新入社員必見!フランス語での職場コミュニケーション完全ガイド

  1. フランス語講座

フランスで就職して良い人間関係を築くにはコミュニケーションが欠かせませんよね。

今回はフランスの職場で役立つ自己紹介や挨拶など基本フレーズ、フランス人とのコミュニケーションのコツを紹介します。

新入社員必見!フランス語での職場コミュニケーション完全ガイド

基本的なフランス語フレーズと職場用語

職場で気持ちの良い人間関係を築くには、コミュニケーションが欠かせません。まずは初めての職場に必須の自己紹介や日常の挨拶・基本的なフレーズを学んでいきましょう。

職場での自己紹介

まずは職場で初めて会う人への挨拶と自己紹介のフランス語表現。実はとってもシンプルです。

Bonjour, je suis Yamada Taro. Enchanté, 

こんにちは、山田太郎です。初めまして。

職場に限らず、自己紹介は通常「Bonjour おはようございます/ こんにちは」から始めます。夕方なら「Bonsoir こんばんは」ですね。

次に名前を名乗ります。学校や友人関係なら詳しい自己紹介をすることもあるでしょうが、職場ではシンプルに名前だけの自己紹介が多いのではないでしょうか。

その後は「enchanté(e)」と続けます。「非常に嬉しい」という意味ですが、挨拶では「(あなたに会えて/知り合えて)嬉しい」という意味で、日本語なら「初めまして」に相当します。

丁寧に表現するなら「Je suis enchanté(e) de vous rencontrer あなたに出会えてとても嬉しいです」ですが、職場の同僚などへの初めましての挨拶としては少々堅苦しいため「enchanté(e)」だけで十分でしょう。

以前から電話やメールなどでやり取りしていて、今回初めて顔を合わせる場合などなら「Je suis enchanté ~」の挨拶でもおかしくありません。

大勢の前で自己紹介するようなケースでは、名前だけでなく前の職場や部署などに触れてもよいでしょう。

Je travaillais aux ressources humaines.

人事部で働いていました。

ただし日本のように、年齢を告げることは一般的ではありませんので、職場での自己紹介でも、わざわざ告げる必要はありません。

名前以外のフランス語の自己紹介の仕方は、こちらの記事で詳しく紹介してます。職場の人と親しくなって、年齢や出身地など個人的な話をするようになった時に役立ちますよ

フランスのオフィスビルで握手をする2人のビジネスマン。

職場の日常の挨拶

おはよう

フランス語での朝の挨拶はシンプルに「Bonjour」でOKです。同僚や上司など社内の人か、取引先やお客様など社外の人かに関わらず、一律で「Bonjour」を使いましょう。立場の上下を考える必要がないので簡単ですね。

丁寧さを出したいなら「Bonjour」の後に名前を付けましょう。名前を知らない場合は「Monsieur / Madame」だけでもOKです。

同僚など近い立場の人に対しては「Salut やあ」もよく使われます。日本語にするとかなりくだけた印象で、職場で使うなんてどうなの?と感じてしまいますが、フランスの職場では問題ありません。

行ってきます

外回りや昼休憩などで外出する場合、日本なら「行ってきます」と一声かけるのが一般的ですが、フランス語ではどのように挨拶して出かけるのでしょうか。

Je vais à ○○.

○○に行ってきます。

À tout à l’heure.

また後で。

「行ってきます」にぴったり当てはまるフランス語は無いため「aller à ~ ~に行く」を使います。

その後に「À tout à l’heure また後で」のように戻ってくる(また会うことが分かる)一言を添えると良いでしょう。

行き先がお互いに分かっているときは、

J’y vais.

(そこに)行きます。

y」は「 à ○○」の代わりになる代名詞で「そこに」という意味です。

どこに行くかよりも、「もう行くよ」と今の場所から去ることに重点を置くなら、

Je m’en vais.

