フランスの秋の味②栗

    1. フランス食べ物

    フランスの秋冬の風物詩ともいえるのが「marrons chauds 焼き栗」のお店です。香ばしい香りに引かれて、お腹がすいてしまいますよね。

    そんな「marron」ですが、実は食用の栗ではないってご存知ですか?

    パリで栗拾い?

    今日の花子さんとマリーさんは、秋の街を散策中。ふと足元を見ると落ちていたものは…?

    会話

    Hanako : Ah, il y a plein de marrons par terre.

    あ、マロンがたくさん地面に落ちているわ。

    Tu peux m’attendre un peu ? Je voudrais les ramasser.

    ちょっと待っていてくれる?マロンを拾いたいわ。

    Marie : Je peux t’attendre, mais qu’est-ce que tu fais avec ces marrons ?

    待つのはいいけど、マロンで何をするの?

    Hanako : Bien sûr que je les cuisine!

    もちろん料理するのよ!

    Marie : Attends un peu, je crois que tu confonds les marrons avec les châtaignes.

    ちょっと待って。あなたマロンとシャテーニュを混同しているでしょう。

    Ces marrons ne sont pas comestibles. Les marrons qu’on mange, ce sont les châtaignes.

    このマロンは食べられないわよ。私たちが食べているマロンは、シャテーニュよ。

    Hanako : Ah bon ? Mais on mange des marrons, n’est ce pas ?

    え、そうなの?でもマロンを食べているわよね?

    Les marrons chauds, le marron glacé,  la crème de marron, etc. 

    焼き栗にマロングラッセ、マロンクリームとか。

    Marie : Oui, tu as raison.

    ええ、その通りよ。

    Cependant, les marrons qu’il s’agit ne sont pas des marrons, mais la châtaigne qui est le fruit du châtaignier .

    でもね、それらのマロンはマロンじゃないの。シャテーニュというシャテニエ(栗の木)の実なのよ。

    ポイント

    par terre

    par terre」は「地面に」という意味です。公園にはクルミやノワゼットの木が植わっていることもあり、秋になると拾い集めているフランス人をよく見かけます。

    confondre A avec B

    confondre」は「混同する・間違える」という意味。「AとBを間違える」は「avec」を使い「confondre A avec B」と表現します。

    マロンとシャテーニュ

    栗が地面に落ち、中に実が入っている様子は、フランスの秋を思い出させます。

    マロン

    フランス語で「栗」といいたいとき、まず思い浮かべる単語は「marron マロン」ではないでしょうか。

    marron glacé マロングラッセ」や「crème de marron マロンクリーム」など、お菓子の名前でおなじみですよね。

    パリの街路樹に良く使われている「marronnier マロニエ」をマロンの木、つまり栗の木と思っている人も多いのでは?

    日本の秋には銀杏拾いをしたりしますが、パリでは栗拾いができるのか…なんてうらやましく思ってしまいますよね。

    とことがこの「marronnier」ですが正式には「marronnier d’inde」といい、実は栗の木ではなく「トチの木」のこと。

    この木から採れる「marrond’inde)」は有毒で、食用ではなかったんです!拾っても食べられないのが残念…。

    シャテーニュ

    では食べられる「栗」はフランス語でなんというのかというと「châtaigne」です。そして「châtaigne」が採れる木は「châtaignier」と呼びます。

    栗というとマロンという呼び方のほうが馴染みがあるので、変な感じがしてしまいますね。

    森の木のベンチに座っているフランス栗。

    マロンと呼ばれるシャテーニュ

    「栗=châtaigne」が基本ですが、紛らわしいことに「châtaigne」を「marron」と呼ぶことも多々あります。

    どんな場合に「châtaigne」なのに「marron」の呼び名が使われるかというと、大きく立派な「châtaigne」のことを「marron」と呼ぶようです。

    marron glacé」などが当てはまります。

    もう1つは栗の加工品の場合です。小ぶりな「châtaigne」を加工した「crème de marron」などがそうですね。

    生の栗の場合で「marron」とあれば大きい栗、「châtaigne」とあれば小さい栗の場合が多いようです。

    どれも「marron」と呼ばれてもあくまで「châtaigne」です。「marronnier」から採れる実ではないので、間違えないように気を付けたいですね。

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