フランスの硬水は家電の敵

    1. フランス語会話・勉強

    フランスの水は硬い、と聞いたことはありませんか?日本の水は軟水なのに対し、フランスの水は硬水がほとんどです。

    味の違いはペットボトルの水で知っている人も多いと思いますが、実際生活していく上での影響は、どんなものがあるのでしょう?

    パリの水は石灰だらけ

    今日の花子さんはマリーさんのお宅にお邪魔しています。会話に花を咲かせたら、どうやら喉が渇いたようですよ。

    会話

    Marie : Tu peux mettre de l’eau dans la bouilloire, s’il te plait.

    ヤカンに水を入れてくれない?

    Je vais faire du thé.

    お茶を入れるわ。

    Hanako : Ok … tiens, pourquoi ta bouilloire est aussi propre ?

    Ok…ねえ、どうしてあなたのヤカン、こんなにきれいなの?

    Marie : Comment ça ?

    どういう事?

    Hanako : L’intérieur de la mienne, il y a une sorte de blanc qui colle partout.

    私のヤカンの中、何か白いものがへばり付いてるのよ。

    Marie : Ah, ça c’est du calcaire.

    ああ、それって石灰よ。

    L’eau potable parisienne est très dure, ça veut dire, beaucoup de calcaire.

    パリの水ってすごく固いのよ、つまり石灰が多いのね。

    Hanako : Du calcaire ? Je ne savais pas…

    石灰?知らなかったわ…

    Marie : Tu n’as qu’à nettoyer avec du vinaigre.

    お酢で掃除するべきよ。

    Avec la réaction chimique, le tartre fondra très vite.

    化学反応で、石灰のこびりつきなんてすぐ溶けるわよ。

    Hanako : Je vais essayer avec.

    試してみるわ。

    Je me disais qu’il fallait changer la bouilloire !

    ヤカンを変えなきゃいけないと思っていたのよ。

    ポイント

    faire du thé

    これは簡単、そのまま「お茶を入れる」です。

    この「お茶を入れる」ですがフランス語には「offrir du thé」と言うことがあります。

    offrir」は「贈る」ですから、お茶葉をプレゼントするのかと思ってしまいませんか?

    ところが「offrir」には「ごちそうする」という意味もあるので、「お茶を(人に)出す」という時にも使えるんですね。

    文中でマリーさん、「Je t’offre du thé」とも言える訳です。

    Comment ça ?

    「(それって)どういう事?」

    言っている事はわかっても意味が良くわからない、なんて事もあります。そんなときは「Comment ça ?」と聞き返してみましょう。

    文中でヤカンのきれいさを褒められたマリーさんが「Comment ça ?」と聞き返しています。

    これはきっと、マリーさんのヤカンの外側はそれほどピカピカではないのでしょうね。

    だたら花子さんにヤカンがきれいと褒められても、どういう事かわからなかったのでしょう。

    n’avoir qu’à +不定詞

    「~しさえすれば良い」の意味です。

    日本語に直すと少し固く、押し付けがましくかんじますが、フランスでは良く使われる言い回しです。

    「~したほうがいいんじゃない」「~したら」程度の軽いニュアンスで使ってみましょう。

    日本とフランス、水質の違い

    軟水と硬水

    フランスに来たことがある人は、水質の違いに驚かれたのではないでしょうか。

    日本の水が基本的に「eau douce 軟水」であるのに対して、フランスの水は基本的に「eau dure 硬水」です。

    水の味も違いますし、シャワーを浴びればお肌はカサカサ、髪もゴワゴワなんて嬉しくない体験をされる場合もあるようですね。

    メンテナンスは小まめに

    とはいっても普段は軟水・硬水の違いなんて眼に見えませんから、それほど気にならないのでは?

    実際にフランスで生活してみると意外と困るのが『硬水=石灰の多さ』による家電への影響なんです。

    小まめにメンテナンスをせずに使っていると、突然故障したり使えなくなったりという事になってしまうので注意してくださいね。

    la bouilloire

    日常に使う家電のなかで、一番石灰の影響がわかりやすいのが『la bouilloire ヤカン』です(フランスでは火にかけるヤカンより、電気湯沸かし器が一般的です)。

    硬水に熱を加えることで、より一層石灰がこびりつきやすくなるので、熱源の部分を中心に石灰が付着してしまいます。

    放って置いても健康に被害はありませんが、熱効率が悪くなり電気代もかさむので小まめに掃除をしてあげましょう。

    le cafetière

    コーヒー好き人口の多いフランス、『le cafetière コーヒーマシーン』は欠かせません。

    こちらは熱湯が細い管を通って、コーヒー粉に注がれる仕組みですよね。お手入れを疎かにすると、この管が完全に詰まってしまうことも。

    石灰を溶かす専用のものも売っていますが、臭いさえ気にならなければ安い酢で十分ですよ。

    le lave-linge

    le lave-linge 洗濯機』も石灰の影響を受けやすい家電の1つです。

    フランスのle lave-lingeは水から90℃まで温度設定ができるものがほとんど。石灰の影響は簡単に想像できますね。

    洗濯物も石灰の製でゴワゴワの洗い上がりになってしまうので、石灰を中和させる『Calgon カルゴン』のような商品を愛用している家庭も多いようです。

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