったら私のハンカチ使って?

    Il est encore propre, puisque je ne l’ai pas encore utilisé aujourd’hui.

    今日は使ってないから、まだ清潔よ。

    Marie : Merci, c’est gentil…Atchoum!

    どうもありがとう…はくしゅん!

    Hanako : A tes souhaits. Tiens, tu veux un mouchoir en papier ?

    お大事に。はい、テッシュ要る?

    Marie : Merci… Dis donc, tu es bien équipée !

    ありがとう…あらまあ、あなたはなんて用意がいいの!

    Tu as toujours un mouchoir en tissu et un paquet de mouchoir en papier ?

    いつもハンカチとティッシュを持っているの?

    Hanako : Oui, toujours. C’est une question d’habitude.

    ええ、いつも持っているわ。ただの習慣よ。

    ポイント

    être en panne

    panne」は「故障」の意味で「être en panne」は「故障している」という状態を表す表現です。

    「故障する」は「avoir une panne」や「tomber en panne」と「être」とは違う動詞を使って表すので、間違えないでくださいね。

    A tes souhaits

    これはくしゃみをした人に向かって言う表現です。

    souhaits」は「願い」ですから直訳すると「あなたの願いに」となりますが、深い意味は無く「お大事に」というニュアンスで使えますよ。

    vous」で話書ける相手の場合は「tes」ではなく「vos」に変えて「A vos souhaits」と声をかけましょう。いわれた場合は「Merci」と返せばOKです。

    1度目のくしゃみには「A tes souhaits」ですが、2度目のくしゃみには「A tes amours」と声をかけます(amour=愛)。

    そしてその返事はというと、恋人がいない人には「 qu’ils commencent un jour  いつか始まるあなたの恋に」、

    恋人の居る人には「 qu’ils durent toujours いつまでも続くあなたの恋に 」と返すそうですよ。

    フランスで手指消毒剤を使って手を洗う男性。

    フランス人にハンカチは必要なし

    お手洗いでは

    ハンカチが必要になる場面で思い浮かべるのが手を洗った後、つまりお手洗いですよね。

    ところがフランスでは、どんなお手洗いに行っても「sèche-mains  エアータオル」や「essuie-mains en papier ペーパータオル」などが備え付けられています。

    小さい頃からそんな環境で過ごして居るフランス人は、自分のハンカチで手を拭くということがありません。

    日本のように小学校でハンカチ・ティッシュを持っているかのチェックなどもありませんから、一度も使ったことがない、なんてフランス人も居るほどです。

    【エアータオルが故障していたら?】

    手をぶらぶらさせて乾かす、服でこっそり拭く、トイレットペーパーで拭く、などなど、フランス人はハンカチが無くても大丈夫。

    そもそも持っていないのが当たり前なので「ハンカチも持っていないのね」なんて周りの目で恥ずかしい気分を味わう危険もないんですね。

    汗をかいたら

    ハンカチが活躍するもう1つの場面は汗をかいた時ですが、真夏でもフランス人はハンカチを持ち歩きません。

    日本のように、ハンカチで汗を押さえながら歩いている人を見かけることもありません。

    もちろんスポーツ時のように沢山の汗をかく場合は、フランス人でもタオルを使っていますが、日常生活の汗はそのままなんて事が多いようです。

    ティッシュで鼻をかむフランスの女性。

    フランス人がハンカチを使うとき

    フランス語で「ハンカチ」は「mouchoir」です。ところが「ティッシュ」も同じく「mouchoir 」と呼びます。

    素材によって区別したい場合は「en tissu 布の=ハンカチ」「en papier 紙の=ティッシュ」と付けて違いを表現します。

    つまりフランス人にとっては、布のハンカチも紙のティッシュも目的は「moucher 鼻をかむ」という同じ目的のためにあるのです。

    ハンカチで鼻をかみ、それをポケットに突っ込み再度使う。エコロジックではありますが、衛生面が気になってしまいますね…。

    ハンカチは日本調達がおすすめ

    フランスでおしゃれなハンカチを探すのは至難の業。そもそもおしゃれかどうか以前に、売っているのを見かけません。

    たまにハンカチを売っているのを見かけても、白やブルーのシンプルで生地は上質だけど…という遊び心の無いものばかり。

    鞄にハンカチが入っていないと落ち着かない、なんて花子さんのように日本人的習慣をお持ちなら、フランスに来る際はたっぷりの枚数を準備するのがおすすめですよ。

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