(そこから)行きます(立ち去ります)。

en」は「de ○○」の代わりになる代名詞で「そこから」という意味。「s’en aller」で「立ち去る」という意味になります。

Je reviens.

戻ってきます。

フランス人は「行ってきます」という場面で、「revenir 再び来る、戻ってくる」という表現を使うことも多いですよ。

行ってらっしゃい

また後で会うとわかっている人には「À tout à l’heure」と言いましょう。「行ってきます」「行ってらっしゃい」どちらのケースでも使える便利な表現ですね。

その日はもう会わない人なら「さようなら」と挨拶します。

Au revoir.

さようなら。

À demain.

また明日。

上記にプラスして、車で外出する人には「Bonne route 良いドライブを」、大切な商談に出かける人には「Bonne chance 上手くいきますように」と声をかけましょう。

出かける人への声掛けに使える「bon / bonne」を使った表現は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

ただいま

外から戻ってきたら「ただ今戻りました」。日本なら職場全体に聞こえるように声掛けすることもありますよね。しかしこれもフランス語にはぴったりな表現がありません。あえて言うなら…

Je suis là.

私はここにいますよ。

C’est moi.

私です。

Je suis de retour.

戻ってきました。

どれも「ただいま」に該当するフランス語の表現ですが、職場で「ただ今戻りました」の意味で使うには、間違ってはいなくても100%はしっくりきません。

そもそもフランスの職場では、大きな声で帰社を伝える必要がないことも多いため、目が合った人に「Salut」と言うだけのこともあります。「Salut」は一日に何度使っても問題ありません。

その日会うのが二度目という人には「Rebonjour」という表現もあります。「re」は「再び」を意味する接頭語ですね。「二度目のこんにちは」という意味になります。

街中でタブレットを使うフランス人ビジネスウーマン。

おかえりなさい 

外出先から帰ってきた人には「おかえりなさい」と言いますが…フランス語ではこの場合でも「Salut」が使いやすい表現です。

もちろん「Rebonjour」でも問題ありませんが、こちらは一日に何度も使うには適していません。そんなときは…

Te revoilà.

戻ってきたんだ。

revoilà」は「またやって来た」という意味。「ここに~がいる」という意味の「voilà」に繰り返しを意味する「re」がついた形です。

その後に下記のように外出中に問題がなかったか、外出の目的が上手くいったかなどを尋ねると良いですね。

Ça a été?

大丈夫でした?

Tout est bien passé?

全て上手くいきましたか?

Comment ça s’est passé?

どうなりましたか?

失礼します

仕事を終えて帰るときの「失礼します」なら、シンプルに「Au revoir」でOK。同僚など目上の人以外なら、ここでも「Salut」を使うことができます。

部屋に入るときの「失礼します」は、フランスの場合は特に何も言う必要がありません。誰かに呼ばれて部屋に入るとき等なら「C’est ○○ ○○です」と自分の名前を名乗ると良いでしょう。

お茶を出すなど何か相手にサービスをする場合も日本では「失礼します」と言いますが、フランスではこれまた何も言わなくてOKです。

それに伴い相手の注意を引きたい(手をどけてほしい、場所を開けてほしいなど)なら、「Excusez-moi すみません」と声をかけることもできます。

日本語にはあるけどフランス語にはない。そんな表現は沢山あります。詳しくはこちらの記事も参考にしてくださいね。

職場でよく使われる基本フレーズ

日本ほど職場で敬語を使わないフランスですが、丁寧な話し方をする、家族や友達と話すときのような砕けた表現は使わないなどの注意は必要です。

自分が何かしたい時、して良いか聞きたい時は下記のように「pouvoir ~してもよい」を使うことで丁寧な印象を与えることができます。

Puis-je〜?

Est-ce que je peux ~?

Est-ce que je pourrais ~?

~して良いですか?

