【2025年最新】フランス留学の家賃補助「アロカシオン(APL)」徹底解説!申請条件・金額シミュレーション・必要書類まで完全ガイド
フランス留学を実現する上で、最も大きなハードルの一つが「住居費」。特にパリなどの都市部では家賃が高く、学生の予算を圧迫します。しかし、フランスには外国人留学生でも利用できる公的な家賃補助制度があることをご存知ですか?それが、通称「アロカシオン」です。この制度を賢く利用すれば、毎月の負担を大幅に軽減できます。フランスでの生活手続きは、やはりフランス語が基本。少しでも学んでおくと安心です。出発前にフランス語教室で基礎を固めておくことを強くおすすめします。この記事では、2025年最新情報に基づき、アロカシオンの複雑な条件から申請方法まで、誰にでも分かるように完全解説します!
目次
フランスの家賃補助「アロカシオン(APL)」とは?
留学生でも受け取れる公的な住宅手当
アロカシオンは、フランス政府が低所得者向けに提供する住宅手当の総称です。正式には「Aides personnelles au logement(個人向け住宅補助)」と呼ばれ、その運営はCAF(Caisse d’Allocations Familiales – 家族手当金庫)という機関が行っています。この制度の素晴らしい点は、国籍を問わず、フランスに合法的に滞在し、一定の条件を満たせば誰でも申請できることです。そのため、多くの外国人留学生がこの恩恵を受けています。
覚えておきたい用語
- Allocation (アロカシオン): 手当、補助金。住宅手当の通称。
- CAF (カフ): 家族手当金庫。アロカシオンの申請先。
- APL (アーペーエル): Aide Personnalisée au Logementの略。住宅補助の一種。
APL?ALS?どちらが適用される?
実は、学生が受け取れる住宅補助には主に2つの種類があります。
- APL (Aide Personnalisée au Logement): 大家さんが国と協定を結んでいる「協定住宅(Logement Conventionné)」向けの補助。学生寮(CROUSなど)の多くはこちらに該当します。
- ALS (Allocation de Logement Sociale): 上記のAPLの対象とならない、ほとんどの民間賃貸物件向けの補助。多くの留学生はこちらの対象になります。
「どちらを申請すればいいの?」と心配になるかもしれませんが、ご安心ください。申請手続きはどちらも共通で、CAFに「Aide au logement」を申請すれば、CAF側が物件の種類に応じて自動的に適切な方を適用してくれます。 ですから、私たちは単に「アロカシオンを申請する」と覚えておけばOKです。
【重要】アロカシオンの受給資格4大条件をチェック
誰でも申請できるアロカシオンですが、受給するには以下の4つの主要な条件をすべて満たす必要があります。
条件1:有効な滞在許可証(Titre de Séjour)を持っていること
これが最も基本的な条件です。学生ビザ(VLS-TS)で入国し、入国後3ヶ月以内に移民局(OFII)での有効化手続きを完了させた滞在許可証が必要です。手続きが完了して初めて、申請資格が生まれます。
※観光ビザや、OFII手続きの不要な一部の短期ビザ、原則としてワーキングホリデービザは対象外です。
条件2:基準を満たした「適切な住居(Logement décent)」であること
借りる物件は、フランスの法律が定める最低限の居住基準を満たしている必要があります。これを「Logement décent」と呼びます。
「適切な住居」の主な基準
- 最低面積: 一人暮らしの場合、居住部分の面積が最低9㎡以上であること。
- 安全性: 借主の健康や安全を脅かす危険(電気配線の不備、倒壊の危険など)がないこと。
- 基本設備: 暖房、給水・排水設備、トイレ(室外でも可)、調理スペース(キッチン)などが適切に整備されていること。
家賃が極端に安い物件は、この基準を満たしていない可能性があるため注意が必要です。契約前に必ず確認しましょう。

広くなくても、清潔で安全な「適切な住居」であることがアロカシオン受給の鍵です。
条件3:大家(家主)と血縁関係がないこと
賃貸契約を結ぶ大家(propriétaire)が、自分の親や祖父母、子、孫であってはなりません。つまり、親族から部屋を借りる場合は対象外となります。ほとんどの留学生にとっては関係のない条件ですが、念のため覚えておきましょう。
条件4:収入が規定の上限額以下であること
アロカシオンは低所得者向けの制度のため、収入に上限が設けられています。CAFは、申請時から遡って過去12ヶ月間の収入(Ressources)を審査します。アルバイトの給料(salaire)や一部の奨学金(bourse)などが収入と見なされます。
フランス国外での収入も申告義務があります。基本的には、収入がゼロまたは非常に少ない留学生ほど、多くの補助を受けられる仕組みになっています。
実際いくらもらえる?アロカシオンの金額とシミュレーション方法
留学生にとって一番気になるのが「一体いくら貰えるのか?」という点でしょう。結論から言うと、支給額は人それぞれで、一概に「〇〇ユーロです」とは言えません。
支給額に影響する4つの要素
支給額は、主に以下の4つの要素を組み合わせて複雑な計算式で決定されます。
- 家賃 (Loyer): 家賃が高いほど支給額も増える傾向にありますが、上限があります。
- 収入 (Ressources): 過去12ヶ月の収入。収入が低いほど支給額は増えます。
- 居住地 (Zone géographique): パリ、その他の大都市、地方都市など、地域によって物価が異なるため、基準額が変わります。
- 家族構成 (Composition du foyer): 単身か、カップルか、子供がいるかなどによって変わります。
目安としては、パリの単身留学生で月々100〜200ユーロ程度のケースが多いようです。
【図解】CAF公式サイトでのシミュレーション手順
正確な金額は申請してみないと分かりませんが、CAFの公式サイトでおおよその目安を計算できるシミュレーション機能があります。渡仏前や家探しの段階で試してみるのがおすすめです。
【シミュレーションの主な入力項目】
- Code postal du logement: 住居の郵便番号
- Type de logement: 住居の種類(Appartement, Chambre, Logement CROUSなど)
- Situation: 契約形態(Location/賃貸, Colocation/共同賃貸など)
- Montant du loyer mensuel: 月額家賃(管理費込みの金額)
- Situation familiale: 家族状況(Seul(e)/単身など)
- Revenus des 12 derniers mois: 過去12ヶ月の収入の種類と金額
- Situation d’étudiant: 学生の状況(Boursier/奨学金受給者, Non boursier/非受給者)

