焼きたてのクロワッサンにパン・オ・ショコラ…おしゃれなイメージのあるフランスの朝食ですが、平日の朝にそんな優雅な朝食を食べている人はほとんどいません。

今回はそんなフランス一般家庭の朝食風景を覗いてみましょう。

朝食の調達はスーパーで

今日の花子さんはマリーさんとスーパーへ買い物に来ています。

会話

Hanako : Est-ce qu’il y a autre chose à acheter ?

他に何か買うものある?

Marie : Il faut acheter quelque chose pour les petits-déjeuners.

朝食を買わなくちゃ。

Alors, un paquet de céréales, une  brioche, et un paquet de pains au chocolat.

さぁ、シリアルを一箱、ブリオッシュを1つ、パン・オ・ショコラを1袋。

Il faut aussi un pot de confiture et de Nutella…

ジャムとニュテラも一瓶必要だわ。

Hanako : Enfin, il a l’air très sucré le petit-déjeuner de chez toi.

なんだか、あなたの家の朝食ってとても甘そうね。

Marie : Ah bon ? C’est comme ça le petit-déjeuner à la française.

あら、そう?フランスの朝食ってこんな感じよ。

Hanako : Et toi, qu’est-ce que tu manges au petit-déjeuner ?

で、あなたは朝食に何を食べるの?

Marie : Moi, je mange de la tartine quand il reste la baguette de la veille.

私は前日のバゲットが残っていたらタルティーヌかしら。

Sinon, de la brioche ou un bol de céréale.

無ければ、ブリオッシュかシリアルをボールに一杯ね。

Hanako : Tu n’achètes pas des viennoiseries au boulanger ?

パン屋で菓子パンは買わないの?

Maie : Si, mais seulement le week-end, quand on a du temps.

買うわよ、でも週末に時間のある時だけね。

ポイント

petit-déjeuner

petit-déjeuner」は「朝食」の意味。「prendre le petit-déjeuner」で「朝食をとる」となります。

また「petit-déjeuner」は話し言葉では自動詞としても使われ「Je petit-déjeune 私は朝食をとる」「j’ai déjà petit-déjeuné  私はすでに朝食を食べた」のように使われます。

フランスから来たパンとコーヒーが入ったプレート。

朝食に食べるもの

フランスの朝食は基本的に甘いもの。それにオレンジジュースやコーヒーと、とてもシンプルです。

tartine

tartine」は薄切りパンにバターやジャムを塗った物のこと。ハムやチーズなどの乗ったオープンサンドを指すこともありますが、朝食に塩味のオープンサンドが出てくることはありません。

朝食に食べる「tartine」は、縦半分に切ったバゲットを軽くトーストするのが一般的です。薄切りパンというにはちょっと分厚いですが、バゲットをスライスするようなことはありません。

家庭では朝にバゲットを買いに行くことは少ないので、前日の硬くなり始めたバゲットを頂きます。そのためトーストするのは必須で、一家に一台「grille-pain トースター」があるといっても過言ではないでしょう。

(ちなみにトースターはポップアップ式が一般的です)

céréale

céréale」はコーンフレークなどの「シリアル」のこと。アメリカンなイメージが強い食べ物ですがフランスでも「céréale」は人気があります。

特に充実しているのは子供向けシリアルで、朝食には「céréale」しか食べないなんて子もいるほどです。

それとは反対にヘルシーを前面に打ち出した「céréale」も充実しています。食物繊維を多く含む「son ふすま」や「fruit secドライフルーツ/ナッツ」配合で、健康やダイエットに気を使う人々に人気です。

スーパーの菓子パン

tartine」や「céréale」以外でよく食べられているのはスーパーの菓子パン類です。個別包装になった「pain au chocolat パン・オ・ショコラ」やスライスされた「brioche」など、メーカーも種類も豊富です。

味は「boulanger パン屋」の菓子パンに劣りますが、値段も安く日持ちするので毎日の朝食には便利なのでしょう。

パン屋でクロワッサンのトレイを持つフランス人女性。

パン屋の菓子パンは土日の楽しみ

boulanger 」で買うと「pain au chocolat」や「croissant クロワッサン」は1つ1ユーロ以上しますが、スーパーのものだと6~8個入りのものが同じくらいの値段で買えてしまいます。

そのため「boulanger 」の菓子パンは土日のお楽しみという位置づけであることが多く、フランス人は毎朝美味しい「pain au chocolat」などを食べているわけではないのですね。

そんな週末の楽しい朝食をするのは男性であることが多く、土日の朝の「boulanger 」には男性が列をなしています。

家でおいしいパンを待つ奥さんや彼女を喜ばせようとしているのかと思うと、ただ男性が「boulanger」に並んでいるだけの風景も、なんだか素敵な風景に見えてきませんか?

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ソフィー(Sophie) この記事を書いた人

来日(1998年)以来23年間、日本でフランス語指導に携わるベテラン講師(京都在住)。パリでの生活経験も有します。最大の強みは、日本語でのコミュニケーションが可能な点です。
パリではECEインターナショナルスクールにてクボタ・ヨーロッパの従業員(日本人)に指導。来日後は、エスパス・フランセ語学学校、日本女子大学、桐朋学園高校、外務省、その他企業にて、初心者から上級者まで豊富な指導経験を有します特に初心者の方が躓きやすい発音について、「難しくない」と感じられるよう基礎から丁寧に指導することに注力しています。 忍耐強く、発音や文法を丁寧に繰り返し指導するのがモットー。グラフィックデザインのスキルを活かし、描画を取り入れた分かりやすい説明も得意です。ご希望に応じて英語でのフランス語レッスンや、アートレッスン(仏語/英語)も提供可能です。

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