フランスの台ふきんとキッチンスポンジ

  1. フランス語会話・勉強

日本人にはあって当たり前でもフランスにはないもの、それは台ふきん。今回はフランス人が台ふきんなしでどうやって生活しているのかを覗いてみましょう。

テーブルを拭くもの

今日の花子さんとマリーさんは、花子さんの自宅でランチを楽しんでいたようです。

会話

Marie : Merci Hanako, c’était bien bon.

ごちそうさまでした、花子。とても美味しかったわ。

Hanako : Merci. Bon, je débarrasse la table.

ありがとう。さて、テーブルの上を片付けるわね。

Marie : Passe-moi l’éponge pour la table, s’il te plaît.

テーブル用のスポンジを渡してちょうだい。

Hanako : Tiens.

はい。

Marie : C’est un torchon… Je peux nettoyer la table avec ça ?

これふきんよね…これでテーブルを拭いてもいいの?

Hanako : Oui, s’il te plaît.

ええ、お願い。

Je n’aime pas utiliser une éponge pour nettoyer la table.

テーブルを拭くのにスポンジを使うのは好きじゃないの。

Marie : Ok, c’est un peu bizarre pour moi, mais pas de problème.

OK、私にはちょっと変に感じるけど、わかったわ。

ポイント 

débarrasser la table

débarrasser」は「かたずける」、「table」は「テーブル」ですね。

débarrasser la table」は「テーブル自体をどこかにかたずける」という意味でも使われますが、「テーブルの上にあるものを片付ける」という意味でも使われます。

全く同じ表現なので、使われる状況を見て判断が必要です。文中の花子さんのセリフ「 je débarrasse la table」は食後で食器がテーブルの上にある状態なので、テーブル自体ではなく、テーブルの上をかたずける、と判断できますね。

éponge

éponge」は「スポンジ」のこと。スポンジというとキッチンで使うものなどふわっとした素材のものを思い浮かべますが、金属たわしもフランスでは「éponge」の仲間。「éponge métallique」と呼びます。

また「éponge」は「タオル地」のことも意味します。「タオル地の〇〇」は「robe en éponge タオル地のワンピース」のように「en éponge」と表現します。

torchon

torchon」は「ふきん・雑巾」のこと。食器拭きの布も「torchon」と呼びます。

日本の台拭きにあたるのがこの「torchon」ですが、フランス語では雑巾と同じ単語というのは何となくショックですね。

nettoyer la table

日本語ではテーブルを「拭く」といいますが、フランス語では同じ動作を「essuyer 拭く」ではなく「nettoyer きれいにする」で表現します。

essuyer la table」と言ってしまうと、全体をきれいに拭くのではなく、濡れている部分を拭き取る、というニュアンスになります。

皿とスポンジで飾られたフランスのキッチンのカウンター。

フランスの台拭きはキッチンスポンジ

フランス人家庭のキッチンで目にしないものといえば、なんと台ふきん!では何でキッチンやテーブルを拭くのかというとキッチンスポンジを使用するのです。

しかも食器洗いやガスコンロの周りを掃除するのと同じスポンジでテーブルを拭く家庭も少なくありません。初めてフランス人家庭にお邪魔したときには、ぎょっとしてしまうかもしれませんね。

もちろん食器洗い用とは別に、台ふきんとして使うスポンジを別に用意している家庭もあり、食器用・シンク用・テーブル用・コンロ用としっかり用途別に使い分けている人もいます。

スポンジにももちろん長所はあります。

ふきんと違い片手で簡単に洗えて絞るのも楽なので、日本人でもフランス滞在が長い人にはスポンジに乗り換える人もいるようですよ(ちょうどいい台ふきんが手に入らないという背景もありますが)。

フランスにある、積み重なったスポンジの山。

フランスのキッチンにある台ふきん的なもの

フランス人のキッチンにお邪魔すると、台ふきん的なものを目にすることがあります。

それは「carré éponge」と呼ばれるもの。「carré 正方形」の名の通り、正方形をした薄いスポンジで、日本人の目には台拭きにちょうど良さそうに見えます。

ところがフランス人的「carré éponge」の使い方は食器の水切りで、洗った食器をその上に直接置いたり、水切り籠の下に敷いたりして使います。

フランスのキッチンにはシンクの横に水切りスペースがないことも多く、そんなキッチンで活躍するスポンジなのです。

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