【2025年最新】パリのメトロはNavigo Easyが常識!紙のカルネは廃止。切符の買い方から乗り方まで徹底解説
パリの街を自在にめぐるには、メトロ(地下鉄)の攻略が不可欠です。しかし、「切符の種類が多すぎて分からない」「買い方が不安…」と感じる方も多いのではないでしょうか。特に近年、紙の回数券「カルネ」が廃止され、ICカード式の「Navigo(ナビゴ)」が主流になるなど、大きな変化がありました。フランス語が分かると、パリの旅はもっと楽しくなります。現地の雰囲気をより深く味わうためにも、出発前にフランス語教室で少し学んでおくのがおすすめです。このガイドを読めば、2025年現在のパリのメトロ事情が全て分かり、誰でも簡単・お得にパリの交通をマスターできます!
目次
パリのメトロ、切符の基本「Ticket t+」とは?
まず、パリの公共交通機関の最も基本的な切符が「Ticket t+(ティケ・テ・プリュス)」です。これは1回券で、メトロだけでなく、バスやトラムなど幅広い交通機関で利用できます。
Ticket t+で乗れる交通機関
この小さな一枚で、パリ市内の主要な交通網をカバーできます。まさに万能チケットです。
- メトロ全線 (les lignes de métro)
- RER全線 (les lignes RER) – ただしパリ市内(ゾーン1)に限ります。
- イル・ド・フランス地方の路線バス (les lignes de bus d’Île-de-France) – オルリーバス(Orlybus)とロワシーバス(Roissybus)の空港バスは除きます。
- トラム全線 (les lignes de Tramway)
- モンマルトルのケーブルカー (le Funiculaire de Montmartre) – サクレ・クール寺院へ続く階段を楽々登れます。
【2025年最新】Ticket t+の料金
料金は購入方法によって少し異なります。旅行のスタイルに合わせて選びましょう。
1枚 (À l’unité): 2.15 €
駅の券売機や窓口、Navigo Easyにチャージする場合の単価です。
バス車内での購入: 2.50 €
バスの運転手から直接購入する場合の料金です。少し割高で、お釣りが出ないこともあるので注意が必要です。
Ticket t+の有効時間と乗り換えルール
Ticket t+は乗り換え可能ですが、時間制限と組み合わせにルールがあります。改札を通した(打刻した)時間からカウントが始まります。
- メトロ ⇔ メトロ: 最初の改札から2時間有効。ただし、一度改札の外に出ると無効になります。
- メトロ ⇔ RER (パリ市内): 最初の改札から2時間有効。
- バス ⇔ バス / バス ⇔ トラム: 最初の打刻から90分有効。乗り換えるたびに再度打刻が必要です。
- 【重要】メトロ/RERとバス/トラム間の乗り換えはできません。それぞれ新しいTicket t+が必要になります。

パリのメトロ駅にある券売機。英語表示も可能なので、落ち着いて操作すれば簡単です。
かつてパリ旅行の定番だった、Ticket t+が10枚綴りになった紙の回数券「Carnet(カルネ)」。1枚ずつ買うよりお得で、複数人でのシェアも可能だったため重宝されていました。しかし、この紙のカルネは2023年9月をもって完全に販売終了となりました。
なぜ?紙のカルネが廃止された背景
紙のチケット廃止は、世界的な環境保護の流れと効率化を目指す動きの一環です。RATP(パリ交通公団)によると、年間約5億枚もの紙のチケットが印刷されており、その多くが紛失したり、捨てられたりしていました。この廃止により、以下のようなメリットが期待されています。
- 環境負荷の軽減: 紙資源の節約とゴミの削減。
- 利便性の向上: 磁気不良によるトラブルがなくなり、非接触式でスムーズに改札を通過可能。
- 紛失リスクの低下: 小さな紙のチケットを何枚も持ち歩く必要がなくなります。
手元に残っている紙のカルネはまだ使える?
