フランスの給料・額面と手取りの違い

    お給料で気になるのは額面より手取り額ですよね。仕事を探す時に額面と手取りの違いを知っておくのは重要なことです。

    今回はそんなフランスのお給料の額面と手取りについて覗いてみましょう。

    額面?それとも手取り?

    今日の花子さんは気になる求人お給料について、マリーさんに意見を聞いているようです。

    会話

    Hanako: Regarde, cette offre d’emploi. Mille six cents euros pour ce travail, c’est pas mal?

    見て、この求人。この仕事で1600ユーロって悪くないわよね?

    Marie: Ça dépend si c’est du net ou du brut.

    額面か手取りか次第だわ。

    Si c’est du brut, c’est à peine au Smic.

    額面なら、ほとんどSmicだもの。

    Hanako: Je crois que ce n’est pas indiqué.

    (どちらか)書いていないみたいだわ。

    Marie: Dans ce cas, c’est du brut. Le salaire net est à peu près de mille deux cent à mille trois cent euros.

    それなら、額面でしょうね。手取りのお給料は大体1200から1300ユーロよ。

    Hanako: Est-ce qu’il est net d’impôt?

    それは税金も払った後の金額?

    Marie: Malheureusement, non. L’impôt sur revenu est prélevé automatiquement avant le versement, si on est imposable. 

    残念ながら違うのよ。課税対象の人なら、所得税が支払の前に自動的に引かれるわ。

    知らないと困るフランス語de勉強

    ポイント

    brut

    brut」は「元のままの、自然のままの」という意味と、「(税金などを含めた)総計の」「(包装などの重さを込めた)総重量」という意味があります。

    会話中の「brut」は「salaire 給料」に関することなどで、税金や年金・健康保険料などを含んだ「額面」のことです。

    net

    net」は「はっきりした」という意味の他に、「正味の」という意味があります。

    会話中の「net」は「brut」と同じく「salaire」に関することなので、正味受け取る給料「手取り」のことです。

    net de ~」は「~のない、~を免除された、~を取り除いた」という意味。

    文中の「net d’impôt」は、「impôt 税金」が引かれた後の金額かどうか、を尋ねています。

    Smis

    Smic」は「salaire minimum de croissance」の略で、フランスの最低賃金のことです。

    croissance 成長 発展」の名の通り、インフレーション共に金額が増える仕組みになっています。

    2021年の「Smic」の「brut」は、月給なら1589,47ユーロ、時給なら10,48ユーロ。「net」は天引き額にもよりますが、月給で1250ユーロ程度です。

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    フランスの給料の額面と手取り

    salaire」の額で重要なのは、「brut」よりも実際にいくら使えるのか、つまり「net」の方が気になりますよね。

    offre d’emploi 求人」には「brut」の金額が書かれているし、フランスはアルバイト的な短時間の仕事でも社会保障などの天引きがあるため、「offre d’emploi」の金額=「net」ということがありません。

    日本のアルバイトなら何も天引きされないこともあるため、同じ感覚で「offre d’emploi」を見ていると、「net」の金額を知ってガッカリ…なんてことも。

    給料の手取りと所得税

    フランスの「salaire」の「net」は、社会保障や年金などは引かれていますが、日本と違い「impôt sur revenu 所得税」は引かれる前の金額です。

    つまり「net」ではあるが、「net d’impôt」ではない、ということで紛らわしいですよね。

    これは、フランスの「impôt sur revenu」は永らく「prélèvement à la source 源泉徴収」ではなかったのが原因です。

    2019年より「prélèvement à la source」が導入されましたが、それ以降も変わらず「impôt sur revenu」が引かれる前の金額が「net」扱い。

    そのため給料明細には「brut」と「net」、さらに「impôt sur revenu」が引かれた本当の手取り額が記載されるという形なっています。

    まとめ

    brut」と「net」は、お給料以外のところでも日常的に使われる単語です。

    例えばオリーブなどの瓶詰の「poids brut」はオリーブと漬け汁の重さ、「poids net」は汁なしのオリーブのみの重さのこと。

    商品の値段で「prix brut」は税金を含まない金額、「prix net」は税込みの金額のことです。

    いずれにせよ重要になってくるのは「net」であることがほとんどなので、表記しているのがどちらなのかをきちんと確認するようにしたいですね。

    ※2021年10月の情報です。

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