フランスで美容院に行くとき、上手にイメージを伝えられるか心配ですよね。上手に希望を伝えられないと、イメージと大きく異なる髪型になってしまうことも!
フランス語で美容院用語をいくつか覚えておけば、きっと気に入る髪形にしてもらえますよ。
フランスの美容院で失敗しない!必須のフランス語フレーズと美容用語
目次
美容院で役立つフランス語
まずはフランスで美容院へ行く時に行くときに役立つ、基本的な単語や髪形に関する単語をご紹介します。
美容院に関するフランス語
フランス語で「美容師」は「coiffeur/se」、「髪形」は「coiffure」といいます。「coiffeur」と「coiffure」、綴りも発音も(日本人にとっては)似ているので、言い間違い・聞き間違いに注意が必要です。
J’ai enfin trouvé mon coiffeur idéal!
やっと理想の美容師に出会えた!
Ça te va très bien ta nouvelle coiffure.
新しい髪形、君にとても似合っているよ。
「美容院」は「coiffure 髪型」を使って「salon de coiffure」、もしくは「coiffeur 美容師 」を使って「chez le coiffeur」といいます。
J’ai un rendez-vous chez le coiffeur demain.
明日、美容院の予約があるんだ。
Est-ce que tu connais un bon salon de coiffure?
どこか良い美容院を知らない?
カットやシャンプーなど基本のフランス語
【美容院のメニュー】
- la coupe カット
- le shampooing シャンプー
- la permanente パーマ
- le lissage ストレートパーマ
- la couleur カラー
- le coiffage セット
普通は「coupe」をお願いすると「Shampooing-Coupe-Coiffage」のように、セットになって付いて来るのは日本と同じです。
男性・女性で値段が違うのも日本と同じですが、フランスでは女性の「coupe」は、髪の毛の長さで値段設定が違う場合があります。
パーマやカラーなら使う薬剤の量が違うので、長い髪が高くなるのは理解できるのですが…。「coupe」もロングヘアだと高いこともあるため、あらかじめ料金表をチェックしておきましょう!
【髪を切る】
「髪を切る」をフランス語でいうと「se faire couper les cheveux」です。「se faire +不定詞」で「(自分に)~をさせる」なので、「自分の髪を切ってもらう」という表現ですね。
つい日本語風に「je coupe mes cheveux」と言いたくなりますが、これだと「自分で自分の髪を切る」の意味になるので注意です。
Je voudrais me faire couper les cheveux.
髪を切りたいです(切ってもらいたいです)。
Je me suis fait couper les cheveux.
髪を切った(切ってもらった)。
髪の毛に関するフランス語
「髪の毛」はフランス語で「cheveu」。ただし単数形の「cheveu」だと「一本の髪の毛」の意味になるため、髪の毛全体を指すときは「cheveux」と複数形を使います。上記で登場している例文も「cheveux」と複数形になっていますね。
J’ai trouvé un cheveu blanc.
白髪を一本見つけた。
Je voudrais attacher mes cheveux.
髪を結びたい。
【髪の長さに関するフランス語】
- cheveux courts 短い髪(ショートヘア)
- cheveux medium 中間の髪(ミディアムヘア)
- cheveux longs 長い髪(ロングヘア)
「cheveux medium」の「medium」はフランス語ではなく英語ですが、フランスでもミディアムヘアを指すときに使われる単語です。フランス語には「medium」とよく似た「médium」という単語がありますが、こちらは霊媒という意味。「e」と「é」の間違いには要注意ですね。
「cheveux medium」の代わりに「mi- 半分の、半ばの」を使い、「cheveux mi-courts」「cheveux mi-longues」ともいいます。
【髪の色に関するフランス語】
- cheveux blonds 金髪
- cheveux châtains 栗色の髪
- cheveux bruns こげ茶色の髪
- cheveux noirs 黒髪
- cheveux gris グレーの髪
- cheveux blancs 白髪
上記の色をもう少し細かく表現したい時は、「clair 明るい、薄い」や「foncé 濃い、暗い」等の単語をプラスしましょう。
Elle a les cheveux blonds très clairs.
彼女はとても(色が)薄い金髪だ。
Je voudrais avoir les cheveux un peu plus foncés.