ご安心ください。販売は終了しましたが、既にお持ちの未使用の紙のTicket t+(カルネの残りなど)は、引き続き無期限で利用できます。 次回の旅行のために取っておいた方も、問題なく使えますので、大切に保管しておきましょう。
紙のカルネに代わって、現在のパリにおける短期滞在者やライトユーザー向けのスタンダードとなったのが「Navigo Easy(ナビゴ・イージー)」です。日本のSuicaやICOCAのような、チャージ式の非接触型ICカードです。
Navigo Easyは、パリ観光をよりスマートで快適にしてくれるアイテムです。主なメリットを見ていきましょう。
- 料金がお得!: Ticket t+を10枚分チャージすると「カルネ料金」が適用され、1枚ずつ買うより約20%も安くなります。
- 改札がスムーズ!: 改札の読み取り部分にかざすだけでOK。もうチケットの挿入向きを気にしたり、詰まらせたりする心配はありません。
- 繰り返し使える!: カードは10年間有効。一度購入すれば、次回のパリ旅行でもそのまま使えます。
- 紛失・磁気不良のリスクなし!: 小さな紙のチケットのように紛失したり、スマホと一緒に保管して磁気が飛んでしまったりするトラブルがありません。
- 様々なチケットをチャージ可能!: Ticket t+だけでなく、1日乗車券(Forfait Navigo Jour)や空港バスのチケットなどもチャージできます。
Navigo Easyは、メトロ駅の有人窓口(Guichet)または券売機(Automate)で簡単に購入できます。
カード本体代金: 2 €
チャージ料金(例):
- Ticket t+ 10枚分 (カルネ料金): 17.35 €
- Ticket t+ 1枚: 2.15 €
※最初に購入する際は、カード代2€に加えて、最低でも1回分のチケットをチャージする必要があります。
窓口で購入する場合の会話例
Vous (あなた): Bonjour, je voudrais un passe Navigo Easy, s’il vous plaît.
(こんにちは。ナビゴ・イージーを1枚ください。)
Guichet (窓口係): Bien sûr. Vous voulez charger combien de tickets?
(はい。チケットは何枚チャージしますか?)
Vous (あなた): Dix tickets, s’il vous plaît.
(10枚お願いします。)

紫色の読み取り機にNavigo Easyをかざすだけ。緑のランプが点灯すればOKです。
チャージは駅の券売機や窓口のほか、スマートフォンのアプリからも可能です。
- 券売機・窓口: 最も一般的な方法です。券売機の指定場所にカードを置いて、画面の指示に従うだけです。
- 公式アプリ「Bonjour RATP」: NFC機能付きのスマートフォン(ほとんどのiPhoneやAndroid端末)があれば、アプリを使っていつでもどこでもチャージができて非常に便利です。クレジットカードを登録し、スマホの背面にNavigoカードをかざしてチャージします。
あなたに合うのはどれ?他の交通パスとの比較
パリにはNavigo Easy以外にも交通パスがあります。滞在日数や行動範囲に合わせて最適なものを選びましょう。
パスの種類 | 特徴 | こんな人におすすめ |
---|---|---|
Navigo Easy | 都度チャージ式。カルネ料金がお得。無記名でシェアも可能(カードの貸し借り)。 | 短期旅行者、メトロ利用が1日数回程度の人。 |
Navigo Découverte | 1週間または1ヶ月の乗り放題パス。顔写真が必要。有効期間が月曜〜日曜の固定。 | 週の頭からパリに滞在し、頻繁にメトロを利用する人。 |
Paris Visite | 1, 2, 3, 5日間連続で使える旅行者向け乗り放題パス。美術館などの割引特典付き。 | 多くの割引特典を使いこなせる人。料金は割高な傾向。 |
ここでは、最も一般的な券売機での操作方法を解説します。フランス語が分からなくても、言語選択をすれば問題ありません。
券売機の基本操作(言語選択から)
ほとんどの券売機には、ローラー式の選択ボタンと緑の決定ボタンが付いています。タッチパネル式の新しい機械も増えています。
- まず、画面下部にある各国の国旗をタッチするか、ローラーで選択して言語を選びます。英語(イギリス国旗)やスペイン語、ドイツ語などがあります。
- メインメニューが表示されたら、「Buy tickets」または「Recharge Navigo pass」など、目的の操作を選択します。
ここでは、Navigo Easyカードを新たに購入し、同時に10枚分のチケット(カルネ料金)をチャージする手順を説明します。
【ステップ・バイ・ステップ】
- 言語選択後、メインメニューで「Buy tickets」を選択します。
- 「On a Navigo Easy pass」(Navigo Easyカードで購入)の選択肢が表示されたら、それを選択します。
- 「Buy a new pass」(新しいパスを購入)を選択します。カード代2€がかかる旨の表示が出ます。
