春のフランスを彩る野菜たち:マルシェで学ぶフランス語
萎びた人参に、芽が出かけのじゃがいも…冬の終わりの野菜たちは、ちょっとかわいそうな状態です。
そんな中、暖かくなりマルシェに春野菜が並ぶようになると、見た目にも華やかで楽しい気分にさせてくれますよね。
目次
マルシェで春野菜を購入
花子さんとマリーさんはマルシェに買い物に来ています。ずらりと並ぶ春野菜に花子さんはうきうき気分。
フランスには、いったいどんな春野菜があるのでしょうか?
会話
Hanako : Bonjour, je voudrais une botte de radis et de navet s’il vous plaît.
こんにちは、ラディッシュとカブを1束ずつください。
Maraîcher : En radis rond ou allongé ?
野菜の栽培者:丸いラディッシュ、それとも細長いの?
Hanako : Je prends plutôt allongé, et 500 grammes de petits pois aussi, s’il vous plaît.
細長い方をください。それとグリーンピースも500gお願いします。
Maraicher : Voilà, ça fait 6 euros.
はいどうぞ、6ユーロです。
Hanako : Tenez, merci, au revoir.
(6ユーロを渡しながら)はい、ありがとう、さようなら。
Marie : Tu n’achètes que les légumes de printemps aujourd’hui.
今日は春野菜ばっかり買うのね。
Hanako : Oui, après avoir mangé les légumes qui sont un peu germés ces derniers temps, ça me fait du bien d’avoir des couleurs à table !
ええ、ここのところ少し発芽した野菜ばかり食べていたから、テーブルの上がカラフルになるのって嬉しいわ。
Ah, regarde, il y a un vendeur d’asperge !
あら見て、アスパラガスを売っている人がいるわ。
Marie : Elles sont superbes ! C’est marqué «cueilli ce matin»! Je vais en acheter.
とても立派なアスパラガスね。「今朝の摘みたて」って書いてある!買わなくっちゃ。
Bonjour, je prends un kilo de gros calibre.
こんにちは。太いものを1キロください。
Hanako : Et moi, je voudrais une livre de pointes, s’il vous plait !
私は先っぽだけ500gください!
ポイント
Maraîcher
「Maraîcher」は野菜や果物などを販売目的に栽培している人のこと。
「marché 朝市」には自分たちで作った野菜を売りにくる「Maraîcher」が沢山います。
もちろん仲介業者から買ったものを販売しているお店も多いのですが、鮮度が良いのはもちろん「Maraîcher」の方ですね。
germé
「germer」は「発芽する」の意味の自動詞です。
春野菜が出てくる前の季節と言えば、冬の終わりから初春ですよね。この時期に「Maraîcher」から買える野菜といえば、その前の秋に取れた野菜がメインです。
つまり、芽のでてきた「oignon 玉ねぎ」や、瑞々しさの失われた「pomme de terre じゃがいも」など「germer」な野菜ばかりなんですね…
légumes de printemps : 春野菜
radis:ラディッシュ
春が訪れてすぐ、一番に登場する春野菜が「radis」です。
真っ赤でコロンとかわいい「radis rond」、白と赤のグラデージョンで細長い形をした「radis allongé」の2種類が並びます。
暗い色の多い、冬の終わりの「Maraîcher」の売り場を明るく彩り、気分まで明るくさせてくれそうです。
どちらも新鮮さの証明のような、瑞々しい葉っぱつきのまま、束になって売られています。
ですので買うときは「botte 束」の表現を使い「Une botte de radis, s’il vous plaît」ですね。
asperge:アスパラガス
フランスを代表する春野菜と言えば「asperge」ではないでしょうか。「asperge verte グリーンアスパラ」より「asperge blanche」の方が一般的なんですよ。
日本ほど高級食品扱いではないとは言え比較的高い部類に入る野菜ですが、太いものでもキロ当たり7ユーロ~程度と、日本に比べるとお得感がありますね。
「radis」と同じように「botte」で売られている場合と、「en vrac ばら売りで」売られている場合があります。
【おすすめの太さは?】
「asperge」は「calibre 直径」で値段が変わり、細い方が安く、太くなるほど高くなります。
特に「asperge blanche」は皮をむく必要があるので、細いものを買ってしまうと皮むき後は鉛筆みたいにひょろひょろ…なんてことになってしまいがち。
食べ応えの面からも、最低1.5~2cm程度の直径があるものを選ぶのがおすすめです。
そして「pointe」は「asperge」の一番美味しい穂先だけ集めたもの。捨てるところが少なく、皮むきも楽なので、フランス人はこの「pointe」があると、こぞって買っていきます。
「navet」は冬の間も大活躍する野菜ですが、春野菜では「navet nouveau 春カブ」として登場します。
冬のカブは繊維も多く «ス»入りでハズレなことも多いのですが、「navet nouveau」は皮も食べられるくらい柔らかく瑞々しいのが特徴です。
「radis」と同じように、収穫したては葉っぱつきで売られています。葉っぱなしの「en vrac」や葉っぱが黄色い場合は鮮度が落ちているので、選び方の目安にしてくださいね。
【葉っぱはどうする?】
ちなみにこの葉っぱ、フランス人は食べる人が少ないようで「Je coupe les feuilles ? 葉っぱを切り落としますか?」と聞かれることが良くあります。
大根菜と同じように料理していただけるので、お料理好きなら「Est-ce que je peux avoir d’autres feuilles aussi ? 他の葉っぱももらえますか?」と聞いてみてはいかがでしょうか。
他のフランス人がいらないって切り落としてもらったカブの葉っぱを、無料でもらえるかもしれませんよ。
petits pois:グリーンピース
こちらは本当なら夏野菜に分類されるのでしょうか…
日本より気温の低い北フランスでは「petits pois」の収穫は初夏。でも豆ご飯と言えば春の味!ですよね。
「Maraîcher」から購入した、新鮮な「petits pois」で作る豆ご飯の美味しさは格別なので、ぜひ一度お試しください。
ちなみに「petits pois」には複数形の「s」が付くのが標準形ですので、ご注意を!