フランスの税金④住民税

    1. フランス留学生活・費用

    フランスの税金④住民税

    消費税・所得税・テレビ税といったフランスの身近な税金シリーズ、最後の1つは住民税です。いったいどんな仕組みになっているのでしょうか。

    シャワーと税金の関係

    マリーさんはアパート水周りの工事のために配管工を探しているようです。それに対して花子さんがマリーさんにしたアドバイスとは…?

    会話

    Marie : Est-ce que tu connais un bon plombier ?

    良い配管工を知らないかしら?

    Hanako : Un bon plombier… Pourquoi ? Tu as une fuite d’eau ?

    良い配管工ねぇ…どうして?水漏れしたの?

    Marie : Non, ce n’est pas ça. Je voudrais faire installer une cabine de douche dans la buanderie.

    いいえ、違うわ。シャワーのキャビンを洗濯室の中に設置したいのよ。

    Maintenant que les enfants grandissent, avec une seule salle de bain, c’est la guerre tous les matins.

    子供たちが大きくなったから、たった1つのお風呂場だと毎朝が戦争のようなのよ。

    Hanako : Je comprends. Mais tu sais ? Tu devras payer plus de taxe d’habitation.

    わかるわ。でも知ってる?住民税を多く払わなければいけなくなるわよ。

    Marie : Ah bon ? Pourquoi ?

    えっ、そうなの?どうして?

    Hanako : Le montant de la taxe n’est pas déterminé seulement  par rapport à la superficie de l’appartement et au revenu.

    税金の額ってアパートの広さや収入だけでは決まらないの。

    Mais aussi au nombre de pièces d’eau, au confort, etc.

    お風呂場やトイレの数や快適さとかもね。

    Marie : Ah, non ! Je paie déjà suffisamment de taxe. Je ne veux pas payer plus !

    やだわ!もう税金は十分払っているもの。これ以上払いたくないわ!

    Hanako : Il me parait que la taxe d’habitation de cet arrondissement est assez élevée.

    この区の住民税って結構高いようだものね。

    Je te conseille d’aller consulter le centre d’impôt, avant l’installation de ta nouvelle douche. 

    新しいシャワーの設置前に、税務署に確認に行くことをおすすめするわ。

    ポイント

    plombier

    plombier」は「配管工」のこと。上水や下水、ガスなどの配管を専門にしています。

    万が一トイレが詰まったり、水漏れが起きたときのために、近所の「un bon plombier 優秀な配管工」の電話番号を事前にチェックしておくと心強いですね。

    とはいえ「bricolage 日曜大工」大国のフランスです。簡単なものなら、近所の人や友人が、ちょいっと治してくれる場合もありますよ。

    buanderie

    buanderie」は「洗濯室」、お風呂の脱衣所に洗濯機を置くのではなく、独立した1部屋になったものを指します。

    街中のアパートでは外に洗濯物を干せないことが多いので「buanderie」があると部屋干しにとても便利です。

    ちなみに洗濯機置き場ですが「buanderie」がない場合は「salle de bain お風呂場」か「cuisine キッチン」が一般的です。

    lave-vaisselle 食器洗浄機」の横に「machine à laver 洗濯機」があるのに違和感を覚えるのは、日本人だからでしょうか…

    フランスの住民税

    住民税

    フランスにある、本の上に電卓とペンが置かれた住宅模型。

    フランスの住民税は「Taxe d’habitation」と呼びます。

    • Taxe
    • Habitation 住居

    その年の住民税は、同年1月1日の居住地によって決定されます。

    1月2日に引越しをしたとしても、住民税はその年には1日しか住んでいなかった以前の住所に関するものを支払うシステムです。

    冬にフランスへ移動してきた場合、1月2日以降に入居したのなら、その年の住民税は支払わなくて良いということですね。

    【前住人からの請求に要注意】

    まれにアパートの以前の住人(1月1日に住んでいて、その後その年内に引越した人)が、住民税の月割りで負担しろと言ってくるケースがあるようです。

    自分はそのに○ヶ月しか住んでいないが、あなたは○ヶ月住んでいる、ということですね。

    住民税は住んでいた日数で決まらず、1月1日にどこに住んでいたかで決まるもの。1月2日以降に引っ越した場合は支払い義務はありませんよ。

    住民税の申告

    フランスへ移住してきた場合や親世帯から離れ独立した1年目は、所得税と同じように「Centre d’impôt 税務署」へ申告へ足を運ぶ必要があります。

    2年目からは所得税の申告をすれば自動的に住民税も計算され、納税額のお知らせがやってきます。

    住民税の額

    フランスで床に座って設計図を見ている男性と女性。

    住民税は住居の広さにトイレやお風呂の数、アパートなら階数なども考慮され決定されます。

    基本的には賃貸した場合、どの程度の価値が付くかで金額が決まるようです。つまり便利で快適な住居には高い住民税が加算されるというわけです。

    その金額に対して、収入や扶養家族の数などで減額や免税があるので、実際にいくら払うかはシチュエーションによって様々です。

    収入が少なく所得税の納税義務を免除されている場合は免税になるケースが多いのですが、それにも細かい条件があるので、一概に言えないのが残念。

    【所得の申告は必須!】

    留学などで「収入がないから払わなくていい筈だし」と所得の申告をしないでいると「免税対象ではないので住民税を払ってください」といわれることもあるようです。

    フランスに長期滞在するなら、収入の有無に関わらず所得の申告をする必要があることを忘れないでくださいね。

    *2017年8月の情報です。ほとんどの住民税は2023年度より廃止になっています。

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