特徴的な音・フランス語の綴りと発音

    1. フランス語発音

    フランス語には「この綴りと発音が出てくるといかにもフランス語らしい」と思える特徴的な綴りと読みがあります。

    これらを覚えるとフランス語の発音と綴りの規則はかなり理解できたと言えるので、しっかり覚えておきましょう!

    語尾の発音ルール

    【語尾の子音字は発音しない】

    最重要とも言える規則がこれです。フランス語では、基本的に語尾に子音の文字がある場合その文字は発音されません。

    grand 【gʀɑ̃】[グラン] …大きい

    petit  【pəti】【プティ】 …小さい

    chat 【ʃa】[シャ]…猫

    appartement 【apaʀtəmɑ̃】[アパルトマン] …アパート、マンション

    français [f ʀɑ̃sɛ][フランセ] …(形容詞)フランスの、(名詞)フランス語

    japonais [ʒapɔnɛ][ジャポネ] …(形容詞)日本の、(名詞)日本語

    【単数と複数】

    また、複数形を表す語尾の「」も同様に発音されません。そのため複数形の「」を持つ場合も発音は単数形と同じです。

    ami【ami】⇒ amis【ami】[アミ] …友達

    【発音される語尾】

    ただし、語尾の子音字でも「c」、「f」、「l」、「r」の文字は基本的に発音されます。

    avec 【av ɛk】[アヴェク] …~と共に

    parc 【paʀk】 [パルク] …公園

    actif 【aktif】 [アクティフ] …活動している、活発な

    chef 【ʃɛf】[シェフ] …上司、長

    sel 【sɛl】[セル] …塩

    cher 【ʃɛʀ】[シェール] …貴重な、高価な

    mer 【mɛʀ】[メール] …海

    or 【oʀ】[オール] …金(ゴールド)

    フランスのレンガの壁の前に立つスーツを着た男性。

    hの発音ルール

    【hは発音しない】

    次に、フランス語では という文字は決して発音されません。つまり綴り上は という文字を含んでいても、フランス語には「ハ」行の音は存在しないということです。

    hôtel 【otɛl】[オテル] …ホテル

    homme 【ɔm】[オム] …人間、男

    histoire 【istwa: ʀ 】[イストワール] …物語、歴史

    母音に挟まれたs

    母音に挟まれた「s」の文字の発音は【s】ではなく【z】[ザ]行の音に変わります。

    【zの発音】

    maison 【mɛzõ】〔メゾン〕 …家

    française [f ʀɑ̃sɛz][フランセズ] …(形容詞)フランスの(女性形)

    japonaise [ʒapɔnɛz][ジャポネズ] …(形容詞)日本の(女性形)

    【sの発音】

    ただし「ss」のように「s」が二つ続く場合、母音に挟まれていても発音は【s】のままです。

    passer 【pɑse】〔パセ〕 …通る

    laisser 【lɛse】〔レセ〕 …残す、~のままにする

    リエゾン

    さて、フランス語には「リエゾン」という規則があります。

    「リエゾン」とは、上記のように発音しない子音で終わる単語のすぐ後に、母音で始まる単語が続くときに適用されます。

    別々の単語であっても「子音+母音」と連続して発音されるため、発音されなかった子音が復活するという仕組みです。

    【リエゾンの例】

    petit appartement 【pəti】+【apaʀtəmɑ̃】⇒【pətitapaʀtəmɑ̃】

    [プティ]+[アパルトマン]が[プティタパルトマン]となり、発音されなかった「」が復活します。

    また、リエゾンするとき語尾の「」は【t】、語尾の「」と「x」は【z】という発音に変わります。

    grand+appartement 【gʀɑ̃】+【apaʀtəmɑ̃】⇒【gʀɑ̃tapaʀtəmɑ̃】

    [グラン]+[アパルトマン]が[グランタパルトマン]となり、発音されなかった「」が【t】という音に変わって復活します。

    les appartements 【le】+【apaʀtəmɑ̃】⇒【lezapaʀtəmɑ̃】

    [レ]+[アパルトマン]が[レザパルトマン]となり、発音されなかった「」が【z】という音に変わって復活します。

    「フランス・セ・ラ・レントリ」と書かれた黒板の前に立つ女性。エリジオン

    最後は「エリジオン(母音字省略)」です。

    これは、母音の「a」「e」「i」で終わるいくつかの単語の後に、“母音字はまたは無音の「h」で始まる単語”が続く場合、(前の単語の)語尾の母音を省略するという規則です。

    母音を省略した後にはアポストロフ(‘)を付けます。

    例えば、「le +appartement」は「l’appartment 」という綴りになり、発音は【l apaʀtəmɑ̃】[ラパルトマン]となるというしくみです。

    【エリジオンをする例】

    je j’ … je + aij’ai

    mem’ … je me + appelle je m’appelle

    le l’ le arbre l’arbre

    la ⇒ l’ … la étoile l’étoile

    ne ⇒ n’  … je ne + ai je n’ai pas

    ce c’ ce + estc’est

    de d’  … de +or d’or

    sis’  … si + ils’il vous plaît   *si の後に il が続く場合のみエリジオンする

    que ⇒ qu’  … parce que + il parce qu’il fait beau.

    フランス語の綴りと発音の規則は他にもありますが、まずは基本的なものを頭に入れながら単語や文法を学び、そこから先は語彙や知識を増やしていく中で自然と身についてゆくでしょう。

    注:文中、カタカナの発音表記はあくまでも参考です。実際の発音はレッスンやCDなどで確認してください。

    使えるフランス語をカフェで習得
    何度でも聞ける1対1レッスンはコスパ最強
    【先生を選んで、無料体験する!】

    開く

    この記事を読んだ方はこんな記事も読んでいます