フランスの子供の夏休みの過ごし方

  1. フランス語会話・勉強

共働きがメインのフランスでは、夏休み中の子供たちをどうするのかは重要問題。子供の夏休み中でも親が安心して働けるように、きちんとシステムが整っているのです。

今回はフランスの夏休み中に子供たちがどの様に過ごしているかを覗いてみましょう。

夏休みの計画

夏休み前のある日、花子さんはマリーさんに夏休みの予定を聞いているようです。

会話

Hanako : Quand tu prends tes vacances d’été ?

夏のバカンスはいつ取るの?

Marie : Trois semaines en août.

8月に3週間とるわ。

Hanako : Comment tu fais pour tes enfants en dehors de tes vacances ?

あなたのバカンス中以外は、子供たちをどうするの?

Il y a quelqu’un qui peux les garder ?

誰か面倒を見れる人がいるのかしら?

Marie : Ils vont au centre de loisirs en juillet, ensuite au colonie de vacances.

子供たちは7月はソントル・ド・ロワジールに行って、その後はコロニー・ド・バカンスに行くわ。

Après avoir passé les vacances en famille, ils vont chez ses grands-parents pendant une semaine.

家族でバカンスを過ごしてから、おじいちゃんとおばあちゃんの家に1週間行くのよ。

Hanako : Tu t’es déjà bien organisé. Ils peuvent passer de bonnes vacances !

もうしっかり準備してあるのね。彼らは素敵なバカンスを過ごせそうね!

フランスでベンチに座って笑う子供たちのグループ。

夏休みの過ごし方

フランスの学校の夏休みは約2か月と長いもの。子供の夏休みは長くとも、働く大人は子供に合わせて2か月も夏休みを取ることはできません。

共働きが多いフランスでは、夏休み中に家に子供だけというシチュエーションを避けるため、様々受け皿が用意されています。

centre de loisirs

  • centre センター
  • loisirs レジャー

centre de loisirs」とは学校がお休みの時に子供を預けられる公共の仕組みのこと。 長期休暇や学校がお休みの水曜日に、親が面倒を見れない子供たちを受け入れてくれます。

主に学校の施設を使って受け入れをしますが、そこで行われるのは勉強ではなく「loisirs」の名の通りに様々なアクテビティが準備されています。

学校内で行うアクテビティだけでなく、ピクニックや美術館などにも連れて行ってもらえ、子供たちが退屈することの無いよう考えられているんですよ。

子供の面倒を見てくれるのも、学校の先生ではなく「animateur/animatrice」と呼ばれる人たち。この「animateur」になるのも資格が必要なので、親は安心して子供を任せることができるのです。

colonie de vacances

  • colonie グループ・集団
  • vacances バカンス

colonie de vacances」は長期休暇中に子供たちを海や山などのバカンスに送り出せるシステムのこと。「林間学校」「臨海学校」と訳されることも多いのですが、学校行事として行われる日本の林間・臨海学校とは別物です。

海や山で過ごす以外にも、スポーツ・芸術などの様々なテーマが用意されているので、子供の興味のあることを選んで申込むことができます。

1週間や2週間の間、親と離れて過ごすことになるので、子供の自主性を促すという意味でも人気があります。

金銭的な問題で家族でのバカンスには行けない親がせめて子供だけでも…と申込むケースや、好きなことを思いっきりさせてあげたいという思いから申し込むケース、はたまた親は共働きで忙しいから子供を放り込むなど、申込みの動機も様々なようですよ。

アクテビティの値段

自治体が運営している「centre de loisirs」や「colonie de vacances」は収入によって支払額が変わる仕組みなので、低収入の家庭でも子供たちに楽しい夏休みを過ごさせてあげることができます。

フランスにいるふりをしながら、スーツケースの中で服をいじる少女。

家族間を移動する子供たち

親が働いている間は「centre de loisirs」や「colonie de vacances」で過ごす子供も多いのですが、家族間を行ったり来たりする子供も多くいます。

おじいちゃんやおばあちゃんの家に預けられるというパターンもありますが、離婚カップルの多いフランスでは、両親の間を行ったり来たり、というパターンも多いのです。

両親が離婚している場合、基本的に母親と父親はバカンス期間が重ならないように調節をします。片方の親がバカンス中はそちらと一緒に過ごし、もう片方のバカンス中はそちらと一緒に過ごすというわけです。

そのためフランスでは、どちらの親もバカンスに行く場合は2度バカンスに行ける子供も多いんですよ。

まとめ

低学年でも一人で友達の家に遊びに行ったりできる日本と違い、フランスでは子供を一人で外出させませんし、子供だけで留守番させることもありません。不便といえばその通りですが、子供の安全を考えた結果のことでしょう。

そのためフランスでは夏休み中も親がしっかり計画を立て、子供だけにしないようにしています。「centre de loisirs」や「colonie de vacances」で夏休みを堪能できるフランスの子供たちが少し羨ましいですね。

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