フランス語で心を伝える挨拶「bon/bonne」を使った表現

  1. フランス語挨拶・あいさつ

bon / bonne」は、フランス語の基本中の基本の形容詞ですね。これを使うと、色々と便利で簡単なフランス語の挨拶になることをご存じですか?

覚えておくときっと役立つ、フランス語の簡単な挨拶「Bon~」の数々をご紹介します。

フランス語で心を伝える挨拶「bon/bonne」を使った表現

フランス語の「bon / bonne」を使った基本の挨拶

「良い」を意味するフランス語の「bon / bonne」は、様々な挨拶にも使われる単語です。挨拶に使うときは「Bon / Bonne ~」と他の単語の頭に付けて使用します。そのなかでも代表的な物はこちら!

Bonjour

こんにちは

Bonjour」はフランス語を勉強していない人でも知っているほど有名な挨拶ですね。「良い」を意味する「bon」に、「一日、日中」を意味する「jour」がついた単語で、「良い一日を=こんにちは」となります。

フランス語には「おはよう」と「こんにちは」の挨拶に区別がなく、朝起きてから夕方までなら、いつでも「Bonjour」の挨拶を使うことができます。

Bonsoir

こんばんは

そして夕方が来たら、今度は「Bonsoir」と挨拶をします。「soir」は「夕方、夜」の意味で、夕方から夜に会う人への挨拶として使いましょう。フランス語で「夜中」は「nuit」ですが、夜中に会った人にも「bonne nuit」とは挨拶しません。暗い時間ならいつでも「Bonsoir」でOKです。

フランス語の「Bonjour」と「Bonsoir」の詳しい使い方はこちらの記事でご紹介しています。

フランスの別れの挨拶

別れ際の挨拶と一日の時間帯に応じた表現

別れ際に「さようなら」「またね」というとき、すぐに思いつくのは「Au revoir」。誰にでも使えるオールマイティな別れの挨拶です。親しい間柄なら「Salut」を使うことも多いですね。

フランス人は上記のような別れの挨拶にプラス、一日の様々な時間帯に応じて「bon / bonne」を使った挨拶も同時に使用します。

色々な別れ際の挨拶

Au revoir」等の別れの挨拶とセットで使われることの多い「bon ~」の表現を見てみましょう。

Bonne journée.

午前中~お昼頃まで「良い一日を」

journée」は「昼間、(朝から晩までの)一日)」、「Bonne journée」は「良い一日を」という意味。一日の内で使える時間が長く、便利な挨拶です。

朝から夕方ごろまでの時間帯ならいつでも使えます。別れの挨拶にプラスする基本の挨拶として覚えておきましょう。

Bonne fin de matinée.

午前中の終わりに「良い午前の終わりを」

matinée」は「午前中」、「fin de matinée」は「午前の終わりごろ」のことです。「Bonne fin de matinée」は「良い午前の終わりを」となりますね。

この挨拶は午前の終わりに限定されるので、使えるのは朝の10〜11時ごろと短くなっています。「marché 朝市」で買い物した時、のんびりと遅めの朝ごはんを食べたカフェを出る時などに使ってみましょう。

朝早めの時間帯で「Bonne fin de matinée」を今使っていいの?と悩んだら「Bonne journée」で代用しても大丈夫。「fin de matinée」というには早い時間ならば、「matin 朝」を使った「Bon matin」という挨拶を使うこともできます。

そして「Bon matin」と言えるなら「Bonne matinée」でもいいのかな?と思ってしまいますが、この言い方は挨拶としては使用されませんので注意しましょう。

Bon après-midi.

お昼頃に「良い午後を」

après-midi」は「午後」。「après」は「~の後」、「midi」は「正午」という意味です。この「Bon après-midi」は昼から16時くらいまで使える挨拶で、「après-midi」と言いつつもカバーする時間帯が短く、夕方以降は使うことがありません。

16時ごろから18時ごろまでなら「Bon après-midi」に「fin 終わり」を付けて「Bonne fin d’après-midi 良い午後の終わりを」ということができます。

Bonne fin de journée.