もう少し暗い髪の色にしたい。
私たち日本人は自分の髪を黒、つまり「cheveux noirs」だと思っていますよね。ところが日本人の黒髪は、フランス語では「cheveux bruns」と表現されることがほとんど。もしくは「cheveux bruns foncé 濃いこげ茶色の髪」と表現されます。
フランス人にとって「cheveux noirs」は、黒染めしたような黒髪、黒光りするような黒髪を指すようです。
【髪質に関するフランス語】
- cheveux frisés 巻き毛
- cheveux ondulés ウエーブした髪
- cheveux bouclés カールした髪
- cheveux raides かたい髪
- cheveux fins 細い髪
- cheveux lisses 滑らかな髪
「cheveux frisés」は巻き毛の中でも、細かく波打っていたり、縮れているイメージです。「cheveux ondulés」は緩やかに波打っているイメージ、「cheveux bouclés」は小さい子供のふわふわの巻き毛から、大仏パーマのような巻き毛まで幅広いイメージがあります。
そして「cheveux raides」は日本人の髪質に対してよく使われる表現です。日本人にとっては特にかたい髪でない場合でも、フランスに多い猫毛のような「cheveux fins」と比べると、しっかりとしているからでしょう。
そして「cheveux raides」には「真っ直ぐな髪」という意味もあります。「cheveux fins」に悩んでいるフランス人にとっては「cheveux raides」は羨ましく見えるもの。「cheveux raides」と言っても、「剛毛だね」と貶しめているわけではないので、気を悪くしないでくださいね。
J’ai envie d’avoir les cheveux raides comme toi, j’en ai marre de mes cheveux bouclés et fins!
あなたみたいな真っ直ぐでしっかりした髪になりたいわ。細くてくるくるな私の髪にはうんざりよ!
好みの髪型になるためのフランス語
フランス人は髪にボリュームがないことに悩んでいることが多いため、髪を減らしたい、ふわっと空気感のある髪形にしたい日本人にとって、なりたいイメージを上手に伝えるのは至難の業。
何も言わないと、シルエットは同じでも表面に段カットを入れられてしまい、なんだかイメージが違う仕上がりになる可能性もあります。
【段カット】
フランス語で段カットは「dégradé」。「徐々に薄くする」という意味です。ただしこの「dégradé」は、内側でなく表面を段々にカットする手法です。
日本では段カットといっても、表面が段々になるようにはしないですよね。そのため、日本の美容師さんにお願いする感覚で「dégradé」とお願いしてしまうと、昔の髪型のようになってしまい、悲しい思いをすることでしょう。
【髪をすく】
日本で髪の毛のボリュームを減らしたり、ふわっとした印象にしたい時は「髪をすく」ことが多いですよね。そんな時は「désépaissir」とお願いしてみましょう。「dégradé」とお願いするよりはイメージに近づける可能性が高くなります。
「désépaissir」は「薄くする」という意味。ボリュームを減らしたい場合に使ってください。
Je voudrais désépaissir, mais pas le coup dégradé, s’il vous plaît.
髪をすいてください。でも段カットにはしないでください。
他にもこんな表現を覚えておくと、日本人が好むふわっとした髪型に近づけるでしょう。
Je voudrais une coupe aérée.
空気感のあるカットにしてください。
Je voudrais de la légèreté.
軽さが欲しいです。
Je voudrais que les pointes de cheveux soient fines.
髪の先が細くなるようにしてください。
Je ne veux pas que ce soit droit.
真っ直ぐなのは嫌です。
このようにお願いしても、髪をすく・ふわっとさせるという概念がないフランスの美容師さんには、上手に伝わらないことも多いです。
そもそもフランス人と日本人は髪形の需要が違うため、美容師さんのもっているテクニックも違います。希望通りにならないことも多いですが、フランス語能力のせいではないことが殆どなので、自分を責めないようにしましょう!
写真を使ったオーダーのコツ
フランスの美容院に限ったことではありませんが、髪型のイメージ写真を持っていくと、美容師さんとの意思の疎通がスムーズです。特にフランス語でのやり取りとなると、フランス語上級者でも思い通りのイメージを伝えられるとは限りません。
写真を見せながら「un peu plus long もうちょっと長く」や「comme ça, mais moins dégradé こんな感じ、でももう少し段を少なく」など。
そしてすでにお伝えしましたが、表面段々の段カットにしたい場合以外は、「dégradé」は嫌だ!としつこいくらい伝えるのが重要です。そうしないとシルエットは同じだけど、全体的には全く印象の違う髪形になってしまいますよ。
予約やキャンセルに関するフランス語表現
美容院の予約方法
美容院の予約には「prendre un rendez-vous 予約を取る」という表現を使います。レストランなどを予約するときに使う「reserver」ではないので注意しましょう。
Vous : Je voudrais prendre un rendez- vous, s’il vous plaît.
あなた:予約をお願いします。
Coiffeur : Oui, c’est pour quand?
美容師:はい、いつをご希望ですか?
Vous : La semaine prochaine, si c’est possible.
可能なら来週がいいのですが。
Coiffeur : Vous voulez une coupe?
カットでしょうか?
Vous : Oui, une coupe et une couleur.
はい、カットとカラーをお願いします。
Coiffeur : Alors, mardi prochain, à dix heures, ça vous va?
それでは、来週の火曜日、10時でいかがですか?
Vous : Oui, merci. A mardi.
大丈夫です、ありがとう。(ではまた)火曜日に。
「coup」だけでなく、「permanente」や「couleur」もお願いしたい場合は、予約時に必ず伝えるようにしましょう。当日に伝えても、時間が取れないと断られてしまう可能性もあります。
予約のキャンセル方法
どうしても予約をキャンセルしなければいけないこともありますよね。そんな時は必ず連絡するようにしましょう。キャンセルには「annuler」を使います。
Je voudrais annuler mon rendez-vous.
