フランスにも居る単身赴任者

    1. フランス語会話・勉強

    フランスにも居る単身赴任者

    「単身赴任」は日本ではポピュラーな言葉ですが、フランスではあまり耳にすることがありません。

    今回は日本では良くあり、フランスでは殆ど無い。そんな単身赴任をなんと言うのか見てみましょう。

    週末は引越しの手伝い

    会話

    今日の花子さんは、マリーさんに週末のお誘いの電話をかけています。

    ところがマリーさんはなにやら急がしい模様。マリーさんの週末の予定はいったいなんでしょうか?

    Hanako : Si tu n’as rien de prévu ce week-end, tu veux venir avec moi au concert?

    もし今週予定が無ければ、コンサートに一緒に行かない?

    On  m’a donné deux tickets, mais mon mari n’aime pas ce musicien.

    チケットを2枚もらったのだけど、夫はこのミュージシャンに興味が無いのよ。

    Marie : J’aimerais bien venir, mais malheureusement je ne peux pas.

    行きたいけど、運が悪いことに無理だわ。

    Mon cousin a trouvé un poste à Paris, et je lui ai promis de l’aider pour le déménagement ce week-end.

    いとこがパリに仕事を見つけてね。今週末は引越しを手伝うって約束しちゃったのよ。

    Hanako : Ok, tant pis. Mais il n’a pas demander à un déménageur ?

    Ok、仕方が無いわ。でも彼、引越し業者に頼まなかったの?

    Marie : En fait, non.

    そうなのよ。

    Il a trouvé un petit pied-à-terre meublé, du coup, il n’y a pas beaucoup de chose à  emménager.

    家具付きの小さな単身者用アパートを見つけてね。それほど持ってくるものが多くないの。

    Hanako : Ah oui ? Sa famille ne vient pas s’installer à Paris avec lui ?

    家族は彼と一緒にパリに来ないの?

    Marie : Pour le moment, non. Il est célibataire géographique.

    今のところはね。単身赴任よ。

    Sa femme le rejoindra quand elle trouvera aussi un poste à Paris.

    彼の奥さんは、パリで仕事が見つかったら合流するんだって。

    ポイント

    On m’a donné ~

    フランスの青い木の背景にギフトボックスを持つ2人の手。

    donnerdonné)」は「与える・贈る」、「on」はここでは「特定でない誰か」を指す3人称単数の表現です。

    つまり「On m’a donné ~」は「誰かが私に~を与えた」になりますが「~を貰った」と訳すほうが自然ですね。

    気をつけたいのが、日本語で「私は貰った」と言うと主語は「私=貰い主」ですが、フランス語では「on=贈り主」が主語になっていることです。

    受動態で「j’ai été donné B par A. AからBを貰った」と文法的には言えなくもありません。しかし、フランス人にはとても違和感を感じる表現なので、使わないようにしましょう。

    他にフランス語で「貰う」という表現には受け取り主を主語にする「recevoir」や「accepter」があります。

    un poste

    男性名詞の「poste」には仕事等の「地位・ポスト」の意味があります。もう一つの意味はテレビ等の受信機を指します。

    女性名詞の「poste」は「郵便」の事なので冠詞を間違えないよう注意しましょう。

    フランスの単身赴任

    単身赴任

    célibataire géographique

    • célibataire 独身
    • géographique 地理の

    フランスでは単身赴任をしている人を「célibataire géographique」と呼びます。

    家族との時間を大切にするフランス人には、単身赴任する人はあまり居ません。

    共働きが基本ではありますが、どちらかが仕事をやめて付いていく、もしくは転勤希望を出し、家族が共に暮らせるように努力をします。

    公務員やフランス全土に支社がある会社の場合ですが、夫婦が一緒に暮らすために転勤希望を出した場合、希望が通る優先順位が高くなるんですよ。

    単身赴任をしなくてはいけないような転勤の場合、昇進が伴っても断るという選択をする人も少なくないようです。

    フランスのデザインでトラックが描かれた箱を持つ男性。

    単身赴任先の住居

    pied-à-terre

    • pied 
    • terre 字面

    pied-à-terre」は直訳だと「地面に足を付く」となりますが、これは本来の住居が別にある場合の「仮住まい」を意味します。

    本文では「単身者用アパート」と訳しましたが、必ずしも小さいアパートを意味するわけではありません。

    お金持ちなら広くて豪華な「pied-à-terre」というのもあり得るわけです。

    家具付き・家具なし

    meublé

    Meublé」は「家具付きの」という意味の形容詞。「家具なしの」は「non meublévide(空の)」と表現されます。

    家具や家電をそろえなくていいので、単身赴任や学生などに「appartement meublé 家具付きアパート」は人気があります。

    賃貸契約を解約したいときにも1ヶ月前に予告すればOK(non meublé の場合は3ヶ月前)、移動が多い人にはありがたい仕組みですね。

    特に留学などで、実際に物件を見ずにアパート探しをするなら「meublénon meublé」はしっかりチェックしましょう。

    まちがって「non meublé」を借りてしまうと、ガラーンとしたアパートで初日から途方にくれる羽目になってしまいますよ。

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