夕方ごろに「良い一日の終わりを」

Bonne journée」に「fin」を付けた「Bonne fin de journée」も「Bonne fin d’après-midi」と同様に、夕方に使うことができるフランス語の挨拶です。

journée」は「一日」の意味なので「fin de journée」は直訳だと「一日の終わり」となるため、夜に使われる挨拶のような気がしますが、実際は夜には使われません。夕方から日が沈むくらいまでに使うようにしましょう。

Bonne soirée.

夕方から夜に「良い夕べを」

soirée」は「晩、夕べ」のこと。夕方から夜の時間帯を指します。「Bonne soirée」は17時ごろから夜中前まで比較的長い時間使える挨拶です。夕方の仕事終わりの挨拶としても使えますし、夕食を共にした人への別れの挨拶としても使えます。

17〜18時ごろなら「Bon après-midi」と「Bonne fin d’après-midi」、「Bonne soirée」のどれを使ってもOKですよ。

Bonne fin de soirée.

夜に「良い夜を」

Bonne soirée」に「fin」を付けた「Bonne fin de soirée」は「soirée」の中でも遅めの時間帯の別れの挨拶。そのためここでは「soirée」を「夕べ」ではなく「夜」と訳しています。

この挨拶は夕方〜20時ごろには使わずそれ以降に使うイメージですが、それ以降の時間帯に「Bonne fin de soirée」ではなく、ただ「Bonne soirée」と言っても問題ありません。

Bonne nuit.

夜に「おやすみなさい」

最初に「Bonne nuit」は出会いの挨拶としては使わないと説明しましたが、「おやすみなさい」の意味で別れの挨拶の一部としても使われます。日本でも夜遅い時間帯に別れる人に「さようなら、おやすみなさい」と言いますが、それと同じです。

そのため家に帰ってすぐ寝る、という時間帯に使われるので、使われるのは22時以降のイメージです。それ以前の時間帯でも、小さな子供に向けてなら使ってもおかしくありません。

別れ際の挨拶の使い方

上記で紹介したような別れ際の挨拶の使い方は、決して難しいものではありません。基本的には「Au revoir」に「Bon~」を付ければOK、順番はどちらが先でも大丈夫です。

Au revoir. Bonne journée!

さよなら、良い一日を!

Bon après-midi! Salut!

良い午後を!じゃあね!

ここまでは簡単ですね。しかしお店などで「Merci ありがとう」をプラスすると、少し一息で言うには長くなってしまいます。

Merci. Au revoir. Bonne journée!

ありがとう、さようなら、良い一日を!

これだけ見ると簡単そうに思えるかもしれませんね。しかしフランス語に慣れていないと、お会計の数字で頭が混乱、同時に買い物袋に買ったものを詰め込むのにてんやわんや…そんな中で、最後にきちんとお店の人に挨拶するのは意外と難しいものなのです!

これは必ず全てを言わなければいけないわけではありませんが、多くのフランス人はお店で買い物した時など、「ありがとう・さようなら・良い○○を!」の3つをセットで使用します。

そのため、この3つを言わないと失礼な人とまでは行きませんが、何となく寂しいような、無愛想なような印象を与えてしまう恐れがあります。

もちろん私たちは外国人なので、全て言わない=感じが悪いと思われるわけではありませんが、どうせなら良い印象を持ってもらいたいですよね。

必須は「Merci」。それが毎回言えるようになったら「 Au revoir」をプラスしてみる。それにも慣れたら「Bonne journée!」等もプラスするなど、段階を追ってチャレンジしてみるのもよいでしょう。

シチュエーション別のフランス語の挨拶

シチュエーション別の「Bon ~」の挨拶

Bon~」を使った挨拶は、一日の時間帯以外にも、相手の状況に合わせて色々と便利に使うことができます。

bon / bonne」の後に相手がこれからしようとしていること(名詞)をプラスすれば、「良い~を」「~を楽しんで」という意味になりますよ。例えば…

Bon voyage!