主語と述語の倒置はしてもしなくてもどちらでも大丈夫。「Puis-je」と倒置をした方が、若干フォーマルな印象がありますが、「Est-ce que je peux ~」でも十分に丁寧な印象を与えることができます。

更に丁寧な印象を与えたい時には「je pourrais ~」と条件法を使いましょう。語気が和らぐことで、丁寧な印象が強くなります。

相手に何かをしてもらいたい時は、相手を主語にして「vouloir ~してくれませんか」を使うと良いでしょう。 

Voulez-vous / Veux-tu ~?

Est-ce que vous voulez / tu veux~?

Voudriez-vous / Voudrais tu ~ ?

~してくれませんか?

vouloir」は「~したい」の意味でよく使われますが、このように「~してくれませんか」と丁寧にお願いするときにも使うことができます。こちらも「Voudriez-vous / Voudrais tu ~」と条件法を使うことで、丁寧さが増しますよ。

相手を主語にして「pouvoir」を使うことでも、丁寧な表現をすることができます。

Pouvez-vous / Peux-tu ~?

Est-ce que vous pouvez / tu peux~?

Pouriez-vous / Pourrais tu ~ ?

~してくれませんか?

職場では何かをお願いする時は「s’il vous plaît / s’il te plaît お願いします」を忘れないようにしましょう。フランス語の丁寧な表現が完璧でなくても、この一言を付けるだけで、ぐんと良い印象になりますよ。

フランスのオフィスで話している 2 人のビジネスマン。

実践会話:新しい職場での一日

今日から新しい部署で働き始めるアントワーヌ。同じ部署で働くクレマンが仕事の説明をしています。

Clément : Il y a une tablette près de la porte. Quand tu ouvres le calendrier, tu vois des événements enregistrés.

ドアの近くにタブレットがあるよ。カレンダーを開くと、記録されたイベントが確認できるよ。

Antoine : D’accord.

わかった。

Clément : Ici c’est ton bureau. Pour communiquer avec des collègues, on utilise ce logiciel.

ここは、君のデスクだよ。同僚とコミュニケーションをとるとき、このソフトウェアを使うんだ。

Antoine : Je n’ai jamais utilisé ce logiciel.

このソフトウェアを使ったことがないよ。

Clément : C’est un logiciel particulier. Tu peux choisir un destinataire à partir de cette liste d’employés.

特別なソフトウェアだよ。この従業員リストから宛先を選ぶことができるよ。

En cliquant ici, tu peux joindre des fichiers.

ここをクリックすると、ファイルを添付できるよ。

Antoine : D’accord.

わかった。

Clément : On a créé un questionnaire la semaine dernière.

最近、アンケートを作ったんだ。

Antoine : Sur nos produits ?

製品の?

Clément : Oui. Tu peux regarder ?

ああ。見てくれる?

Antoine : Oui.

ああ。

Clément : Il y a un tableau blanc. Tu peux noter des idées. Par exemple, des sujets à aborder à la réunion.

ホワイトボードがあるよ。アイディアをメモできるよ。例えば、会議で扱うテーマとか。

Antoine : D’accord, merci !

わかった、ありがとう!

会話の中から、フランスの職場で役立つ単語をいくつか確認しておきましょう。

【Joindre:添付する】

joindre」は「添付する」などの意味を持つ動詞として使うことができます。

Juliette : Quand tu envoies un message depuis cette page, tu peux joindre un fichier.

このページからメッセージを送るとき、ファイルを添付できるわ。

Lucas : D’accord, merci.

わかった、ありがとう。

【Calendrier:カレンダー】

calendrier」は「カレンダー」などの意味を持つ名詞として使うことができます。「手帳」は「agenda」と呼ぶので、間違えないようにしましょう。

Jessica : J’ai acheté un agenda.

手帳を買ったの。

Arnaud : C’est bien. Moi j’aimerais bien avoir un grand calendrier.

いいね、僕は大きなカレンダーが欲しいなあ。

Jessica : Ce serait pratique.