- 次に、チャージするチケットの種類を選びます。「Book of 10 t+ tickets」(10枚綴りチケット)を選択すると、お得な17.35€が適用されます。
- 合計金額(2€ + 17.35€ = 19.35€)が表示されるので、確認して「Validate」(決定)を押します。
- 支払い画面に移ります。クレジットカード(ICチップ付き)または現金(コイン・紙幣)で支払います。
- 支払いが完了すると、下の取り出し口からNavigo Easyカードが出てきます。
もう迷わない!パリのメトロの乗り方と注意点
切符やカードを手に入れたら、いよいよメトロに乗車です。日本の駅とは少し違う点に注意しましょう。
改札の通り方【失敗しないコツ】
パリの改札は、回転バー式か自動ドア式が主流です。特に回転バー式は、少しコツが必要です。
- Navigo Easyの場合: 紫色の読み取り部分にカードをかざすだけ。緑のランプが点灯し、ロックが解除されたら速やかに進みます。
- 紙のTicket t+の場合: 磁気テープの面を下にして、矢印の方向に挿入口に入れます。吸い込まれたチケットがすぐ上から出てくるので、それを必ず抜き取ってください。抜き取らないとバーやドアが開きません。
- 失敗しないコツ: ためらわずに、一気に体を押し込むようにして回転バーを押すこと。中途半端に押して戻ると、ロックがかかりチケットが無駄になることがあります。

パリのメトロのプラットフォームは、路線や駅によって様々な表情を見せます。
トラブル発生!改札で失敗した時の対処法
万が一、改札でチケットが詰まったり、ロックがかかってしまったりしても慌てないでください。これはパリではよくあることです。
【対処法】近くの人に一緒に入れてもらう
一番手っ取り早いのが、すぐ後ろの人に声をかけて一緒に入れてもらう方法です。フランス人はこの状況に慣れているので、快く(または無言で)通してくれることがほとんどです。
Excusez-moi, est-ce que je peux passer avec vous? Mon ticket n’a pas marché.
(すみません、一緒に入れてもらえませんか?チケットがうまく作動しなくて。)
無賃乗車と間違われないよう、手元にうまく作動しなかったチケットを見せながらお願いするのがポイントです。
メトロ車内でのマナーとスリ対策
パリのメトロは市民の足であり、様々な人が利用します。快適に利用するために、いくつか注意点があります。
- スリに注意: 最も重要な注意点です。リュックは前に抱える、バッグはファスナーを閉めて体の前で持つ、ポケットにスマートフォンや財布を入れない、など基本的な対策を徹底しましょう。特に混雑した車内や乗降時は要注意です。
- 席の譲り合い: 折りたたみ式の補助席は、混雑時には立っている人に場所を譲るのがマナーです。
- 車内でのパフォーマンス: アコーディオン弾きなどの演奏者が乗ってくることがあります。良いと思ったら、1〜2ユーロのコインを渡すのがスマートです。もちろん、渡さなくても問題ありません。
知っておくと便利なメトロ用語と会話フレーズ
Sortie: 出口
Correspondance: 乗り換え
Direction: 方面(路線の終着駅名で示されます)
Prochain train: 次の電車
Attention à la marche en descendant du train: 電車を降りる際、足元にご注意ください(車内アナウンス)
よくある質問(FAQ)
Q1. 子どもの料金はどうなりますか?
4歳未満の子どもは無料です。4歳から9歳の子どもは、大人料金の半額(Tarif réduit)になります。Navigo Easyに子ども用の割引カルネ(10枚で8.65€)をチャージすることも可能です。これは有人窓口でのみ購入できます。
Q2. RERで空港(シャルル・ド・ゴール/オルリー)まで行けますか?
はい、行けます。ただし、空港はパリ市内(ゾーン1)ではないため、Ticket t+では行けません。空港までの専用チケット「Billet Origine-Destination」を別途購入する必要があります。料金は目的地によって異なります。
Q3. 深夜や早朝もメトロは動いていますか?
メトロの運行時間は、路線にもよりますが、おおよそ朝5時半頃から深夜1時15分頃までです。金曜日と土曜日の夜、および祝日の前夜は、深夜2時15分頃まで延長運転されます。
まとめ:賢くメトロを使いこなしてパリ観光を120%楽しもう
この記事では、2025年現在のパリのメトロ事情について、基本的なTicket t+から最新のNavigo Easy、そして実践的な乗り方や注意点まで、包括的に解説しました。
【今日のポイント】
– パリ観光の基本はICカード「Navigo Easy」。
– 紙の回数券「カルネ」は販売終了したが、手持ちのものはまだ使える。
– Navigo Easyに10回分チャージすると料金が割引になってお得。
– 改札は「ためらわず、一気に」がコツ。
– スリ対策は万全に、バッグは前に抱えること。
最初は少し戸惑うかもしれませんが、一度慣れてしまえばパリのメトロは非常に便利で、あなたの行動範囲をぐっと広げてくれます。このガイドを片手に、自信を持ってメトロを乗りこなし、素晴らしいパリ滞在をお楽しみください!