旅行に出かける人に「良い旅を!」

Bon séjour!

旅行に来た人に対して「良い滞在を!」

Bonnes vacances!

バカンス前に「良いバカンスを!」

Bon shopping!

「良いショッピングを!」=ショッピングを楽しんでね

Bon cinéma!

「良い映画を!」=映画を楽しんでね

Bonne route!

車で出発する人に「良い道(ドライブ)を!」

Bon week-end!

週末に入る前に「良い週末を!」

  • voyage …(m.)旅
  • séjour …(m.)滞在
  • vacances …(f.)バカンス *複数形で使う
  • cinéma …(m.)映画
  • route …(f.)道
  • week-end …(m.)週末

決まり文句としての「Bon ~」の使用例

「頑張って!」「よろしくお願いします」など、挨拶には他にも色々な「決まり文句」がありますよね。

フランス語にも「bon / bonne」を使った、このような決まり文句が沢山あるのでご紹介しましょう。

Bon courage!

良い勇気を→「頑張って!」

courage」は「勇気、元気」の意味ですが、「Bon courage」だと「しっかり、頑張れ」という意味になります。テストや発表会の前、はたまた嫌な仕事が待っているときなど…「Bon courage」と励ましの声をかけてあげましょう。

Bonne chance! 

良い幸運を→「グッドラック!」

chance」は「幸運」。「Bonne chance」は相手にチャンスがありますように、と伝えたい時に使える表現です。こちらも「Bon courage」と同じような場面で使用しますが、「Bonne chance」の方が成功しますように、上手くいきますようにという気持ちをより伝えることができます。

相手の幸運を願うその他のフランス語表現はこちらをチェックしてくださいね。

Bon appétit! 

良い食欲を→「めしあがれ!」

appétit」は「食欲」という意味で、「Bon appétit」だと「めしあがれ」という意味で使われます。日本では料理を作った人が食べる人に対してこのように声を掛けますよね。ところが誰が料理を作ったかは関係なく、食べる人がお互いに「Bon appétit」と声をかけるのがフランス流。

Bon appétit」はレストランのサービスの人が客に対しても使いますし、会社や学校などの昼休みに、これから食事に行く人に対して「Bon appétit」と声を掛けたりもします。

ちなみに「いただきます」に該当するフランス語はありません。誰かと食事を共にするときは「いただきます」の代わりに「Bon appétit」と声を掛け合うようにしましょう。

食前食後に使えるフランス語の挨拶表現はこちらの記事でも紹介しています。

Bonne santé! 

良い健康を→「元気でお過ごしください」

santé」は「健康」。相手の健康を祈るこのフランス語表現を使うのは、主に年末年始の挨拶です。「Bonne année et bonne santé!」は「あけましておめでとう、今年も元気で過ごしてね」という意味で、新年の挨拶の決まり文句の一つとなっています。

もっと色々な年末年始の挨拶を知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

Bonne réception.

良い受領を→「ご査収ください」

réception」は「受領、受け取ること」という意味。「Bonne réception」は書類などを送ったときや、メールに添付したときに「よろしくお願いします」といった感覚で使われます。

Bonne continuation!

良い継続を→「その調子で頑張って!」

continuation」は「継続」という意味。「Bonne continuation」は勉強や良い習慣に取り組む人に「その調子で頑張って!」と励ますときの決まり文句です。

フランス語の良いの使い方

「C’est bon!」の注意点と正しい使用法

ここまで「bon / bonne」を使ったフランス語の挨拶や決まり文句をご紹介しましたが、「bon」を使った代表的な表現には「C’est bon」がありますよね。日常的に多用されがちな「C’est bon」ですが、実はちょっと注意が必要なのです。

美味しいと良いの違い

C’est bon」は直訳すると「それは良い」ですね。食べ物の褒め言葉として使われることが多く、その場合は「美味しい」という意味になります。

ところが食べ物以外の物に対して「それは良い」の意味で「C’est bon」を使うと、不自然な印象を与えてしまうことも。そんな場合は「C’est +他の形容詞」もしくは「C’est bien」を使いましょう。例えば…

C’est beau ce sac.

