フランスのSAKEと日本酒

    1. フランス語講座

    日本のお酒といえば日本酒。フランスでもお寿司の流行と共に「saké」の名前で知名度も上がっています。

    今回はそんな日本酒とフランスの「saké」について覗いてみましょう。

    SAKEと日本酒は別物

    美味しい日本酒を入手した花子さん、マリーさんに一緒に飲もうとお誘いしているようです。

    会話

    Hanako: Ma famille m’a envoyé une bonne bouteille de saké. 

    家族が美味しい日本酒を一本送ってくれたの。

    Tu viens le goûter ce week-end, si tu veux. 

    週末に飲みに来ない?

    Marie: Merci, c’est gentil de m’inviter.

    ありがとう。お誘い嬉しいわ。

    Mais je n’aime pas trop l’alcool très fort, je suis désolée.

    でも、とても強いアルコールってあまり好きではないの。ごめんなさいね。

    Hanako: Le saké n’est pas un alcool fort. Tu confonds peut-être avec le saké au restaurant de sushis chinois.

    日本酒は強いアルコールじゃないわよ。中国人経営のお寿司屋さんのサケと混同してるんじゃないかしら。

    Marie: Ça se peut. C’était servi à la fin de repas.

    そうかもね。食事の後に出されたのよ。

    Hanako: Dans une petite tasse au fond de laquelle il y a un dessin un peu érotique? 

    底にちょっとエッチな絵が描いてある小さなカップで出されたのでしょう?

    Marie: Exactement. 

    その通り。

    Hanako: Ok, j’ai  compris. Donc le saké que tu connais n’est pas la même chose que le mien.

    OK、分かったわ。やっぱり、あなたが知っているサケは、私のとは違う物よ。

    Viens le goûter. Tu verras la différence! 

    飲みに来て。違いが分かるから!

    ポイント

    c’est gentil de m’inviter

    c’est gentil de m’inviter」は直訳すると「私を招待してくれるのは親切です」となりますが、違和感のある日本語になってしまいますよね。

    文中では「お誘い嬉しいわ」と訳していますが「親切が嬉しい、ありがとう」というニュアンスです。

    お礼を言う時は「Merci ありがとう」だけでももちろん良いのですが、後に「c’est gentil 親切です」「c’est gentil de ~ ~するのは親切です」を付けるとそこから会話も弾みやすくなりますので覚えておくと便利な表現です。

    日本酒のボトルの前に女性が描かれており、日本文化とフランスの要素の融合を表しています。

    フランス人にとってのSAKE

    フランスでも日本語の「酒」は「saké」、日本語のままで通じる単語です。そう聞くと、フランスでも日本酒が浸透しているのかな、と思ってしまいませんか?ところが多くのフランス人にとっての 「saké」は日本酒ではありません。

    フランス人にとっての「saké」は文中にもあるように、*中国人経営の寿司屋で食事の最後にサービスされる「alcool du riz 米の酒」と呼ばれるもの。

    米の酒=日本酒と思ってしまいますが、この「alcool du riz」は原料が米でも日本酒のように醸造酒ではなく蒸留酒のため、ウイスキーなどと同様にアルコール度数が強いものです。

    例えば同じブドウを原料にしていてもワインとコニャックでは全く違うお酒であるのと同様、日本酒と「saké」も全くの別物なのです。

    日本式の寿司屋よりも中国系寿司屋の方がフランスに浸透しているため、「saké」=日本の酒=日本酒と思っているフランス人は多いようです。

    *寿司と焼き鳥が食べられるレストランのこと。中国人経営でないこともありますが、フランスではアジア=中国と括ってしまうことがあります。

    フランスの白い皿に箸が付いた日本の寿司。

    フランスにおける日本酒

    フランスでは寿司の流行とともに「saké」=日本酒と認識する層も増えてきています。

    例えばフランスの有名シェフがプロデュースした寿司のチェーン店では、日本酒が「saké」として販売されています。

    一般のスーパーなどでも寿司コーナーを作ったり日本食材を扱うお店は増えていて、お寿司の横で日本酒の小瓶が売られているのを目にするようになりました。

    パリでは2017年から日本酒コンクールも開催されていて、フランス人の味覚に合う日本酒を広めるための活動も行われています。

    フランスで作られている日本酒

    長い間、日本酒といえば当然日本産で日本食材店で購入するか、日本から送ってもらうしか入手することができませんでした。

    ところがフランスでも日本酒が造られており、日本酒は輸入するものという概念が変わりつつあります。

    ワインボトルに詰められて日本酒というよりワインのような外観で、日本料理に合わせるというより、フランス人にも受け入れられやすい味わいのものが多いようです(日本の日本酒は苦手というフランス人は多い)。

    まとめ

    saké」=日本酒と理解してくれるフランス人も増えてはいますが、「saké」=「alcool du riz」というフランス人の方が圧倒的多数です。

    そのため「saké」は苦手という人も多いので、フランス人に日本酒を薦めるときは、まず日本酒とは何かから説明すると良いかもしれません。

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