CAF公式サイトのシミュレーター。フランス語ですが、落ち着いて入力すれば目安額が分かります。
アロカシオン申請の完全ステップガイド【オンライン申請】
アロカシオンの申請は、現在すべてCAFのウェブサイト上でのオンライン申請が基本となっています。
申請のベストタイミングは「入居後すぐ」!
アロカシオンは、申請が受理された月の翌月から支給が開始されます。遡っての支給はありません。例えば、9月1日に入居しても、申請が10月になった場合、支給開始は11月からになってしまいます。賃貸契約を結び、入居したら、1日でも早く申請手続きを始めるのが鉄則です。
STEP1:申請に必要な書類を完璧に準備する
オンライン申請の途中で、以下の書類のアップロードを求められます。事前にスキャンまたは写真でデータ化しておきましょう。
【主な必要書類】
- 有効な滞在許可証 (Titre de séjour) の両面コピー: OFIIのシールまたはカードが貼付されたパスポートのページ。
- 出生証明書 (Acte de naissance): 日本の戸籍謄本を在仏日本大使館・領事館で翻訳してもらったもの。
- 銀行口座証明 (RIB – Relevé d’Identité Bancaire): フランスで開設した銀行口座のRIB。
- 賃貸契約書 (Contrat de location / Bail): 契約者と大家の署名があるもの。
- 家賃・居住証明書 (Attestation de loyer): CAFのサイトからダウンロードし、大家に記入・署名してもらう書類。

申請をスムーズに進めるには、事前の書類準備が何よりも重要です。
STEP2:CAFウェブサイトでのオンライン申請手続き
書類が揃ったら、いよいよCAFのサイトでアカウントを作成し、申請フォームを入力していきます。フランス語の長文に圧倒されるかもしれませんが、一つ一つ落ち着いて進めましょう。
申請後の流れと進捗確認の方法
申請が完了すると、あなたの個人アカウント(Espace Mon Compte)が作成され、申請番号(Numéro d’allocataire)が発行されます。今後はこのアカウントにログインして、申請状況の確認やCAFとのやり取りを行います。書類に不備があれば、アカウント上で通知が来ますので、定期的にチェックするようにしましょう。
渡仏前に知りたい!アロカシオンのQ&A
ここでは、留学生からよく寄せられる質問にお答えします。
Q. ワーキングホリデービザでも申請できますか?
A. 残念ながら、原則としてワーキングホリデービザはアロカシオンの対象外とされています。アロカシオンは、長期的にフランスに居住し、社会保障制度に加入することが前提の制度だからです。
Q. 申請してからいつ、どのように振り込まれますか?
A. 申請から初回の振り込みまでは、通常2〜4ヶ月ほどかかります。気長に待ちましょう。支給が決定すれば、過去に遡った分もまとめて振り込まれます。支払いは毎月5日に、あなたが指定したフランスの銀行口座へ直接振り込まれます。大家さんの口座へ直接支払ってもらうことも可能です。
Q. シェアハウス(Colocation)でも申請できますか?
A. はい、申請できます。ただし、条件があります。賃貸契約書に、同居人全員の名前が記載されている必要があります。申請は個人ごとに行い、家賃の欄には総額ではなく、自分の負担分を入力します。
Q. 帰国する時は何か手続きが必要ですか?
A. はい、必ず必要です。 フランスを出国する(借りていた住居を引き払う)際には、CAFの自分のアカウント上で「Déclarer un changement de situation(状況変更の申告)」から、退去日を必ず連絡してください。これを怠ると、帰国後も補助金が支払われ続け、後日不正受給として返金を求められる可能性があります。
まとめ:アロカシオンを賢く利用して、充実したフランス留学生活を!
フランスの家賃補助アロカシオンは、手続きが複雑で時間もかかるため、少し面倒に感じるかもしれません。しかし、毎月数万円の補助が受けられるメリットは、留学生活において非常に大きいものです。
【アロカシオン成功の鍵】
– 4つの受給条件をクリアしているか確認。
– 入居したらすぐにオンライン申請を開始する。
– 必要書類を不備なく、早めに準備する。
– 申請後は定期的にCAFのアカウントをチェックする。
– 帰国前には必ず退去の申告を忘れない。
この記事を参考に、ぜひアロカシオンの申請にチャレンジしてみてください。節約できた家賃で、あなたのフランス留学がさらに豊かで思い出深いものになることを願っています。