フランス一般家庭の食事風景

    1. フランス食べ物

    フランス料理と聞けばテーブルマナーが気になるところですが、一般家庭の食事風景はマナー本に載っているものとは随分と違いがあります。

    今回はフランス人家庭の毎日の食事風景を覗いてみましょう。

    食事の準備

    マリーさんのお宅で急遽夕食を頂くことになった花子さん、テーブルセッティングを終えて、他にすることがないか尋ねているようです。

    会話

    Hanako : Est-ce qu’il y a autre chose à faire ?

    他に何かすることある?

    Marie : Non, c’est  bon merci. Il ne reste plus grande chose à faire.

    いいえ、大丈夫よ、ありがとう。他には大してすることはないの。

    Je vais faire juste des carottes râpées pour l’entrée.  Ça suffit, non ?

    前菜用に人参サラダを作るだけよ。それで十分よね?

    Hanako : Oui, c’est très bien… Euh, tu n’as pas besoins de baguette ?

    ええ、もちろんよ…ええっと、バゲットはいらない?

    Je vais en acheter, si tu veux.

    良かったら買いに行くわよ。

    Marie : Merci, mais ça ira. Il reste encore une baguette et demie.

    ありがとう、でも大丈夫。バゲットが1本半残っているの。

    A moins que tu veuilles manger une baguette à toi toute seule.

    あなた一人でバゲットを1本食べたいのじゃなければね。

    Hanako : Non, quand même pas. Sinon, tu veux quelque chose pour le dessert ?

    いいえ、さすがにそれはないわ。じゃあ、デザートに何かいる?

    Marie : Ne t’en fait pas, Hanako.

    気を使わないで、花子。

    Il reste du gâteau que tu as amené pour le goûter  et il y a des yaourts aussi au réfrigérateur.  

    おやつにあなたが持ってきてくれたおやつがまだあるし、冷蔵庫にヨーグルトも入ってるから。

    ポイント

    à moins que

    à moins que +接続法」で「~でなければ、~かもしれない」という意味。

    本文中でマリーさんは「まだバゲットが1本半残っているから、あなたが一人で一本食べたいのでなければ十分に足りる」と言いたいわけですね。

    予定外にマリーさんのお宅で夕食を頂くことになり、何かすることある?バゲットはいらない?と気を使っている花子さんをからかっているのです。

    フランス

    フランス的な食事の順番

    フランスでは日常の食事でも「entrée 前菜」「plat principale メイン料理」「dessert デザート」と順番を守って頂きます。

    食事を全て同時にテーブルの上に出すことはせず「entrée」を食べ終わってから 「plat principale」をテーブルに持ってくる、という形を取ります。

    日常的な「entrée」は「carotte râpée 人参サラダ」のようなサラダ系が多いのですが、日本人ならメインと一緒でいいのでは?と思うようなものでも、あくまで「entrée」としてそれだけを先に頂くのがフランス式なんですよ。

    フランス人の和食の食べ方

    そんなフランス人を食事に招いたとき、日本風に全ての料理を一度にテーブルに並べたとしましょう。そんな時でも彼らはまず、並んでいる料理の中から「entrée」的な料理、つまり味噌汁や野菜の多い副菜から食べ始めます。

    そしてそれを食べ終わってから、やっとメイン料理に手を付けます。せっかくの温かい料理が冷めてしまって、作り手としてはがっかり…なんてこともありえます。

    もちろん日本的な食事の仕方を説明すると実践してくれるフランス人もいるので、フランス人を食事に招いたときには、ぜひ日本式の食事方法を説明してみてくださいね。

    一回の食事にお皿は一枚

    entrée」を各自のお皿に取り分け、それを食べ終わってもメインのためにお皿を変えることはありません(もちろんメニューにもよります)。

    でもそのままのお皿を使うと、お皿に残った「entrée」のソースと「plat principale」が混ざってしまいますよね。

    そんな時に登場するのが「baguette バゲット」、お皿に残った「entrée」のソースをきれいに拭って食べてしまいます。

    パンでソースを拭って食べるのはマナー違反といわれることもありますが、それはごく一部の高級レストランの話。一般家庭ではみんなパンでお皿をきれいにしています。

    フランス人家庭に食事に招待されたとき「entrée」と「plat principale」お皿を変えてくれないなんて!と思ったりせず、フランス式にパンできれいにする方式を実践してくださいね。

    フランスでは食べ物が乗った皿を持つ人。

    バゲットの切り方

    フランス人が日常的にもっともよく買うパンは「baguette」ですが、食事の際に切り分けず、丸ごとの「baguette」が出されることがあります。

    その上パン切ナイフもないとすれば、どのように切ったらいいのか悩んでしまいますよね。手でちぎると切り口が汚らしいうえ「baguette」も潰れてしまうし…

    そんな時にフランス人が使うのは自分のテーブルナイフ!食事に使っているテーブルナイフを、みんなが食べる「baguette」を切るのに使うなんてと若干のショックを受けるかもしれませんね。

    もちろんソースなどが付いた状態で切るのではありません。まずは「baguette」の白い身の部分でナイフをきれいに拭います。軽く切れ目を入れて、ゴシゴシする場合もあります。

    そうしてきれいになったなったナイフでおもむろに自分の欲しい分だけの「baguette」を切り分けるというわけです。

    そう聞くと、きれいなような気もしますが、それでも抵抗がある人もいますよね。そんな時は「couteau à pain パン切りナイフ」を出してもらうようお願いしてくださいね。

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