このかばんは良い(美しい)。

C’est joli ce chapeau.

この帽子はかわいい。

C’est bien ce jeu.

このゲームは良い(面白い)。

そして「bon」を褒め言葉として使うときに特に気を付けたいのが、女性に対しては「bonne」を絶対に使ってはいけないという事。

C’est bonne cette fille この娘は良い」や「Tu es / Elle est bonne 君は /彼女は良い」と言ってしまうと、「性的に良い女性」の意味になり、褒め言葉ではなく侮蔑の言葉になってしまうのです。

bonとbienの使い分け

bon」も「bien」も日本語だと「良い」と訳すため、どちらを使えばいいか悩んでしまうこともありますよね。

bon」は形容詞のため、使用できるのは名詞や物事です。相手が行ったことに対して「同意(分かった)」するときに使われますが、相手の行動に対して良いと言いたい時には「C’est bon」を使うことはできません。この場合は副詞の「bien」を使い「C’est bien!」というのが正解です。

フランス語の例を見てみましょう。

A: Demain, rendez-vous devant le cinéma à dix heures, c’est bon pour toi?

明日、映画館の前で10時に待ち合わせ、あなたはこれで大丈夫?

B: Oui, c’est bon pour moi.

うん、私はそれでいいよ。

この例文では、待ち合わせ場所や時間に対して「良い(同意)」と言っているため「c’est bon」を使います。

A: J’ai acheté le gâteau que tu aimes pour le dessert.

デザートに君が好きなケーキを買っておいたよ。

B: C’est bien! Tu es gentil.

いいね!優しいのね。

こちらでは、ケーキを買ったという行動に対しての「良い」と言っているため「C’est bien」を使います。

フランス語の挨拶マナー

フランス語挨拶の文化的背景とエチケット

フランスでは挨拶がとても重視されています。特に「Bonjour」と「Bonsoir」は、家族や友達・同僚など自分の知っている人だけでなく、店員・運転手などにも一声挨拶するのがフランス流のマナーです。

道やお店で誰かに話しかける際にも、一言目は「Excusez-moi すみません」ではなく「Bonjour」か「Bonsoir」を使いましょう。

道やメトロなどで知らない人と目が合った時、無言で目を逸らせるのではなく「Bonjour」や「Bonsoir」と一声掛けてくれる人もフランスにはたくさんいます。挨拶を掛けられたら、知らない人だからと無視せず、同じように挨拶を返すようにしましょう。

そして友人など知り合いとの挨拶には「Bonjour」や「Bonsoir」の後に元気か尋ねる質問がセットになっています。

Bonjour, ça va ?

こんにちは、元気?

Bonjour, comment allez-vous/ vas-tu?

こんにちは、お元気ですか?

答えるときは…

Bonjour, je vais bien, merci, et vous / toi?

こんにちは、元気です、あなたは?

必ず最初は「Bonjour」。その後に「je vais bien, merci 元気です、ありがとう」と答えますが、これは挨拶の決まり文句なので、実際に元気でなくても「je vais bien」と答えてしまってOKです。

そして忘れがちなのが最後の「et vous / toi?」。必ず相手へ質問を返すようにしてください。定型文ではありますが、質問を返さないと失礼な印象になってしまいますよ。

別れ際の挨拶と同様に、慣れないと全てを一気に言うのは難しいので、何度も口に出して練習しておくのもおすすめです。

まとめ

bon / bonne」を使ったフランス語の挨拶と決まり文句をご紹介しました。

これらは後に名詞を続けるだけなので簡単に使えるだけでなく、名詞の性を覚えることもできて一石二鳥。是非覚えて使ってみてくださいね。

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