予約をキャンセルしたいのですが。
C’est pour mercredi vingt à treize heures.
20日の水曜日、13時から(の予約)です。
「venir (相手のところへ)行く」を使ってキャンセルを伝えることもできます。
Je suis désolé, je ne peux pas venir aujourd’hui.
すみません、今日、行くことができません。
Je suis tombé malade.
病気になりました。
前日や当日にキャンセルするなら、理由も伝えた方がいいでしょう。「tomber malade 病気になる」は日本語だと大げさに感じますが、フランス語だと体調不良のような軽いニュアンスでも使われる表現です。
もう一つ、フランスらしいキャンセルの理由も伝えられるように覚えておきましょう。
Il n’y a pas de métro / bus / transport pour venir.
行くためのメトロ / バス/ 交通手段がありません。
フランスは「grève ストライキ」や「manifestation デモ」の多い国です。そのため、美容院に行きたくても、公共交通機関が止まってしまい行けないこともあります。
「grève」や「manifestation」が行われている日は、自分は問題なくても美容師さんがお店に来れないということも!そんな場合、通常はお店から連絡が入りますが、不安なら当日の朝に電話で問い合わせてもよいでしょう。
ところで「美容院に行く」なのに何で「venir」を使うの?と思った方には、こちらの記事がおすすめです。
さて、キャンセル時に代わりの予約をお願いしておくと、再度電話する手間が省けますね。
Est- ce que je peux déplacer mon rendez-vous à un autre jour?
他の日に予約を変更できますか?
Je voudrais prendre un autre rendez-vous.
違う予約を取りたいのですが。
フランスの美容院文化と日本の違い
フランスと日本の美容院にはいろいろな違いがあります。知らないとびっくりするだけでなく、この美容院や美容師は最低!など嫌な気持ちになってしまうことも。文化の違いを知っておくと、嫌な気持ちにならずフランスの美容院に行くことができますよ。
きめ細かいサービスがない
フランスの美容院では、自分のコートやカバンをお店の人が預かるのではなく、自分で棚に掛けておいてね~と言われることがあります。
外したピアスやアクセサリーを置いておくトレーなどもありませんし、カットの椅子に移動した時にひざ掛けやクッションを渡されることもありません。もちろんお支払いの後に玄関ドアを開けてくれたり、ドアから出てお見送りしてくれることもありません。
日本のきめ細かいサービスに慣れていると、蔑ろにされている気分になってしまうかもしれませんが、フランスでは普通のこと。日本と比べて気分を害さないようにしましょう。
シャンプーが雑
日本の美容院のシャンプーは丁寧で、ヘッドマッサージの心地良さもセットになっていますよね。美容院はシャンプーも楽しみ、という方も多いのではないでしょうか。
ところがフランスのシャンプーは短くて雑。寝っ転がるのではなく首だけ後ろに倒すので、首も痛い。顔に布を置いてくれないので泡や水が飛んでくる。まさに三重苦!日本の気持ちの良いシャンプーは期待しないようにしましょう。
ハサミでなくバリカンでカット
ハサミではなく全てバリカンでカットする美容師が多いのも、フランスの特徴です。もちろん丸刈りにするときの話ではありません。
日本人は繊細にハサミを使う美容師に慣れているので、フランスでバリカンを使ってカットされると、雑で適当に扱われているようで、嫌な気分になってしまうかもしれませんね。
バリカンでも上手にカットしてくれる美容師さんもいるので、バリカンを使うかだけで良し悪しを判断しないようにしましょう。
美容院後に外出できない
美容院に行って素敵な髪型になったら、そのまま家に帰るのはもったいないと思いませんか?美容院の後に人と会う約束を入れることもあるでしょう。
ところがフランスの美容院帰りに、何か予定を入れるのはおすすめしません。その理由はカットした髪が顔や服に大量についているから!
日本の美容院なら、カットした後にも軽く洗い流してくれますし、最後は丁寧に髪を払ってくれますよね。そのため、顔や服に髪の毛が大量についていることはありません。
フランスではカット後に洗い流すことはしませんし、髪を払うのも適当です。ある程度はきれいに払ってくれたとしても、洗い流していないため、お店を出た後に髪がパラパラと落ちてきてしまいす。
美容院帰りなのに、顔や首に張り付く髪のせいで薄汚く見えてしまう…。それがフランスの美容院なのです。
まとめ
フランスで美容院に行くときに役立つフランス語と、フランスの美容院文化をご紹介しました。日本とは違うことが多く、言葉の違い以上に、感覚や美意識の違いが高い壁となって立ちはだかることもありますが…。
フランス人の美容師は当然フランス的な美意識を持っています。日本的ではなくフランス的なおしゃれな髪型に興味がある人は、ぜひフランスの美容院にチャレンジしてみてくださいね。
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