フランスの市民農園

  1. フランス語会話・勉強

庭はないけど野菜や植物を育てたいというフランス人に人気なのが市民農園。オーガニックの人気が高まるとともに、市民農園の人気も高まっています。

今回はそんなフランスの市民農園について覗いてみましょう。

町中の菜園

今日の花子さんとマリーさんは郊外までお出かけ中。花子さんは町中にある小さな菜園が気になるようです。

会話

Hanako: Pourquoi il y a des potagers dans la ville, alors qu’il n’est pas le jardin de chez quelqu’un?

どうして誰かの家の庭でもないのに、菜園が町中にあるの?

Marie: Ils sont des jardins familiaux. 

あれは市民農園よ。

On peut louer une parcelle à cultiver par la commune.  

市町村から栽培のための小さな区画を借りられるの。

Hanako: C’est intéressant. Même si on habite dans un appartement, on peut cultiver des légumes soi-même.

興味深いわね。もしアパートに住んでいても、自分たちで野菜を育てられるのね。

En plus, on peut avoir un peu de vie champêtre en vivant dans la ville.  

そのうえ、街に住んでいながらも少し田舎生活が持てるのね。

Marie: C’est ça. Il y a beaucoup de retraités qui passent le temps là dedans.

そのとおり。多くの定年退職者がそこで時間を過ごしているわ。

Hanako: Est-ce qu’il est cher à louer?

借りるのって高いのかしら?

Marie: Je ne sais pas exactement, mais on dirait qu’il n’est pas cher.

はっきりは知らないけど、高くないって聞いたわ。

フランス式庭園にある野菜がいっぱい入った籐かご。

ポイント

potager

potager」は「菜園/野菜畑」のこと。一般的には庭などにある小規模なものを指します。

農家などの大規模な畑には「champ」を使い、○○畑という時は「champ de 〇〇」といいます。

alors que

alors que」は後に直接法がくると「~であるのに」という意味になります。

条件法の場合は「たとえ~でも」の意味です。

Il va faire très froid demain alors qu’il fait très chaud cet après-midi.

この午後はとても暑いのに、明日はとても寒くなる。

Alors qu’il fasse très froid, j’irai travailler en vélo.

たとえとても寒くても、自転車で仕事に行くよ。

commune  

commune」は「市町村」のことで、地方自治体の最小単位です。

とわいえフランスには市・町・村という区分はないので、大きな街も小さな村もそれぞれ一つの「commune」であり、それぞれに「maire 市長(町長・村長)」がいます。

champêtre 

champêtre」は古風な表現で「田舎の」という意味。ダサい田舎ではなく、のどかでちょっとおしゃれな田舎のイメージです。

フランスの庭に帽子をかぶった年配の男性が立っています。

フランスの市民農園

庭は無いけど菜園で野菜を育てたい!そんな人に人気があるのが市民菜園です。

jardins familiaux

田舎や地方都市なら庭に「potager」がある家も珍しくありませんが、街の中心に住んでいると自宅に「potager」というのは夢のまた夢、そもそも庭付きの物件がありません。

また町中でなくても、予算の関係でアパート住まいという人もいますよね。

それでも自分で野菜や果物を育てたい人に人気なのが「jardin familiaux 市民農園」。これは「commune」が土地を「potager」として貸出している菜園のこと。

小さな区画に分かれた土地のなかで、借主が好きなように野菜などを育てることができます。

それぞれの区画の中に「cabane à outils 道具入れの小屋」があり、テーブルやいすを持ち込んで、作業だけでなく自然に囲まれてのんびり時間を過ごす人も見受けられます。

賃料は安い 

jardin familiaux」は「jardins ouvriers」とも呼ばれています。

ouvriers 労働者」という名がついていることからも分かるように、もともとは収入の少ない労働者階級が食料を確保する手段の一つでした。

現在も「potager」を作るような庭付きの家を購入できない層の利用者が多く、もちろん賃料も「commune」によって違いますがとても安いのです。

目安は地方都市の場合、一区画が一年間で60~120ユーロのよう。一か月の一人分の野菜代くらいで借りれてしまうのですね。

もちろん自分たちで栽培するため手間暇はかかりますが、市販の野菜を購入するよりずっと安くつくので人気は高いんですよ。

まとめ

フランスではオーガニックの人気が年々高まっており、野菜や果物を自分で育てたいという人も増えています。庭付き一軒家の購入はハードルが高いですが、低価格で農園を借りれるならチャレンジしてみるのも楽しそうですね。

競争率は高いので当選の確率は低いですが、フランスに住むなら「jardin familiaux」に申し込んでみてはいかがでしょうか?

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