便利だと思うわ。

【questionnaire:アンケート】

questionnaire」は「アンケート」などの意味を持つ名詞として使うことができます。

Bastien :Tu peux regarder le questionnaire ? Tu penses que c’est bien ?

アンケートをみてくれる?これでいいかな?

Sophie : Merci ! Je vais regarder cet après-midi.

ありがとう!今日の午後みてみるわ。

フランスの部屋で手を上げる人々のグループ。

職場でのフランス語コミュニケーションのコツ

フランスの職場で同僚と上手にコミュニケーションを取るコツを紹介します。

年齢は気にしない

日本は年功序列の考え方が強く、一歳の違いでも敬語を使いますし、年下の部下には敬語を使うべきかなど考えてしまうこともありますよね。

ところがフランスでは年齢は気にしない人がほとんどです。年齢がどうであろうと、同僚なら「tu 君」で話す。上司なら「vous あなた」で話すと使い分けましょう。

もちろん職場によっては同僚でも「vous」で話すということもあるでしょう。そうではなくみんなが「tu」で話しているなら、それに従って「tu」を使う方が早く職場になじむことができますよ。

いきなり「tu」を使うのに抵抗があるなら、「tu」で話してよいか直接聞いてみるのもおすすめです。

Est-ce que je peux tutoyer?

tuで話していいですか?

下の名前で呼び合う

これも日本人からするとびっくり!なのですが、フランスの職場では苗字ではなく下の名前で呼び合うのが普通です。

tu」と同じように年齢は関係なく、入社したての若者から退職前の年齢の人まで、下の名前で呼び合っています。もちろんあなたのことも、最初から下の名前で呼ばれることでしょう。

直接の上司などそれほど上の階級でない相手なら、下の名前で呼ぶ職場もあります。「vous」で話していても、苗字ではなく下の名前で呼ぶパターンも少なくありません。どの人を下の名前で呼ぶかも、周りの人を見て判断してくださいね。

日本の常識で考えない

年齢を気にしない事、いきなり下の名前で呼ぶこと、どちらも日本の職場では失礼に当たる行為ですよね。しかしフランスでは失礼ではなく、当たり前のことです。

他にも、忙しくても残業はしない、自分の仕事が終わっても他の人を手伝わない、失敗を認めないなど…。フランスには日本の社会人から見ると、非常識に見えてイライラしてしまうことが多々あります。

しかしあなたがイライラしても、職場のフランス人は変わりません。フランス人と上手く付き合っていくには、日本の常識で考えずそんなものだと割り切ることも重要です。

はっきりと話す

仕事で使えるレベルのフランス語力を身につけるのは大変なことです。ましてや初めて仕事をする場合は、職場でどんな話し方をすればよいのかや、独特な言い回しが理解できないこともありますよね

相手のフランス語が理解できなかったり、フランス語力に自信がないと、つい声が小さくなりがちです。そうすると相手もあなたの言うことが理解できず、コミュニケーションが上手に取れませんよね。

フランス人は基本的に、ウジウジした態度を好まず、はっきりとした物言いを好みます。分からないからと声が小さくなってしまうと、それだけであなたの話を聞く気をなくしてしまうこともあるでしょう。

フランス人相手には、分からない時は分からないとはっきり伝える。分かるまで何度でも質問する。フランス語力よりもはっきりと大きな声で話すのが、フランス人とのコミュニケーションのコツです。

まとめ

新しい場所で働くのは大変なこともありますよね。ましてやフランス人と働くとなると、言葉以外でも色々と戸惑うこともあるでしょう。

まずは挨拶や簡単な質問を通して、コミュニケーションを取ってくださいね。

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フランス語とフランス的コミュニケーションについて この記事では、フランス語でのコミュニケーションの特徴や、フランスの文化的背景に基づいたコミュニケーションスタイルについて解説しています。フランス語の特徴や、フランス人のコミュニケーションの仕方について理解するのに役立つ内容です。

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