フランス人とアイロンがけ

  1. フランス語会話・勉強

アイロンがけに日本もフランスも違いなどないと思われるかもしれませんが、実は違いがあるのです。

今回はそんなフランスのアイロンがけ事情を覗いてみましょう。

週末のアイロンがけ

ある週末、花子さんはマリーさんに電話を掛けますが、どうやらマリーさんはお忙しいようです。いったい何をしているのでしょうか?

会話

Hanako : Allo, c’est Hanako. Je ne te dérange pas ?

もしもし、花子です。今大丈夫?

Marie : Bonjour Hanako. Je viens de commencer à repasser tous les linges de cette semaine.

こんにちは、花子。今週の洗濯物のアイロンがけを始めたところよ。

Hanako : Ah, désolée. Je t’appelle plus tard ?

あら、ごめんなさい。後でかけ直そうか?

Marie : Non c’est bon, ne t’en fais pas.

いいえ、大丈夫よ、気にしないで。

De tout façon, je ne sais pas quand je peux terminer le repassage …

大体、いつアイロンかけ終わるか分からないんだし…

Hanako : J’imagine. Tu repasses vraiment tous les linges.

そうでしょうね。あなた、本当に全ての洗濯物にアイロンをかけるのだもの。

Marie : Bon, allez, qu’est-ce qu’il y a ?

さあ、言って?何があったの?

Hanako : Justement, mon fer à repasser est tombé en panne.

ちょうどね、家のアイロンが故障したのよ。

Je me demande si tu peux m’accompagner pour aller en acheter un nouveau.  

新しいのを買いに行くのに、ついて来てもらえないかと思ったの。

ポイント

repasser

repasser」は他動詞で「アイロンをかける」の意味。「repasser une chemise シャツにアイロンをかける」というように使います。

また「repasser」には自動詞があり「再び通る」の意味になります。

自動詞の場合の助動詞は「être」ですが、アイロンをかけるの「repasser」の助動詞は「avoir」なので注意が必要です。

J’ai repassé une chemise.

シャツにアイロンをかけた。

Je suis repassé hier chez toi, mais tu étais encore absent.

昨日、君の家を再び訪れたが、君はまた留守だった。

repassage

repassage」は名詞で「アイロンかけ」の意味。「faire du repassage」で「アイロンをかける」となります。

fer à repasser

fer」は「鉄」、「à」はここでは目的を表します。「fer à repasser」は「アイロンがけのための鉄」、つまり「アイロン」のことですね。

linge

linge」は「(家庭用の)布類・下着類・洗濯物」等の意味があります。

フランスの伝統的な衣装を着た女性とその娘が、衣類の入ったバスケットを持って床に座っている。

フランス人はアイロンがけがお好き?

フランス人はなんと洗濯物全てにアイロンをかけます。

もちろん全てのフランス人が全ての洗濯物にアイロンをかけるわけではありませんが、日本人からみると「え?それにまでアイロンをかけるの?」と思ってしまうこともしばしば。

シャツやズボンなどの衣服、シーツやベッドカバーなどの大物はもちろん、タオルや下着、はたまた靴下にもアロンをかける人も少なくありません。

何にアイロンをかけるか、というより、洗濯したものすべてにアイロンをかけるという感じですね。

アイロンがけは山盛り洗濯物との格闘

共働きの多いフランスでは、アイロンをかける時間が取れるのは週末だけという家庭がほとんどです。

そうすると1週間分の未アイロンの洗濯物が山積みに…!

4人家族の一週間分のアイロンがけともなれば、とても時間がかかるのが想像できると思います。

アイロンがけの味方は central vapeur

日本でよく利用されているタイプのアイロンは、水の容量も小さくスチームも弱いので、フランス人のように1週間分の洗濯物を一気にアイロンがけする時には不向きです。

そんなフランス人に愛されているのは「central vapeur」。アイロン本体と水を入れるタンクが別になったタイプのアイロンです。

水の容量が大きいため、水を追加した後の待ち時間が省略できますし、スチームも強いため、ストレスなくアイロンがけができるんですよ。

またフランスでは「planche à repasser アイロン台」も「jeannette」と呼ばれる脚付きの大きいものを利用します。

大量のアイロンがけは大変ですが、少しでも快適に行える道具もそろっているというわけですね。

フランスで女性が衣服の山の前に立っています。

フランスでアイロンを使う時の注意点

フランスの水はご存じの通りカルシウムの多い硬水です。そのため水道水をアイロンに使うことができません。

水道水を使うとカルシウムが固まって故障したり、蒸気の吹き出し口から茶色い水が出て洗濯物を汚したりします。

フランスでアイロンがけには「eau déminéralisé」と呼ばれる、ミネラルを取り除いた水を使います。

アイロン用に水を買うなんて面倒ですよね。でも身近なスーパーで購入できるので、アイロンの故障防止に利用されるのをおすすめします。

まとめ

たかがアイロン、されどアイロン。日本とフランスにはアイロンがけにも違いがあるんですね。

フランス人と結婚して、こんなものにまでアイロンをかけるの!とびっくりする人も多いようです。

郷に入っては郷に従え、もしくは日本式(自分式?)を貫くか…アイロンがけ一つでも文化の違いを感じるのは面白いですね。

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ソフィー(Sophie) この記事を書いた人

来日(1998年)以来23年間、日本でフランス語指導に携わるベテラン講師(京都在住)。パリでの生活経験も有します。最大の強みは、日本語でのコミュニケーションが可能な点です。
パリではECEインターナショナルスクールにてクボタ・ヨーロッパの従業員(日本人)に指導。来日後は、エスパス・フランセ語学学校、日本女子大学、桐朋学園高校、外務省、その他企業にて、初心者から上級者まで豊富な指導経験を有します特に初心者の方が躓きやすい発音について、「難しくない」と感じられるよう基礎から丁寧に指導することに注力しています。 忍耐強く、発音や文法を丁寧に繰り返し指導するのがモットー。グラフィックデザインのスキルを活かし、描画を取り入れた分かりやすい説明も得意です。ご希望に応じて英語でのフランス語レッスンや、アートレッスン(仏語/英語)も提供可能です。

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